「共々」の意味と使い方・目上の人に使っても良いのか・敬語
更新日:2024年09月14日
「共々」は、「家族共々」や「夫婦共々」「親子共々」といった使い方ができることをご紹介してきましたが、この表現は目上の方を指す場合に使用することができるのでしょうか。結論から言うと、目上の方へ使用するのは好ましくありません。たとえば、
・御家族ともどもご健勝のこととお慶び申し上げます。
このような目上の方相手の一文を手紙において挨拶文として用いることは、失礼にあたります。
・御家族の皆さまにおかれましては、ご健勝のこととお慶び申し上げます。
のように書き換える必要があります。自分の家族や、子供、自分達夫婦を指す場合に「共々」を使用し、目上の方の場合には「○○の皆さま」や「○○の皆さま方」と言い換えた方が好ましいでしょう。「共々」は身内にのみ使用できると覚えてください。
共々の類語
「共々」の類語表現としては、「ともに」「一緒に」「相ともに」「連れ立って」などが挙げられます。この類語表現を用いて、
・これからも夫婦共々よろしくお願いいたします。
は言い換えると、
・これからも夫婦ともによろしくお願いいたします。
というようになります。「共々」を使用するよりも砕けた印象になるので、より親しい間柄の方が相手の場合などに使用しましょう。
「共々」は結婚式で使用できないのか?
結婚式では、「重ね言葉」が忌み嫌われ、避けられるという風習があります。これは、人生で一度であるべきの結婚式において「重ね言葉」は縁起が悪いとされているからです。では、「共々」はこの重ね言葉にあたるのでしょうか。
結論から言うと、「共々」は重ね言葉にはあたりません。縁起が悪いということはありませんので、結婚式のスピーチなどでも使用することができます。使用が不自然でなければ、マナー違反にもなりませんので、気にせずに使用していただいてかまいません。
ちなみに、「かえすがえす」や「たびたび」、「皆々さま」などは重ね言葉にあたりますので、使用を控えましょう。このほかにも結婚式では「裂く」や「別れる」などの不吉な言葉も使用を控えなければなりません。スピーチをする機会がある方は必ず事前に調べるようにしましょう。
「共々」の使用場面が増えるのはよいこと
ここまでご紹介してき「共々」という表現は、夫婦や家族ぐるみでのお付き合いがある場合に使用できる言葉です。このような言葉を手紙などの挨拶文や、年賀状での年始の挨拶の言葉として使用できるようになることは、とてもうれしいことです。
社会人として、近所の方や、上司の御家族など、家族ぐるみでのお付き合いが増えたという方も多くいらっしゃることでしょう。もしあなたが世帯主である場合は、家族を代表してあいさつをすることは、社会生活においてとても重要です。
家族ぐるみでのお付き合いは、プライベートなことだと思いがちですが、そのプライベートのお付き合いを大切にすることが、仕事上の人間関係を築くことにもつながるということを忘れないでください。
人との繋がりを喜ぼう
手紙などの挨拶文で、「夫婦ともども」や「家族ともども」といった、「共々」を使用した挨拶ができる相手が増えることをぜひうれしく思うようにしてください。決して「家族ぐるみのお付き合いは面倒だ」などとは思わないようにしましょう。
そのような気持ちは相手にも伝わってしまいます。そして、そのような家族ぐるみのお付き合いの一つ一つを大事にできる人になってくださいね。
正しく使用して「共々」を挨拶文で活用してください
ここまで「共々」という表現について、意味や使い方、実際に使用する際の注意点などをご紹介してきましたが、いかがでしたか。明日からビジネスメールや手紙などの挨拶文で正しく使用することができそうでしょうか。
「共々」については、目上の方に対しては使用することはできません。その場合は必ず言い換え表現を用いましょう。「共々」は自分の身内にのみ使用できるというポイントをしっかりと押さえて、ぜひ積極的に使用してみてください。社会人として、家族ぐるみでのお付き合いを大切にすることもとても大切です。ビジネスシーンのみならず、年賀状などの挨拶文でもぜひ使用してみてください。
初回公開日:2017年12月01日
記載されている内容は2017年12月01日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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