「何かございましたらご連絡ください」の使い方と例文・種類
更新日:2024年09月03日
日本語には昔から本来の意味とは別に、裏の意味やニュアンスが隠されていることがあります。「何かございましたらご連絡ください」にもそのような意味があるのでしょうか。
相手への確認として使われることが多い
「何かございましたらご連絡ください」を使用した例文を挙げてみましょう。次の3つの例をご覧ください。
「先ほど資料をお送りいたしました。何かございましたらご連絡ください」「こちらに説明が記載されておりますが、何かございましたらご連絡ください」 「ご案内は以上になります。何かございましたらご連絡ください」
これらには「何かございましたらご連絡ください」という節が、相手へ何かを確認するような「大丈夫ですか」「問題はありませんか」といったダブルチェックに近い含みで使用されていることが理解できます。
「何かございましたらご連絡ください」は挨拶的扱い
「何かございましたらご連絡ください」は「何卒よろしくお願いいたします」と同じ感覚で使っていませんか。相手も言い慣れた敬語ですから社交辞令として受け取る方も多いはずです。
しかし最初に述べたように「何かございましたらご連絡ください」は、ただの凡庸な挨拶表現ではありません。「何かございましたらご連絡ください」と日頃から伝えているにもかかわらず、いざ相手から問い合わせや連絡が届いた際に、対応ができないようでは信用問題にも関わりかねません。
言った以上は自分が言葉に責任を持って、敏速な対応をする意識を忘れないことが重要です。
敬語「何かございましたらご連絡ください」の例文
「何かございましたらご連絡ください」を、より親切なニュアンスで相手に伝えたい時、もう一言添えるなら、あなたはどのような言い方をしますか。例文を見ながら探っていきましょう。
例文1 お手数おかけいたしますが
「お手数をおかけいたしますが、何かございましたらご連絡ください」というフレーズをよく耳にします。ビジネス文書での一場面で活用されています。「お手数をおかけいたしますが」とは、こちらの依頼や要求に応える手間をかけさせてしまうことへの謝罪や感謝の意味があります。
「お手数をおかけいたしますが、何かございましたらご連絡ください」とは、忙しい相手への感謝の言葉が含まれます。類似例としては「お忙しいと存じますが、何かございましたらご連絡ください」と言う表現でも可能です。
例文2 何かございましたらお気軽にご連絡ください
「何かございましたら、お気軽にご連絡ください」という表現も多く見受けられます。これは、相手に気兼ねなく連絡して貰いたいというホスピタリティの面からの発言です。ただし、敬語表現を使っていても「お気軽に」を使うと、相手に軽々しいという印象を与えかねない欠点もあります。
もしその点を考慮するのなら、「お気軽にご連絡ください」を「ご遠慮なくお申し付けください」としてみましょう。明確ですっきりとした敬語表現としては、こちらのほうが正しい判断です。
お気軽にご連絡くださいは二重敬語
つい使ってしまいがちな表現です。このままでは、「お気軽に」と「ご連絡」の二つが連なった敬語表記なので二重敬語になってしまいます。しかし近年では、時代の変化とともに、上記のようなややミスマッチな敬語表現でも、多くのビジネスシーンで受け入れられ普通に使われてはいます。
例文3 何かございましたらいつでもご連絡ください
「何かございましたら、いつでもご連絡ください」という表現もよく耳にします。一見、頼もしい言葉ですが乱用は禁物とされています。「いつでも」とは「どんな時でも、常時」という意味です。万が一24時間、相手の連絡に応じる体制になってしまうと、かなり苦しい立場に追い込まれてしまいます。この表現については、臨機応変に対応ができる時のみに使用しましょう。
「何かございましたらご連絡ください」の何かとは
いろいろなものをまとめて指し示しているものが「何か」にあたります。「何かございましたらご連絡ください」のなかにある何かとは、「ご不明点、ご質問、問題点」がございましたら、ご連絡くださいという部分が隠れています。
ビジネスシーンで頻繁に扱うわりには、「何かございましたら」の「何か」の意味が分からない方も少なくありません。できれば「ご不明点がございましたら、ご連絡ください」「問題がございましたら、ご連絡ください」と、具体的に伝えるほうが、親切な敬語であることを覚えておくとよいでしょう。
初回公開日:2018年03月20日
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