「懸案事項」の正しい意味と使い方は?「懸念事項」との違いや対義語も解説
更新日:2024年09月09日
「懸案事項」はかしこまった表現で、ビジネスシーンで使われることの多い表現です。
似たような表現として「懸念事項」という言葉がありますが、実はニュアンスが少し違います。その違いを理解せずに「懸案事項」と「懸念事項」を混同している方もいるのではないでしょうか。
この記事では「懸案事項」の意味や使い方を解説していきます。また、言い換えの表現や英語表現もご紹介します。この記事を読むことで、「懸案事項」の具体的な使用方法について理解を深めながら学ぶことができるでしょう。
「懸案事項」の意味や使い方を理解し、似たような表現である「懸念事項」との使い分け方もマスターしていきましょう。
「懸案事項」の意味は?
「懸案事項」とはどういう意味でしょうか。
「懸」=引っかかること。心という文字が含まれているので、決着がつかない、心が落ち着かないという意=以前から問題になっていて、未解決であること。
「案」=内容や意見、計画など。
すなわち、「懸案事項」とは「以前から問題になっている未解決の事柄」という意味になります。
「懸案事項」の読み方は?
「懸案事項」は「けんあんじこう」と読みます。「懸案」に似たような言葉として「懸念(けねん)」という言葉があるので「けあん」と読みたくなってしまいます。しかし、正しくは「懸案(けんあん)」と読みますので注意しましょう。
「懸案事項」と「懸念事項」の違いは?
似たような言葉に「懸念事項」があります。「懸念」とは、「気にかかって不安に思うこと」ですから、「懸念事項とは、「気にかかって不安に思っている事柄」ということになります。
例文を挙げてみましょう。
・今夏は、熱中症患者の増大が懸念される。
・今年の春は、花粉の飛散の多さが懸念される。
これに対して、「懸案事項」とは、上記の例文を使えば、
・今夏は熱中症患者が増大する見込みである。
・今年の春は、花粉の飛散が多い。
という客観的な事実を表すという違いがあります。
また、「懸念する」、「懸念される」は、第三者的な表現ですが、「懸案である」は、「それを現に問題として捉えている」というニュアンスの違いもあります。
「懸案事項」の使い方は?
「懸案事項」はかしこまった表現というイメージがあります。そのイメージの通り、ビジネスシーンやニュース、新聞などで使われることが多い言葉です。
おさらいすると、「懸案事項」には以前から問題になっている未解決の事柄という意味がありました。
例えば、日本においては地震や台風などは災害リスクの観点では「懸案事項」と言えるでしょう。また、ビジネスの場においては人材の確保や費用の捻出などが「懸案事項」の会社もあるでしょう。
「懸案事項」という言葉は、過去に起こった事柄を示すため情報を共有したり報告するシーンで使われることが多いです。
それでは、具体的にどんなシーンで使われるのかを確認しましょう。
会議やスピーチなどで使う
「懸案事項」はビジネスでの会議や何かを報告する場面で使われることが多い表現です。また、ニュースや新聞記事などでもかしこまった表現として使われています。
議事録の最後で使う
「懸案事項」は会話だけではなく、文書の項目として扱うこともあります。
例えば、会議の議事録に「懸案事項」という項目を作り、まだ解決できていないことやこれから議論すべき点などを書いておきます。そうすることで、次にどんなアクションを起こすべきかを整理することができるでしょう。
「懸案事項」の例文
次に「懸案事項」の使い方を例文をもとに確認していきましょう。
初回公開日:2018年03月20日
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