「特記事項」の意味と使い方・書き方・ない場合の書き方|履歴書
更新日:2024年07月16日
「特記事項」の意味と使い方
「特記事項」という言葉の意味は「特にこれだけは伝えておきたい」として読者に伝えるべき事柄を簡潔に記す内容のことを意味し、「注目・着目すべき点」や「ここだけは注意してほしい点」を相手に伝えるために書く内容を言います。
いわゆる「特筆事項」や「留意点」、あるいは「備考」などとも言われますが、1つの情報・内容を伝える場合に「誰でもこの点に注目してほしい」という点をまとめて示す項目・記事が特記事項として認められます。
「特記事項」と「備考」の違い
先述で「特記事項」と「備考」が同じようにご紹介しましたが、その詳細の意味合いを言う場合、「特記事項」と「備考」とは微妙に違う点が出てきます。
「備考」というのは主に「1つないし複数の情報を伝える際に、参考として添付する内容」を意味し、「このことを考える際・このことに配慮する際にはとりあえずこの点にも留意してください」という意味合いでその内容を相手に伝えます。
つまり「参考程度でよい」という項目・記事を伝える点と「必ずこの点に注目してください」という、相手に配慮してほしい点の度合いにまず相違があり、「備考」よりも「特記事項」の方が「相手への注目を促す度合い」が強まります。
「特筆」と「特記事項」
「特筆(とくひつ)」という言葉の意味は「1つの情報・内容を伝える際に、特にこれだけは知っておいてほしい」として「その情報について考慮する際に取り立てて伝えたい内容」を指し、この点ではほぼ「特記事項」と同じ扱いになります。
しかし「特筆」の場合も「備考」に見られたように、「とりあえずこの情報を考える際に、この点についても配慮してほしい」という「参考にしてください」という姿勢がややうかがわれるため、この点では「特筆」よりも「特記事項」の方が「付随させる情報への促し」の度合いは強くなります。
「特筆」という言葉は現代用語として頻繁に使われ、「特記事項」という表記よりも簡略化されてわかりやすい点をもって「特筆」と言う方が多く使われることもあります。この用語としての経緯を踏まえた上で言えば、「特筆」の意味合いも現代では「特記事項」と同じ意味合いで認められる場合が多くあります。
「特記事項」とアピール
「特記事項」という言葉の意味合いが先述のように「1つの情報を提供する際に、こちらの方の情報にも注目してください」という「相手からの配慮」を引き寄せる点から、その特記すべき点がすでに「アピール内容・文句」になっている場合も多くあります。
・インターネットを使う際には、まずフラッシュ光回線に接続ください。
・オベーションギターをご購入される際には、どうぞ専用のアンプもあるのでお試しください。
・わたしは文学部に所属しており、特に川端康成文学については定評がありました。
・パソコンのワードを扱うことが得意です。簿記2級の資格を持っています。
このように、「○○する場合は△△へご配慮ください・ご検討ください」や「○○する際に、自分は△△という特技があります。だからその特技の方にもぜひご配慮ください」という言い方が特記事項で書かれる「アピール文句」の表記となります。
「特記事項」の書き方
先述で少し触れましたが、「特記事項」の書き方というのは「そのメインに伝えたい情報の補足や強化を図るために付け添えられる付随的な情報」となり、「○○を買われる際には、ぜひこちらの商品もご検討ください」や、「わたしは文学部に所属しておりました。特に川端康成文学への解釈には定評がありました」という、メインに伝えたいことの補助的な情報になります。
この「補助的・強化的な情報」を添付することによって、メインに伝えたい情報・内容に対する相手の興味を引く効果を合わせ持ち、そのメインに伝えたい情報への信頼性をさらに高めようとすることに重点が置かれます。
また上記とは別に「特記事項」として書くべき内容には、「これだけは伝えておきたい」とする補足の内容だけを伝える用途もあり、「学校へは行けます。しかし行ける時間帯は17時から18時の間です」などと、具体的な情報掲示を主流にする場合もあります。
履歴書の場合
就職活動や転職活動のときに書かなければならない履歴書では、特に「自分の特技やアピールポイント」、また「就労時間における希望」や「理想的な収入額」を提示するなど、自己紹介を含めた希望を書く項目があります。
・わたしは大学時代に経済学部に所属しておりまして、統計学が最も得意です。
・計算が得意ですけれど、微分積分などを含むデータ計上などは苦手です。
・可能であれば車通勤により、1時間以内で通える範囲でお願いいたします。
・両親の介護という家庭事情がありますので、職場が近隣府県で、給料につきましては10万円以上/月でよろしくお願いいたします。
簡潔に例をあげると上記のようになり、自己紹介をした後で「この点だけは伝えなければならない」とする点を項目ごとに分けて伝える形になります。
認定調査
いわゆる認定調査というのは「要介護度を決める際の基準」となる調査のことで、主に「心身的な状態がどのレベルの介護度に当たるか」ということを正確に分析する調査を指します。この場合の特記事項では、心身的な状態を伝える上で、その内実をさらに詳しく記す形となります。
・立位困難です。手すりがあればつかまり立ちはできます。
・嚥下状態がよくありません。水分にトロミをつけると飲食することができます。
・コミュニケーション能力に困難があります。右の耳元で、比較的大きな声で話すと意思疎通はできます。
・車いす生活をしています。平たんな道であれば100メートルくらいは歩行できます。
このように先にメインの情報を伝えておき、後述でそのメインの情報に補足する形で付け加えられる情報・内容が、認定調査の場合の特記事項の書き方となります。
転職サイト
転職サイトというのは基本的に、「毎日コミュニケーションを取れることを前提にした、人材サービスをはじめとする総合的な転職サービス」を意味し、主にWEB上で情報交換することができるリクルート活動のポータルサイトのことを言います。
この転職サイトでの特記事項の書き方も、特に「履歴書」を書く場合の書き方と変わりません。WEB上で履歴書が登録される形となり、転職サイトとユーザーとの個別で取るコミュニケーションとなるため、そこだけで開示される履歴書となります。
その履歴書に記入する項目は一般的な履歴書の項目と変わらず、就職に希望する内容をすべて明記する形となります。
初回公開日:2018年04月09日
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