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「準じる」と「準ずる」の違いと法律用語での使い方|活用形

更新日:2024年10月06日

時々目にする「準じる」と「準ずる」という言葉、違いはご存知でしょうか。使い分けることができますか。今回は「準じる」と「準ずる」の違いを活用形の解説も交えてご紹介しています。同音異義語の紹介や言い換えも覚えて、間違えずに使えるようになりましょう。

「準じる」と「準ずる」の違い

「準じる」や「準ずる」という言葉を利用されたことはあるでしょうか。例えば、就業規則には「契約社員の給与は社員に準じる」と書かれていたり、「慶弔休暇は、社員の就業規則に準ずる」と書かれていたりします。

実はどちらも日本語の意味は同じで、「ある根拠に従う、のっとる、正規のものにならう」などになります。どちらを使っても間違った使い方ではありません。

「準じる」と「準ずる」の違いは、活用の仕方です。国語の授業で習った動詞の活用方法について、今一度確認してみましょう。

動詞の活用

動詞を使うとき、後ろにつく言葉で動詞の形が変化します。例えば、「読む」の後ろに「ない」をつけるときには、「読むない」ではなく「読まない」に変化します。この変化が動詞の活用です。

動詞の変化(活用)の仕方には5種類あります。五段活用・上一段活用・下一段活用・カ行変格活用・サ行変格活用です。動詞によって、どの活用を使うのかが決まっています。

五段活用

五段活用とは、ア・イ・ウ・エ・オなどの五十音図の五段に活用するものです。先程の「読む」も、この五段活用をする動詞です。「読ま・ない」「読み・ます」「読む」「読む・とき」「読め・ば」「読め」「読も・う」など、マ・ミ・ム・メ・モに変化しています。

上一段活用

上一段活用は、五十音図のイ段に活用します。例えば、「みる」は「み・ない」「み・ます」「みる」「みる・とき」「みれ・ば」「みろ」と変化します。マ・ミ・ム・メ・モのイ段の「み」が変化しています。

下一段活用

下一段活用は、五十音図のエ段に活用します。例えば、「食べる」は「食べ・ない」「食べ・ます」「食べる」「食べる・とき」「食べれ・ば」「食べろ」と変化します。ば・び・ぶ・べ・ぼのエ段の「べ」が変化しています。

カ行変格活用とサ行変格活用

カ行変格活用となる動詞は「来る」の一語だけです。また、サ行変格活用となる動詞も「する」「~する」だけになります。

「準じる」と「準ずる」の活用形

「準じる」と「準ずる」の違いは活用の仕方とお伝えしました。

「準じる」は、上一段活用の動詞です。「準じ・ない」「準じ・ます」「準じる」「準じる・とき」「準じれ・ば」「準じろ」と変化します。

「準ずる」は、サ行変格活用の動詞です。「準じ・ない」「準じ・ます」「準ずる」「準ずる・とき」「準ずれ・ば」「準じろ」と変化します。

比べてわかるように、「準じる」であっても「準ずる」であっても、同じ書き方になる形があります。「準じる」と「準ずる」は意味も同じですので、どちらを使っているのかわからない状況も多々あります。

両方の活用がある動詞

「準じる」と「準ずる」のように、両方の活用がある動詞はいくつかあります。例えば「信じる」と「信ずる」、「論じる」と「論ずる」、「感じる」と「感ずる」、「応じる」と「応ずる」などです。

「準じる」などの上一段活用の方が、現代では使われることが多く、「準ずる」などのサ行変格活用は、年代の古い文章のほうがよく見られます。

法律用語での「準じる」の使い方

法律用語での「準じる」や「準ずる」は、「あるものを基準にしてそれにならう、それに見合った扱いをする」という意味で使われます。

法律の条文などは、法律が成立したのが古く、そのまま改正されていないことが多いので「準ずる」と記載されていることが多くあります。しかし、同じ法律関係の文章でも、契約書や就業規則などでは「準じる」と書かれていることもあり、どちらでも問題ありません。

条文を引用するときには、条文と一字一句変わらずに記載する必要がありますので、条文と同じく「準ずる」もしくは「準じる」を使いましょう。

契約書

契約書の中にも「準じる」が使われます。例えば雇用契約書に「詳細な規定は就業規則に準ずる」と書かれている場合は、就業規則の規定に従うことを契約しています。

契約書内には書かれていないけれど別に規程があって、その規程に従いましょうという契約をする場合に「準ずる」と書かれることもあります。

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初回公開日:2017年12月27日

記載されている内容は2017年12月27日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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