「してもらう」の敬語表現・使い方の例文・別の敬語表現
更新日:2024年07月27日
電話をしてもらうとき
電話をしてもらうときや、指定の時間に連絡をしてもらう場合に敬語表現として相応しいのは「ご連絡いただけますか?」や「ご連絡いただければ幸いです」などと言います。「してください」では相手への配慮が欠けますので使わないようにしましょう。
電話をしてもらった場合の敬語表現は、「お電話いただきありがとうございます」や「先日お電話いただいた件についてですが」などと使います。「してもらった」は「していただいた」と覚えておくと良いでしょう。
「してもらう」は自分がしてほしい事を伝える時に使います。そのため失礼にならないように「してもらう」の敬語表現をきちんと覚えておきましょう。
「してもらう」の別の敬語表現例
「してもらう」にはいくつか敬語があります。「してもらう」とは相手に何か行動を取らせることと相手に施しを受けるというふたつの意味があります。そのため、「してもらう」という言葉を敬語表現にしたときに、「していただく」と「してくださる」という敬語が存在します。どちも同じ「してもらう」という意味を持っています。
「してもらう」の別の敬語表現をどのように使い分ければ正しいのかご説明します。似た表現なので間違わないように覚えておきましょう。
していただく
「していただく」の場合は、動作の主体が自分になっています。「絵を描いていただいた」は自分が絵を描いてと頼んで書いてもらったことを意味します。「ご連絡していただくことは可能でしょうか」は自分に連絡が欲しい場合に使います。「してもらう」の敬語表現になります。
「していただいた」を使う場合に、「が」と「に」が混同しやすいので注意が必要です。例えば、「先生がご説明いただいたとこなんですが」は間違いです。「先生にご説明いただいたとこなんですが」が正しい使い方です。「してもらう」の時は間違わないのに「していただく」になると混同しやすくなるので注意しましょう。
してくださる
「してくださる」は動作の主体が相手になっています。「絵を描いてくださった」は相手が絵を描こうと思って描いてくれた意味となります。「してもらう」というよりは「してくれる」の敬語表現です。
しかし、「してもらう」と同じ意味でも使われます。「いつもよくしていただきありがとうございます」も「いつもよくしてくださりありがとうございます」もどちらも正しい使い方です。
間違えやすいのは「が」と「に」の混同です。「先輩によくしてくださった」は間違いです。「先輩がよくしてくださった」が正しい表現です。似た表現で間違いやすいので注意しましょう。
してください
「してください」はとても間違えやすい「してもらう」の敬語表現のひとつなので注意しましょう。「ご確認してください」と使っている方も多いのではないでしょうか。よく聞く言葉ですが、実は間違いです。確認して欲しい場合は、「ご確認ください」が正しい表現です。「して」は余分な言葉なので「ご〜ください」と使いましょう。
上司に書類を確認して欲しい場合は、「書類をご確認してください」ではなく、「お目通しいただけますか」や「お目通しお願い申し上げます」と表現すると良いでしょう。
「ご乗車してください」「ご入会してください」も丁寧なように聞こえますが、間違えているので「ご乗車ください」「ご入会ください」とつかうようにしましょう。
「してもらう」の謙譲語
「してもらう」の謙譲語は「していただく」です。謙譲語は相手をたて、自分がへりくだる場合に使用します。「していただく」にはひらがなと「頂く」と「戴く」の3種類があります。ひらがなの場合は補助動詞としての役割の時に使用します。「ご覧いただく」や「お越しいただく」などと表現します。
「頂く」の場合は「食べる・飲む」という意味になります。「お菓子を頂く」は「お菓子を食べる」という意味になります。書面ではこちらの「頂く」という漢字を使うことが多いです。「戴く」はありがたく受け取るなどの意味があります。「戴き物」という使い方もします。「戴く」は常用外漢字なのであまり使いません。
「してくれる」の尊敬語
「してくれる」の尊敬語は「してくださる」です。尊敬語は相手をたて、敬意を表す時に使います。「○○様がお皿をくれる」は「○○様がお皿をくださる」となります。「くれる」はものとは限らず、相手の動作や行為にも使います。「心配してくれる」は「心配してくださる」になります。「心配してくれた」の場合は「心配してくださった」となります。
「してくれる」の丁寧語は「してください」です。連絡をくれるように頼みたい場合などは、「ご連絡ください」と表現します。「ご連絡いただけますよう、お願い申し上げます」でも大丈夫です。
「してもらう」の敬語表現の注意点
「してもらう」を敬語表現する場合の注意店は、「いただく」と「くださる」の使い分けをきちんとしましょう。「いただく」は自分がもらう場合であり、「くださる」は相手が与えてくれる場合です。「してもらう」は「していただく」、「してくれる」は「してくださる」とまずは覚えましょう。
「○○様がくださる」は正しい表現ですが、「○○様にくださる」は間違いです。「○○様にいただく」は正しい表現ですが、「○○様がいただく」は間違いです。このように一文字間違えるだけで誤った日本語になってしまうので注意してください。
初回公開日:2018年02月10日
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