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2018年03月20日

「懸案事項」の意味と使い方・類語・書き方・懸念事項との違い

「懸案事項」は、日常のビジネスシーンでよく使われる言葉です。一方で、「懸念事項」や「問題」、「課題」など、似通った言葉があり、誤用されているケースも少なくありません。そこで、言葉の使い方などから整理するとともに、その解決手法について概観します。

「懸案事項」の意味と使い方は?

「懸案事項」の意味と使い方・類語・書き方・懸念事項との違い

「懸案事項」は、ビジネスs-ンでよく使われる言葉です。そこで、まず、その意味や使い方について見ていきましょう。

懸案事項の意味は?

「懸案事項」とはどういう意味でしょうか。

「懸」=引っかかること。心という文字が含まれているので、決着がつかない、心が落ち着かないという意=以前から問題になっていて、未解決であること。

「案」=内容や意見、計画など。

すなわち、「懸案事項」とは「以前から問題になっている未解決の事柄」という意味になります。

「懸案事項」の使い方は?

次に、「懸案事項」という言葉はどのように使うのか、いくつか文例を挙げてみましょう。

・マンション建設あたっての最大の懸案事項は、住民の同意である。
・長年にわたる懸案事項が、ようやく解決した。
・震災の被災地では、流出した住民の帰還が懸案事項の一つである。
・日本にとって、少子高齢化による人口減少が、最大の懸案事項である。
・社会保障政策にとって、財源の確保は大きな懸案事項である。

などのように使われます。

「懸案事項」の類語や言い換えの表現は?

「懸案事項」の意味と使い方・類語・書き方・懸念事項との違い

次に、「懸案事項」という言葉の類語や言い換え表現について見ていきましょう。「懸案事項」とは「以前から問題になっている未解決の事柄」という意味でした。

類語としては、次のような言葉があります。

・心配事
・不安要素
・懸念事項
・問題点
・悩みの種
・気がかりな問題

などです。

「課題」とは?

「懸案事項」の類語の一つとして、「問題点」という言葉を挙げました。それとよく似た言葉に「課題」があります。普段は、あまり意識して使い分けいないという人も多いでしょう。しかしながら、ビジネスの場で用いるときには、その違いを十分念頭に置いて使用しないと、コミュニケーションが成立せず、混乱してしまう危険性があります。

ビジネスの場では、次のような違いがあります。

・問題:発生している状況を示す。組織にネガティブな影響を及ぼす事柄。
・課題:問題解決のためになすべき事柄。手段。

「課題」と「問題」の違いの例文は?

少し理解しにくいかもしれませんので、例文で違いを見ていきましょう。

(1)日本の人口が減少している。
(2)どうすれば人口減少を止めることができるのか。
(3)生産年齢人口が減少している。
(4)生産年齢人口の割合を保つためにはどうしたらいいか。

違いがお分かりでしょうか。(1)と(3)は、ともに事実です。また、(2)と(4)は、その事実を踏まえて、何をなすべきなのかという文章です。

すなわち、(1)と(3)は、「問題」であり、(2)と(4)は、課題であるという区別がつきます。

では、「課題」と「懸案事項」は違うの?

このように見てくると、「懸案事項」は、どちらかというと「問題」に近いことが分かります。もっとも、「課題」が解決しないことが「懸案事項」だという見方もあるでしょう。でも、特にビジネスシーンでは、「懸案事項」と「課題」は使い分けたほうがいいでしょう。

「懸案事項」と「懸念事項」の違いは?

「懸案事項」の意味と使い方・類語・書き方・懸念事項との違い

もう一つ、似たような言葉に「懸念事項」があります。「懸念」とは、「気にかかって不安に思うこと」ですから、「懸念事項とは、「気にかかって不安に思っている事柄」ということになります。

例文を挙げてみましょう。

・今夏は、熱中症患者の増大が懸念される。
・今年の春は、花粉の飛散の多さが懸念される。

これに対して、「懸案事項」とは、上記の例文を使えば、

・今夏は熱中症患者が増大する見込みである。
・今年の春は、花粉の飛散が多い。

という客観的な事実を表すという違いがあります。

また、「懸念する」、「懸念される」は、第三者的な表現ですが、「懸案である」は、「それを現に問題として捉えている」というニュアンスの違いもあります。

「懸案事項」の対義語は?

「懸案事項」の意味と使い方・類語・書き方・懸念事項との違い

では、「懸案事項」の対義語について見ていきましょう。

再度整理しますが、「懸案事項」とは、「以前から問題になっている未解決の事柄」でした。この意味から対義語を類推すると、

「以前から問題になっていたことのうち、解決した事柄」ということになります。このような意味を持つ表現としては、

・既決事項
・既済事項

また、「懸案」という言葉だけの対義語を考えた場合は、

・長所
・利点
・メリット
・強み

などが挙げられます。

懸案事項の書き方は?

「懸案事項」の意味と使い方・類語・書き方・懸念事項との違い

次に、懸案事項の書き方について見ていきましょう。

客観的事実に基づく内容!

先に例文で見たように、懸案事項として挙げる事柄は、客観的事実に基づいた内容でなければなりません。

個人的主幹が強い事柄や類推は避ける必要があります。もう一度例文を挙げましょう。

・マンション建設あたっての最大の懸案事項は、住民の同意である。
・長年にわたる懸案事項が、ようやく解決した。
・震災の被災地では、流出した住民の帰還が懸案事項の一つである。
・日本にとって、少子高齢化による人口減少が、最大の懸案事項である。
・社会保障政策にとって、財源の確保は大きな懸案事項である。

いずれも、「懸案事項」として、正しい事実・分析です。

一つひとつの懸案事項を挙げる!

通常、懸案事項は複数発生します。それらをまとめて文章化するのではなく、一つひとつ分類して表現するようにします。

懸案事項の一覧を作る!

「懸案事項」の意味と使い方・類語・書き方・懸念事項との違い

以上のような手順で懸案事項を抽出したら、まずは、班や係、課など組織の最小単位ごとにまとめます。後で、整理しやすいように、エクセルで入力するのがいいでしょう。

次に、より上位のセクションの懸案事項一覧を積み上げ、最終的には、組織全体の一覧表が可視化できるように整理します。

懸案事項のまとめ方は?

「懸案事項」の意味と使い方・類語・書き方・懸念事項との違い

次に、懸案事項のまとめ方を見ていきましょう。

部署別に優先順位をつける!

作成した懸案事項の一覧表に、セクション単位での優先順位を付けます。

セクションの総体が組織ということになりますから、最終的には、組織全体として何に優先して取り組むべきかを判断します。

その結果、必要なセクションには、予算や人員などの重点配分を行うなど、経営的な措置を講じます。

懸案事項の解決に向けての手法は?

「懸案事項」の意味と使い方・類語・書き方・懸念事項との違い

ここまで、懸案事項の書き方や整理の仕方などをお示ししてきました。

懸案事項はうまく整理できても、それが解決に向かわなければ、何の意味もありません。そこで、その作業プロセスにおける共通の考え方や、懸案事項の解決に向けた手法などについて見ていきましょう。

一体何が懸案事項なのか?

「懸案事項」と「懸念事項」の中でも触れましたが、「組織としての」懸案事項に取り上げるためには、「主観的な類推」を含んではいけません。

セクション単位で、様々な「懸案事項」として取り上げるべき事柄が挙がってきます。それを、客観的事実として組織対応すべき事項かどうか、峻別する必要があります。

優先順位は的確か?

懸案事項のリストについて、セクションごとの優先順位付けが必要であることをお示ししました。

組織の予算や人員には限りがあります。懸案事項として選別された事項の中でも、何を優先的に取り組む必要があるのかを決定するのも、重要な視点です。

あるべき姿を明確にする!

次に、あるべき姿を明確にすることです。

先程の例文を使って手法を見ていきましょう。「懸案事項」の使い方として、

①マンション建設あたっての最大の懸案事項は、住民の同意である。
②震災の被災地では、流出した住民の帰還が懸案事項の一つである。
③日本にとって、少子高齢化による人口減少が、最大の懸案事項である。
④社会保障政策にとって、財源の確保は大きな懸案事項である。

などを挙げました。

ここで着目すべきなのは、「懸案事項」として示されている事柄は、なべて、問題のスケールが大きいということです。

具体的には、①は「住民の同意」、②は「流出した住民の帰還」、③は「日本の人口減少」、④は「財源の確保」がそれぞれ懸案事項です。

でも、これだけでは何の問題解決にもつながりません。そこで、次に検討しなければならないのは、①から④の懸案事項を解決するための手段(課題)の設定です。

6W3Hを活用する!

手段(課題)を設定するに当たって念頭に置くべきなのが、「6W3H」です。

「6W」とは、Why、What、Where、Who、Whom、Whenです。

「6H」とは、How to、How much、How manyです。

基礎的な英語なので、意味はお分かりのはずです。要約しますが、手段(課題)を検討するに当たっては、「何を、いつまでに、どのような状態にしたいのか」ということを明確にしなければなりません。

優先順位の見直し!

「6W3H」を活用して、手段(課題)を整理したところ、想定以上に時間がかかる、コストがかかる、人手が必要など、様々な「懸案事項」が出てきます。

そこで、一旦決めた「懸案事項の優先順位」であっても、「組織の力量に応じた変更」を行う場合も出てきます。

「一度決めたのだから」、などという固執は禁物です。柔軟な入れ替えを心がけましょう。

業務分担・スケジュール表の作成

「懸案事項」と「手段(課題)」が設定されました。次に必要となるのが、業務分担・スケジュール表です。これも、エクセルを活用するのが便利です。

縦のマトリクスには、懸案事項と手段(課題)、担当者を、横のマトリクスには、その手段(課題)についての年度スケジュールを入力します。

毎月の進行管理を!

実行に向けての事前準備は整いました。次に必要なのが、「的確な進行管理」です。

懸案事項は的確に整理できた、それを解決するための手段も明らかになった、年度のスケジュールや担当者も一覧にした、後は実行あるのみと取り組みます。

ところが、年度末になると、思うような成果が上がっていない、むしろ、事態が悪くなっている、などというのが多くの組織の実態です。

なぜ、そうなるのでしょうか。理由は明らかです。期中における進行管理と創造的な補正が全くなされていないからです。多くの組織が陥りやすい病弊が、このように「形は立派に整えたが、それに満足してしまい、フォローアップが疎かになる」ことです。

各セクションにおいて、必ず一か月に一度は、進行管理のためのミーティングを持ちましょう。そこで、問題点が発見されたなら、迷わず、スケジュールや担当、やり方などを変更し、進行管理表を改訂することが必要です。

懸案事項を懸案事項で終わらせないために!

「懸案事項」の意味と使い方・類語・書き方・懸念事項との違い

懸案事項の意味と使い方から、懸案事項の解決に向けた手法まで、概要をお示ししました。個人はもとより、どんな組織にも、どんな形であれ、いつでも、多少なりとの懸案事項は必ず存在します。問題は、それを的確に把握するとともに、いかにすれば、その解決に繋がるのかを明らかにし、実行することです。さらに、実行をしていく途上において、的確な進行管理と創造的補正を行うことです。

これら一連の手順を着実に行うことで、必ずや「懸案事項」は解決されるでしょう。

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