「よきにはからえ」の意味や使い方|敬語での言い換え表現も紹介
更新日:2024年08月04日
「時代劇でよく使われる『よきにはからえ』ってどんな意味?」
「現代でも『よきにはからえ』って使えるの?」
「『よきにはからえ』ってどんなシーンでも使っていい?」
時代劇で身分や地位の高い人が「よきにはからえ」と言っているのを聞いたことがある人も多いでしょう。ただし、現代の人にはなじみの少ない言葉です。
この記事では、「よきにはからえ」というフレーズの意味や使い方などを解説します。また、「よきにはからえ」の言い換え表現や敬語・英語での言い換えも紹介するため、記事を読むことで「よきにはからえ」という武士言葉に関する理解も進むでしょう。
この記事を参考にして、「よきにはからえ」を使って楽しいやり取りをしてみてください。また、「よきにはからえ」と言われた時にセンスの良い返答をして、日常会話を楽しみましょう。
「よきにはからえ」の意味・漢字表記の仕方
「よきにはからえ」はかつて武士の間で広く使われていた武士言葉で、目上の人(身分の高い人)から目下の人(身分の低い人)へ使う言葉です。
「適切に処理しろ」「お前に任せる」といった意味があり、漢字で表記すると「良きに計らえ」と表せます。
「良き」とは形容詞「良し」の連体形、「計らえ」は「計らう」の命令形であるため、「物事がうまくいくように考えて適切に処理しろ」という命令文になります。
「よきにはからえ」というフレーズには、言う人が責任を取らないうえに言われた人に対する重い責任を含んでいます。
また、言った人は相手に丸投げしておきながら、その処理の結果が気に入らなかった場合、言われた人が何らかの報いを受ける可能性があるという特徴も持っています。
良きに計らえ
出典: https://www.weblio.jp/content/%E8%89%AF%E3%81%8D%E3%81%AB... |
読み方:よきにはからえ
普通、「良いように処理しておけ」といった意味合いの表現。いちいち詳細を指示しないから、任せるから、やっておくようにと言う場合の言い回し。
「よきにはからえ」の使い方
「よきにはからえ」というフレーズは、現代人が日常生活やビジネスの場でをほとんど聞くことはなく、なじみの薄い言葉です。そのため、どのようなシチュエーションで使うべきか分からない人も多いでしょう。
ここでは「よきにはからえ」の使い方を解説します。
日常会話で冗談として使う場合
「よきにはからえ」は日常会話の中で冗談として使われることがあります。
たとえば、友人からどこに行きたいかを問われたときに「よきにはからえ」と答えれば、「どこに行くか場所を決めて良い」という意味を込めた冗談交じりの返答になるでしょう。
ただし、かつて身分の高いものが低い者に使っていた名残があるため、この返答を使うべきでない場面も多々あります。TPOをわきまえ、注意して使いましょう。
ビジネスシーンで使う場合
「よきにはからえ」はビジネスシーンでも使われることがあります。たとえば、指示を仰いだ部下に対して上司が「よきにはからえ」と答えれば、「任せるから適切に処理しなさい」という意味を持った返答になります。
ただし、前述したとおり、この言葉は身分の高い人から低い人へかけるものです。日常生活以上にビジネスの場面では礼儀や上下関係が重視されるため、たとえ関係が良好だったとしても、部下が上司に向かって「よきにはからえ」と言うのは避けた方が無難です。
「よきにはからえ」の敬語での言い換え表現
前述したとおり、「よきにはからえ」は現代社会において使われることがほとんどない表現です。日常会話で冗談を交えたやり取りなどでは使われる場合もありますが、ほとんど使ったことがないという人も多いでしょう。
しかし、その代わりとなる言葉(言い換えられる敬語の表現)はいくつかあります。ここで代表的な敬語での言いかえ表現を紹介しましょう。
ただし、「よきにはからえ」は、目上の人や身分の高い人から目下の人に対して使われる言葉です。「よきにはからっていただけますか」というように丁寧な言い回しに変えたとしても、使わないほうが良いでしょう。
「お任せ致します」
「よきにはからえ」を言い換えたもっとも近い敬語の表現は、「お任せ致します」でしょう。「よきにはからえ」は相手に処理を任せるという意味を持つため、謙譲語の「致します」を使って「お任せ致します」と言い換えられます。
「お取り計らいのほどよろしくお願いいたします」
「よきにはからえ」は「お取り計らいのほどよろしくお願いいたします」とも言い換えられます。「お取り計らい」の意味は、「物事がスムーズに進むように注意して処理してくれること」です。
相手にこれから気遣いをしてもらいたい場合に使う言葉で、頭に「お」をつけ、さらに「よろしくお願いいたします」とお願いする文章です。これは目上の人に対して使う尊敬語として使います。
「相手に任せる」という意味だけでなく、「適切な処理をお願いする」というニュアンスが強くなり、「物事の処理を押しつける」という雰囲気が消えます。
「お取り計らい頂けますか」
初回公開日:2018年02月28日
記載されている内容は2018年02月28日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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