「お越しになる」の意味と使い方・類語・謙譲語・敬語・尊敬語
更新日:2024年06月17日
冒頭でも述べたとおり、「お越しになる」は「来る」の尊敬語です。 「来る」を丁寧な言い方にすると「来られる」、更に丁寧な尊敬語にすると「お越しになる」、最も丁寧な謙譲語にすると「伺う、参る」と表現できます。
「来られる」も尊敬語で、また比較的使いやすいので普段は「来られる」という表現方法でも構いません。ですがより改まった場面や目上の方と接する時には「お越しになる、いらっしゃる」など尊敬語を用いた方が失礼ではないでしょう。
「伺う、参る」も相手を立てる丁寧な言葉ですが、あまり堅くない場面で使ってしまうと大げさな感じがしてしまうこともあります。その場の雰囲気で、上手に言葉を使い分けられると円滑なコミュニケーションを測ることができるてしょう。
ビジネスの場面での「お越しになる」の使い方
ビジネスシーンでよくある使い方
ビジネスシーンでも「お越しになる」という言葉は非常に良く耳にします。
例えば、「〇〇さんが今日ここに来ます」というのを上司に伝えたい場合、「〇〇様が本日こちらに来られます」でも良いですがさらに丁寧な表現にしたい場合は「〇〇様が本日こちらにお越しになります」か、または「いらっしゃいます」とすると良いでしょう。
そして実際にそのお客様がやって来たことを伝える場合は「〇〇様が来られました」よりも「〇〇様がお越しになりました」や「お見えになりました」、「いらっしゃいました」の方がベストです。
相手の行動に対しての謙譲語はNG
上記の会話例ですが、「お越しになる」をより丁寧にしようとして「お客様が参られました」と表現するのは正しくありません。
「参る」は「来る」の謙譲語で、謙譲語というのは自分が相手に対してへりくだる時に使われます。例えば「これから参ります」といった使い方は正しいです。
しかし、相手の行動に対して謙譲語を使うのは正しくありませんので「お客様が参られました」という表現は良いものではないということになります。これを覚えておくと間違った敬語の使い方をしなくて済みますので、ぜひ参考にしてください。
「お越しになる」と「お越しになられる」はどちらが正しいのか
「〇〇様がお越しになられました」という表現、良く耳にします。この表現も一見丁寧に思えますが、これは二重敬語といって一般的にはあまり使わない方が良い文法表現です。
「来る」の尊敬語が「お越しになる」、それに加えて「〜する」を「〜される、〜られる」と尊敬語に変換してしまうと、尊敬語に尊敬語が重なり言いにくいし間違った文法表現をしていることになります。
「来る」と「〜られる」を合わせて「来られる」という表現は正しいので、「〜られる」という言葉を使う場合は「お越し」ではなく「来る」と合わせてください。「お越しになられる」と言わなくても「お越しになる」という表現で十分相手に敬意を払った丁寧な言葉と言えるでしょう。
正しい言葉遣いは人間関係を円滑にする
いかがでしたでしょうか。たった一つの言葉でも、使い方を誤れば相手に不信感を与えてしまう引き金にもなりかねます。それが目上の方なら尚更です。
正しい場面で正しい敬語を使えるのは社会人としての第一歩であり、人間関係を円滑にするための重要な鍵です。
今回の記事を参考に、「お越しになる」という言葉の正しい使い方について知ってもらえると嬉しいです。
初回公開日:2017年11月16日
記載されている内容は2017年11月16日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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