「つつがなく」の意味と使い方・敬語・類語・目上の人への使い方
更新日:2024年07月08日
お葬式がつつがなく終了しましたは間違い?
お葬式が何事も無く終了した時に、「つつがなく終了しました」と使われる事があります。確かに波乱もなく無事に終われば、思わずそういう使い方をしたくなる事も、心情的には理解できます。
しかし、ちょっと考えてみてくだい。これまで「恙」には、病気や災い、わずらい、心配事などの意味がある事を述べてきました。つまりそれらの言葉は決して縁起の良い言葉では無く、なるべくなら口にはしたくは無い縁起の悪い言葉です。
何気なく使う言葉に気をつける
そこで縁起を担ぐお葬式や結婚式において、縁起の悪い「つつがなく」を使う事は、決してその場の状況に合致している行いとは言えません。そもそもお葬式や結婚式は、誰もが何事も無く順調に進む事を期待し、予測不能な事が起きる事を望む場ではありません。
つまりお葬式や結婚式において、「つつがなく」を使うことは、決してふさわしいことではなく、むしろその場に参列する人に対してとても失礼に当たります。良かれと思い何気なく使う言葉には十分に気をつけましょう。
お葬式や結婚式は滞りなくがいい
それではお葬式や結婚式が何事もなく無事に終了した場合には、どのような言葉を使うのが正しいのでしょうか。
アクシデントが無く、順調に物事が執り行われる事をもっともとされる、お葬式や結婚式などが何事も無く無事終了した場合には、「滞りなく終了しました」を使ったほうが的を得た使い方になります。
「つつがなく」も「滞りなく」も意味はとても似通った言葉ではありますが、このように微妙なニュアンスの違いがあります。それらを場面ごとにおいて使い分ける事はとても大切であり、使い分けられる事であなたの言葉への意識がとても高まります。
つつがなくの類語
「つつがなく」の類語には、平穏無事に、穏やかに、安泰に、問題なく、無事に、滞りなく、何事も無く、などがあります。状況に応じて使い分けましょう。
つつがなくの目上の人への使い方
「つつがなく」は目上の人に使っても差し支えない言葉です。むしろ目上の人に手紙などを送るときに、「つつがなく」を丁寧語や謙譲語を交えて使う事ができれば、とても良い印象を与える事ができるでしょう。
例えば安否を気遣う「いかがお過ごしですか」という文は、「つつがなくお過ごしでしょうか」「つつがなくお過ごしのことと存じます」「つつがなくお過ごしでいらっしゃいますか」という風に言い換えて使う事ができます。
つつがなくを使えないケースとは?
ただし、お見舞い、お悔やみ、死亡を知らせる、葬儀に参列していただいたお礼、そのほか緊急を伝える手紙では、時候の挨拶と相手の安否を気遣う言葉は使ってはいけません。従ってこのような場合に「つつがなく」を使う事は、相手に対してとても失礼にあたるので、くれぐれも気をつけましょう。
同年代や目下の人にはよりフランクがいい
同世代や目下の人に「つつがなく」を使っても構いませんが、逆に堅苦しくなることを考慮するのであれば、「お元気ですか」「お元気にお過ごしですか」「お元気でいらっしゃいますか」「お元気でご活躍のことと存じます」「お元気でしょうか」などを使ったほうが良いでしょう。
その他「お変わりありませんか」「お変わりなくお過ごしでしょうか」「お健やかにお過ごしですか」「体調など崩していませんか」といった表現を使うことで、お互いの心の距離感をより縮める事ができます。
つつがなくの敬語での表現とは?
以上の事から「つつがなく」という言葉自体が、友人や同世代の人に対して使うというよりも、目上の人や会社における上司などに対して、敬語的な表現で使われる事が一般的です。前述したように、相手の状況に合わせて丁寧語や謙譲語を交ながら上手に表現しましょう。
つつがなく挨拶する方法
初回公開日:2018年05月29日
記載されている内容は2018年05月29日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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