施策を「せさく」と読むのはなぜか・「せさく」と読む場合の意味
更新日:2024年09月21日
施策の意味と使い方は?
「施策」とは、「しさく」と読み、世の出来事に対し政治家や役人が施すべき対策を実行したり、その対策や計画の意味です。「施策」には、「せさく」という慣用読みもあります。
【例文】
・景気対策のための施策のひとつです。
・過去の反省からこれまでの施策を見直します。
・新しい施策について検討を行います。
同音異義語の試作の意味と使い方は?
「試作」は、「しさく」と読み、本製品を作る前に、ためしに作ってみること、また、その作られたものの意味です。試作は、ほとんどの場合、量産工程の前に行われます。
「施策」とは同音異義語で、対策を実行する「施策」と、本製品を作る前に試しに作った「試作」の意味を取り違えるとトラブルになりかねないので間違えないように気をつけましょう。以下例文です。
【例文】
・新年度発売予定の試作品を作ります。
・試作段階でいくつかの問題点が見つかりました。
・試作品での評判は上々です。
同音異義語の思索の意味と使い方は?
「思索」は、「しさく」と読み順序だてて深く考えを進めることと、筋道を立てて深く考えることの意味です。
「施策」とは同音異義語で対策を実行する「施策」と考えるだけで実行しない「思索」の意味を取り違えるとトラブルになりかねないので間違えないように気をつけましょう。
【例文】
・明日の発表会について思索にふけました。
・昨日から体調が悪くて思索できる体調では、ありません。
・夜も更けてきたので静かに思索することにします。
施策を「せさく」と読むのはなぜか?
施策は、「しさく」と読むのが正しい読み方です。「せさく」は、慣用読みです。慣用読みとは、正式な読み方ではないですが、よく用いられる読み方です。
なぜ、「施策」を「せさく」と読むようになったかは、「しさく」には「試作」や「思索」など間違えやすい同音異義語があるので、それらと間違えないようにするために「せさく」という読み方をするようになりました。
また、役所などの行政では、以前から慣用的に「しさく」は使用せずに「せさく」を使用しています。
もともと「施」には「施工」など「せ」を使う熟語も多いのと「せこう」という呼び方が自然で違和感のない呼び方というのも慣用読みしやすい読み方といえます。
漢字の施策をせさくと読む意味
漢字の「施策」を「せさく」と読む意味は、同音異義語である「試作」や「思索」と区別して意味を取り違えないようにするためです。同音異義語の多い「しさく」と比較して「せさく」には、間違えやすい同音異義語はありません。
同音異義語と区別する読み方は、「私立」と「市立」を「しりつ」と読むところを、それぞれ「わたくしりつ」と「いちりつ」と読んだり、「化学」を「科学」と区別するために「かがく」と読むところを「ばけがく」と読んだりします。
また、ビジネス社会では、取引先や上司が「せさく」という呼び方をした場合に、話を合わせやすくするために「せさく」という場合もあります。
しさくとせさくの違いは?
「しさく」と「せさく」の違いは、まず、先頭の文字の「し」と「せ」の違いです。また、「しさく」が「試作」や「思索」など間違えやすい同音異義語が多いのに対して「せさく」には、間違えやすい同音異義語は、ありません。
どちらが正しいのか?
「しさく」と「せさく」正しい読み方はどちらでしょうか。正しい読み方は「しさく」のほうです。
NHKの平成24年10月「視聴者対応報告」によると、「施策」を「しさく」が正しいのに「せさく」と誤読していたとして視聴者からの指摘を受けて、NHKは、「せさく」は、誤りで「しさく」が正しい読み方だったとしています。
このことからも、正しい読み方は「しさく」ということがわかります。
せさくがよく使われるシーンは?
初回公開日:2018年01月12日
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