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「頂きます」の意味と使い方・由来・「戴きます」の違い

更新日:2024年01月26日

食事の前には、「いただきます」をして食べる習慣がある日本人ですが、この「いただきます」の言葉の由来が仏教にまでつながっていることをどのくらい多くの人がしっているでしょうか。今回はなじみのある言葉「頂きます」の意味、由来そして正しい使い方をご紹介します。

「頂きます」の意味と使い方

食事の前に使う言葉である「頂きます」や、他人からもの受け取る時に使う言葉「頂きます」という言葉は、私たちは頻繁に使いまた耳にする言葉です。しかしいざ、これらの言葉の本当の意味となると知らない方のほうが多いのではないでしょうか。

今回は、何気なく日常の中で使っている「頂きます」という言葉についてみていきます。

「頂きます」の由来

「頂きます」という言葉は「いただく」と読みます。動詞として一般的に使う「頂く」の連用形である「頂きます」は、山頂などの言葉からもわかるように、高い位置などを意味する言葉で、もともと頭に載せることを「いただく」と表現していました。

この言葉が後に転じて身分の上のものから贈り物を受け取る時に、「もらう」「いただく」所作を表す語となったそうです。

何かをいただくという所作を表す言葉のながれから、食事をたべるまえにも「頂きます」という挨拶をする習慣が根付いたと言われています。

「頂きます」の語源は一つだけではなく、ほかにも食べ物として動植物の命を奪った、それらの命を頂いているという意味から「頂きます」がきているという説もあります。

食事の時に手を合わせる「頂きます」は、仏教由来という説もあるほどです。キリスト教徒がお祈りをささげて食事をするに似ているのではないでしょうか。

食事の挨拶 頂きますはいつから使われているの?

食事の時に「頂きます」という言葉を言ってから、食事をとっている日本人は多いでしょう。この習慣はどの時代からあるものなのでしょうか。

一説には、1983年の国立民族額博物館の研究の調べによると、1913年前後生まれの人のアンケートからわかったことがあります。この当時の家庭では神仏へのご飯を用意して備えていた時代で、食事のときの挨拶ではなかったと言われています。

お供えとして神棚、仏壇においてあった食事を頂くので「頂きます」という言葉が浸透したという考えです。

その後、食事に頂きますが習慣されたのは、軍国主義が台頭してきた頃だと言われています。

食べ終えた時はなんて言えばいいの?

食事をするまえには、「頂きます」という言葉が挨拶としてあるなら、食事を終えた時はどのような挨拶が一般的に習慣としてあるのでしょうか。頂きますという言葉を仮に、過去形にした「頂きました」が挨拶なのでしょうか。気になるところです。

これは地域差があるらしく「いただきました。」という過去形のこの言葉を使うところがあります。一般的に多く使われている食事の終わりの挨拶の言葉は、「ごちそうさまでした」ではないでしょうか。

もし、そこに食事を作ってくれた方がいる場合は、さらにごちそうさまでしたという言葉に対して「お粗末様でした」という挨拶が返されるでしょう。

あなたの地域ではどのような食事の挨拶が主流でしたでしょうか。

ごちそうさまの意味は?

ご馳走さまという言葉は、食事を終えた時に使う言葉で、「頂きます」の言葉の反対の意味を持つと言えます。

この言葉は、一体どんな意味があるのでしょうか。ごちそうさまと漢字にすると「御馳走様」になります。使われている漢字「馳走」という言葉の意味を見ていきましょう。

この「馳走」という言葉は、馬を使ってあちこち走り回るという意味です。

ではなぜご馳走さまという言葉に馳走という漢字が使われ、食事の後に挨拶として言われるのでしょうか。

この言葉はもともと、おせわをするために駆け回るという意味でした。語源は項羽本記史記にも出ており、日本にこの言葉が伝来したのち、食事の用意をするためにあちこち探すという意味が加わったと言われています。

そのため、いろいろと用意して頂いたという意味でご馳走さまになりましてという言葉が食後に使われるようになったと言われています。

海外の頂きますは?

食事の前に頂きますという言葉を言ったりするのは、日本だけの習慣なのでしょうか。海外から来た人が日本人が食事の前に「頂きます」を言うので、驚いたあるいは関心下などという報道も耳にすることがあります。海外でも似たような言葉はあるのか気になります。

海外の人は、食事をする前や食事をし終えたあとでも何いわず、無言のことが多いです。しかし、人によっては、お祈りの言葉を捧げてから食べたりする人もいます。

もちろん海外でも食事の前に「頂きます」という言葉に似た表現はあります。ただ、日本人ほど利用する頻度が多く無いのではないでしょうか。

各国で使われる日本語の「頂きます」に近い言葉を紹介します。

フランス語では

フランス語のbon apetitは直訳すると良い食欲という意味です。これから、食事をとろうとしている人に向かって言われる言葉です。

例えば、友人同士で電話など会話しているときに

A「これから食事をするつもりです」
B「ボナ ペティ」

相手が楽しい食事ができるように、気持ちも入っていてとても良い言葉です。これは「頂きます」に近いと考えて良いでしょう。

アラビア語

アラビア語ではビスミッラーヒッラフマー二ッラヒームという言葉があります。これは食事を神様の前でこれからしますという意味です。このように若干違えど海外でも、「頂きます」に似た挨拶は存在するということになります。

食育としても頂きますは素敵な言葉

食べると言うことを通じて、体を健康に保つための食事をして生活ができる人を育てるという目的があります。

食育の一環としても、命を頂くという意味がある「頂きます」という挨拶の言葉を食事のたびにすることは、食への理解を深めるとともに感謝の気持ちも学べて良いことだと言えるでしょう。

一人暮らしなどをはじめると、言う相手がいないのでないがしろになりがちな「頂きます」という言葉は、心の中で命を頂いた動植物に感謝する意味でも言ってみるのはいかがでしょう。

また、日ごろから食事を作ってくれた方への感謝をわすれないためにも「御馳走様」も使うよう心がけましょう。

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初回公開日:2018年05月25日

記載されている内容は2018年05月25日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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