「及び」と「並びに」の使い分け・意味の違い・例文3つ
更新日:2024年07月15日
3つの語句を繋げる場合は、「及び」のほかに読点(、)を使います。例えば、教師・生徒・保護者の3つの語句を繋げたいときは、通常以下のように表します。
(例)教師、生徒及び保護者
「教師及び生徒及び保護者」のように、読点を使わず「及び」を2回使った書き方も、少なからず存在しますし間違いとは言えませんが、一般的には読点を使います。
例文3:4つ以上を並べる
4つ以上の語句を繋げる場合に、「及び」を繰り返し使うと非常に読みづらくなります。そのため、この場合も3つの語句を繋げる場合と同様に、読点(、)を使うと内容が明確になります。
(例)校長、教頭、教師及び保護者
文の読みやすさ、わかりやすさの観点から考えて、4つ以上の語句を繋げる場合は、読点を使うように心がけましょう。
「並びに」の使い方
「並びに」の正しい使い方としては「及び」で繋がった語句とほかの語句、または「及び」で繋がった語句同士を、違う種類や大きさなどの理由で、区別しながら繋ぐ場合に「並びに」を使います。
「及び」で繋がった語句やほかの語句を小グループとすると、その小グループ同士を「並びに」で繋いで大グループにする、と考えるとわかりやすいでしょう。
「並びに」の例文3つ
次に「並びに」を使った例文を3つご紹介します。
基本的な使用方法である「2つ以上をならべる」場合を含め、「並びに」は使用するのに相応しい箇所というのが特に公文書などでは決まっています。
具体例を見ながらご説明していきます。
例文1:2つ以上をならべる
(例)鉛筆及びボールペン並びにノート
単純に3つの語句を繋げるためなら「鉛筆、ボールペン及びノート」とすればいいのですが、「並びに」を使っているのは、(鉛筆及びボールペン)という「及び」で繋がったひとくくりとノートが別の種類であること、つまり鉛筆とボールペンは筆記用具、ノートは紙であり、別の種類であることを示したいからです。
例文2:同じ立場
(例)牛及び豚並びにイワシ及び鮭
この例文も、「及び」で繋がった語句をひとくくりとすると、(牛及び豚)並びに(イワシ及び鮭)となります。前者は哺乳類、後者は魚類です。「牛、豚、イワシ及び鮭」のように「及び」だけを使って表さないのは、繋がった語句の中でも哺乳類と魚類を区別して示したいという意味が込められています。
例文3:法令で比べる
(例)この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、(中略)、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。
この条文では、「著作物」と「実演、レコード、放送及び有線放送」の持つ意味を明確に区別しながら繋げるために「並びに」を使っています。
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読点をつける時の使い方
先にも書いた通り、例えばABCDの四つを並べる際、「A及びB及びC及びD」と書くのは間違いではありませんし、意味も通じます。しかしこれを読む人からすると、同じ語句が連発して使われていることで、かえって読みにくい文章になってしまいます。
読点を適切に使用し、読みやす文章を書くようこころがけましょう。
及びの場合
公文書での書き方にならうと、「及び」の位置は「一番最後に来る語句の手前」になります。
(1)A、B、C及びD
通常「及び」の前後には読点は打ちませんが、「及び」の後に続く語句が、動詞句や形容詞、副詞だった場合、(2)のように及びの前に読点を打ちます。
(2)当事務局員は、資本金を管理し、運用し、及び第三者に開示する権利を有する。
初回公開日:2017年12月15日
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