「なお」の意味4つ・漢字3つ|「なお」の使い方3つ
更新日:2024年09月12日
「なお」とは
日常生活で頻繁に用いられる「なお」という言葉、正確な意味を尋ねられたら、あなたはすらすらと答えることができますか。
普段、間違いなく使えていると、胸をはって言うことができますか。簡単な言葉だけに、知っているつもりになりがちです。
この機会に、いま一度、「なお」という言葉について丁寧に調べてみましょう。
品詞は副詞
「なお」という言葉の品詞は「副詞」です。
それでは、「副詞」はどういう働きをするのでしょうか。「副詞」とは、主として動詞、形容詞、形容動詞を修飾し、状態や程度について意味を付け加えるもののことをいいます。
副詞は、①状態を表すもの、②程度を表すもの、③呼応関係にあるもの、の3種類に分類されることが多いです。
また、指示語である、「こう」「そう」「あれ」「どれ」も副詞に分類されます。
「なお」の意味4つ
品詞がわかったところで、早速具体的な意味について見ていきましょう。
「なお」という言葉には、大きく分けて4つの意味が存在します。その4つの意味について、どういう意味を表しているのか、具体的にどのように使われているのか、丁寧に見ていきましょう。
意味1:さらに
「なお」は「さらに」と同じような意味で使われる事があります。その場合2つの意味が考えられます。1つめは、前の状態に情報などを追加する場合、2つめは、状態や物事を強調する場合です。
1つめの使用例
・彼女は容姿端麗で、なお、勉強もできる。
・彼女は容姿端麗で、さらに、勉強もできる。
2つめの使用例
・君といられるだけで幸せだが、結婚できたらなお嬉しい。
・君といられるだけで幸せだが、結婚できたらさらに嬉しい。
意味2:状態が変わらないこと
次は、状態が変わらないことを表す「なお」です。つまり、以前から続いていた状態がずっと変わらない様子を表します。
「相変わらず」と同じような意味だととらえていただければわかりやすいでしょう。
使用例
・昨日から降り続く雪が、今もなお降り続いている。
・昨日から降り続く雪が、今も相変わらず降り続いている。
意味3:ちょうど○○(比喩表現)
3つめの意味は比喩表現です。後ろにくる「ごとし」という言葉と対になって、「ちょうど」や「あたかも」という意味になります。この表現は漢語に由来しています。
使用例として、「論語」に有名な一説があります。
・過ぎたるはなお、及ばざるがごとし
やりすぎることは、ちょうど、やり足りないことと同じようなことだ、という意味です。翻って、何事も程々が一番いいという意味で使われています。
意味4:言い添える言葉
4つめは、言い添える言葉として使われている「なお」です。つまり、あることをいい終わったあとに、さらに別の情報を言い添えるときに使われます。
使用例
・結婚式は10月20日に執り行います。なお、招待状は、後日正式に送らせていただきます。
この「なお」について注意点があります。それは、この場合の「なお」は「副詞」ではなく、「接続詞」であると言うことです。「接続詞」は、前後の文章や句を結びつける役目をします。
「なお」の漢字3つ
それでは次に、「なお」が漢字ではどう書かれるのか見ていきましょう。
「なお」という響きを持つ代表的な漢字を3つ取り上げました。「尚」と「猶」と「直」という漢字です。順番に、検討していきましょう。
漢字1:尚
「尚」という漢字には、もともと、「尊ぶ」「高い」「加える」、という意味があります。これらの意味は、「尚」という漢字の成り立ちに由来します。
「尚」という漢字は、「八」と「向」という2つの漢字から成り立ち、「八」は神の気配、「向」は室内で祈る姿を象徴していると言われています。
そのため、より高みを目指すと言う意味あいをもつようになりました。それが転じて、現代では、付け加えや強調するさまを意味しています。
初回公開日:2017年11月18日
記載されている内容は2017年11月18日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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