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敬語で「おかえりなさいませ」/上司に対してはOK?/言い換えは?

初回公開日:2017年07月11日

更新日:2020年03月06日

記載されている内容は2017年07月11日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

社会人として使いこなせて当たり前といわれるビジネス敬語ですが、覚えづらい表現も多くあり戸惑うこともしばしばあります。そこで今回は、上司や目上の人に対しておかえりなさいませは使ってもいいのか、おかえりなさいませの使い方や本来の意図についてご紹介します。

ビジネス敬語における「おかえりなさいませ」

敬語で「おかえりなさいませ」/上司に対してはOK?/言い換えは?
※画像はイメージです

新社会人となって働き始めると、今まで自分ではしっかり使えていると思っていた敬語がまったく使えなかったり、間違って覚えていたことに気づいた、などの経験は誰しも少なからずあるのではないでしょうか。中でもビジネス敬語は敬語の中でも難しく、慣れていないと覚えづらい表現も多くあるため、最初のうちは戸惑う方もいるかもしれません。

そこで今回はそんなビジネス敬語の中で、使い方が難しいとされる「おかえりなさいませ」について、ご紹介いたします。

敬語で使う「おかえりなさいませ」とは

敬語で「おかえりなさいませ」/上司に対してはOK?/言い換えは?
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職場において、上司や目上の人、または外出されたお客様などをお出迎えする場面というのは、意外に多くあります。しかし実際にお出迎えする際には何と言ってお出迎えするのが正しい敬語なのか、皆さんはご存知でしょうか。ついつい「おかえりなさい」を敬語にして「おかえりなさいませ」と使ってしまいがちですが、果たして「おかえりなさいませ」という表現は適切なのでしょうか。

それではここで、そもそもの「おかえりなさいませ」の成り立ちをご説明いたします。

「おかえりなさいませ」の成り立ち

敬語で「おかえりなさいませ」/上司に対してはOK?/言い換えは?
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「おかえりなさい」という言葉は、丁寧の接頭辞「お」+動詞「帰る」の連用形「帰り」+動詞「為す」の命令形「為さい」で形成されています。そのため、丁寧語にする場合は「為さい」を命令形ではなく連用形として丁寧の意を持つ接尾辞「ませ」をつけて「おかえりなさいませ」となります。この「ませ」を付けることで敬意の回復を図っているので、「おかえりなさいませ」という表現自体は「おかえりなさい」の丁寧語として間違ってはいないのです。また、「ませ」自体には特に意味はないのですが、語感や語調を上品に整える働きがあり、また同時に「ませ」には、他の尊敬語に接続して敬意を高める、という働きがあります。

「おかえりなさいませ」の意図

実は日常で使われる「おかえりなさいませ」は、「よくお帰りなさいました」という表現の省略形なのです。ですので「おかえりなさいませ」は「おかえりなさい」に「ませ」をつけて丁寧な気持ちを添えようとしたものになります。

「おかえりなさい」は文字通りに取れば「帰れ」という命令形の尊敬語ですので、そのまま捉えれば大変失礼にあたる言葉ですが、現代において外出先から帰ってきて「おかえりなさいませ」と言われて、そのまま「帰れ」の尊敬語だと受け取る人はいないと思われます。

このように言葉とは使いようであり、使い方によって意図がどうにでも変わるということが分かります。そこから分かるのは、肝心なのは誠意をもって伝えることが重要であるということです。

上司に対して「おかえりなさいませ」はOK?

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ではたとえば職場で、上司が取引先から戻った時などに「おかえりなさいませ」と言いたくなる場面に出くわすことはあると思いますが、こういった際に上司に「おかえりなさいませ」というのは正しいのでしょうか。

一見「おかえりなさい」の丁寧語となる「おかえりなさいませ」を使っていれば正しいように感じます。しかし、「おかえりなさいませ」ではあまりに行き過ぎてしまい、まるで秘書や召使が使う表現のようになってしまいますので、「おかえりなさいませ」という表現はビジネス敬語ではあまり使われないのが現状です。

それではどのように「おかえりなさい」という気持ちを伝えればいいのでしょうか。

「おかえりなさいませ」の言い換えとは

基本的に上司や目上の人に使う場合、「おかえりなさいませ」は失礼ではないですが、それよりも「お疲れさまでした」という表現の方が適切と言われています。

ここで間違えてはいけないのが、「お疲れさまでした」は良いのですが、似たような際に使われがちな「ご苦労さまでした」は厳禁だということを覚えておくと良いでしょう。それは「お疲れさまでした」と「ご苦労さまでした」は、使う相手によって使い分けされている言葉だからです。

「ご苦労さまでした」とは

そもそも「ご苦労さまでした」とは、本来は相手のお役目や役割に対するねぎらいと感謝の言葉なのです。したがって、たとえば長年にわたり勤務されてきた方に対して最後にねぎらいの気持ちを込めて「ご苦労さまでした」と言ったり、仕事から帰ってきた夫に対して妻が「ご苦労さま」と使うことで、家族のために働いてくれてありがとうというねぎらいを表すといった使い方をされるものです。そこから「ご苦労さまでした」は通常、立場が同じかまたは部下などに対して、ねぎらう気持ちを込めて使う言葉として使用されるのです。

その点「お疲れさまでした」は、立場が同じかまたは目上の人に対して使う言葉ですので、ここから鑑みてもやはり、上司に対して使うのであれば「お疲れさまでした」が適切であることが分かります。

では上司を見送る際には何という?

敬語で「おかえりなさいませ」/上司に対してはOK?/言い換えは?
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それでは今度は上司を見送る際には何というのがいいのでしょうか。

上司や目上の人が外出される際に「行ってきます」と言われた場合、「いってらっしゃいませ」といいがちですが、これもまた「いってらっしゃい」の意味を考えると、自ずと何というべきなのかが分かってきます。

「いってらっしゃい」の意図

もともと「いってらっしゃい」は複数の言葉が合わさった言葉です。具体的には、接続助詞の「行く」+尊敬語の「いらっしゃる」の命令形が合わさって「いってらっしゃい」という言葉ができています。また「いってらっしゃい」には”無事に帰ってきますように”という意味合いも含まれていることはご存知でしょうか。このように「いってらっしゃ」は言葉自体がすでに丁寧なので、上司や目上の人に使う言葉としても当然使える言葉ではあります。

しかしそのまま「いってらっしゃい」とは、さすがにフランクすぎて使いづらいものです。ではどのように言えばいいのでしょうか。

「いってらっしゃい」の敬語とは

先程も記載した通り、すでに「いってらっしゃい」自体が丁寧な敬語なのですが、そのままでは憚られる場合、どのように敬語変換すればいいでしょうか。考えられる変換の言葉は以下となります。

・いってらっしゃいませ
・お気をつけて+いってらっしゃい
・お気をつけて+いってらっしゃいませ

この「お気をつけて」ですが、これを付けることによりさらに丁寧な敬語となり、そこに他の尊敬語に接続して敬意を高める「ませ」をつけることで、語感や語調を上品に整えた表現となります。

「お気をつけて」+「いってらっしゃませ」は仕事の電話やメール、手紙などのビジネス文書、ならびにお客様や取引先の会社の方にも使えるので、非常に汎用性が高いと言えます。

【番外編】自分が戻ってきた時には何という?

余談ではありますが、反対に自分が外出先から戻ってきた時には、何というのが正しいのでしょうか。

その答えは「ただいま戻りました」とはっきり伝えるのが適切です。この表現はとても使いやすく、外出先から戻った時だけではなく、どこか社内の別の場所から戻った場合や、会議などから自分の部署に戻ってきた場合など広く使うことができます。誰に対しても失礼がないので、使いこなせると便利です。

おかえりなさいませという敬語

敬語で「おかえりなさいませ」/上司に対してはOK?/言い換えは?
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これまで「おかえりなさいませ」という敬語についてだけではなく、上司や目上の人との挨拶全般にまで触れて、さまざまな観点からお話いたしました。普段何気なく使っていた「おかえりなさいませ」にも、こういった成り立ちや意図があると知ると感慨深いものがあります。これからは「おかえりなさいませ」を使う時には、「よくお帰りになりました」という気持ちを込めて「おかえりなさいませ」と言えるのではないでしょうか。

こういった言葉の問題や解釈の問題は、地域性であったり役職によっても違ってくるものです。社会人としては基礎力としてビジネス敬語を使いこなせて当たり前、という風習は根強くありますが、どんなに正しい敬語を身につけていたとしても、その使うタイミングや使い方が正しくなければまったく意味がありません。

その点を考えると、結局は敬語が間違っていたとしても、上司や目上の人に誠意が伝えられれば問題はありませんので、間違った使い方をしてしまったとしても伝えたいのは気持ちだ、と割り切って目の前にいる人に向き合うことが大事なのではないでしょうか。

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