「粛々と」の意味・使う場面5つ/「淡々と」との違い
更新日:2024年07月15日
真面目にひたむきに計画を進めるという意味で「粛々と計画を進める」と使います。ここでは「強い意志で行う」という意味を示します。
計画を進めるためには、どんな困難が立ちふさがってもそれを「強い意志で」突破していかなければなりません。「粛々と」進める、と言うと、「あきらめずに地道に、しかし確実に」進めるというニュアンスが出ます。
場面5:予定を変更しないで行う
当初の予定を「強い意志で」変更せずに行うと言うときにも「粛々と」を使います。「文句や弱音を言わずに」という意味も込められていると言えるでしょう。
この場合、「真面目に遂行する」という意味が強く出ます。「粛々と」は、あちこち飛び回らずにどっしりとひとところに構えて真面目に、という動作に対する静けさも含まれている言葉です。
「粛々と」のように、普段何気なく耳にする言葉でも、その意味を正しくとらえていない場合もあります。誤解をしている本人は、その間違いに気が付きにくいこともあるでしょう。
大事なシーンで誤用をしてしまう前に、自分の敬語力を見直してみましょう。敬語は使えなければ意味がありません。教科書のように知識だけを羅列するのではなく、「使える」敬語を習得しましょう。
「淡々と」との違い
「粛々と」と似たイメージを持つ言葉に「淡々と」があります。どちらも静かに行うというニュアンスがありますが、この2つの言葉の違いは何なのでしょうか。
仕事を「粛々と」こなす、と言うのと、仕事を「淡々と」こなす、と言うのでは、イメージされる映像は同じでも、話し手が意図することはかなり異なります。それでは、どのような違いがあるのか見ていきましょう。
「淡々と」の意味3つ
以下に「淡々と」の3つの意味を説明します。「粛々と」とはかなり異なる意味ですので、使いどころを間違えないようにしましょう。
使う場面によっては「粛々と」と「淡々と」が全く正反対の意味になることもあります。しっかりと意味を押さえておきましょう。
意味1:あっさりしている
「淡々と」には「態度があっさりしている」という意味があります。思い入れがなく、淡泊なようすのこと、また、そのような心の持ち方を指す言葉です。
「淡」という漢字は、訓読みでは「淡い(あわい)」となります。つまり、「薄い」という意味をあらわします。「淡々と」は「意思が薄くあっさりしている」という意味の漢字を重ねて強調して成り立っている表現です。
意味2:こだわりがないさま
「淡々と」には物事に対するこだわりがないさまを表す意味もあります。ものや人、仕事に対する執着心がないという意味です。
この意味も、「淡い」「薄い」という漢字の元々の意味から来ています。物事に対する愛着の感情が薄いということは、「こだわりがない」ということを表しています。「淡々と仕事をする」と言うと、感情をこめずにただひたすら作業としてこなしているというニュアンスが出ます。
意味3:強い意志はない
「意思が薄い」ということから、「淡々と」は「強い意志はない」という意味を表します。これは「粛々と」と正反対の意味です。
「淡々と」は「人の気持ちが薄いさま」「なにも心にないさま」を表すと考えても良いでしょう。「粛々と」には「目標を達成する強い意志」が込められていたことを考えると、この点が「粛々と」と「淡々と」の決定的な違いであると言えます。
厳かさがあるかないか
「粛々と」と「淡々と」の違いは、表すものに「おごそかさ」があるかないかです。「粛々と」には厳しさがあり、「淡々と」には厳しさはありません。
おごそかさは「沈黙を守る」という「強い意志」から来ますが、「淡々と」にはこの強い意志がありません。「淡々と」は、頭や心の中に何もないから物音を立てたり、話をする「必要がない」というだけであり、意思のこもった静けさではありません。
初回公開日:2017年12月08日
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