「左様ですか」の使い方と例文・敬語の種類・別の敬語表現
更新日:2024年10月08日
敬語「左様ですか」の意味
ビジネスシーンで使うことの多い「左様ですか」という言葉。少しかしこまった印象を受ける言葉ですが、意味を理解し正しい使い方をマスターすれば、ビジネスなどで上手く使いこなせるようになり非常に丁寧で好印象を与えるでしょう。
「左様」の読み方と意味
「左様」は「さよう」と読みます。「左様」には2つの品詞があり、形容動詞と感嘆詞があります。
形容動詞の「左様」は物事の性質や状態を表す言葉です。「左様なり」という形で、「そのとおり・そのよう」と言う意味になります。
一方、感嘆詞で使われる場合は、相手に肯定・賛同を示す「相槌」として使用されます。「そういえば」や「そうそう」などと何かを思い出した時に使います。
また「左様」を「ひだりざま」と読む場合は、「正しい道に違うこと」と言う意味になり、読み方によって大きく意味が異なるので要注意です。
「左様」の語源は
「左様」は本来「然様」と記述し、「左様」は宛字だと言われています。「然」と言うのは「そうある」と言う意味があるので「そうある様」つまり「そのとおり」や「そのまま」という意味になります。そして「然様」の宛字として「左様」が使われるようになり、「左様」も「そのとおり」「そのまま」という意味を持つ言葉として使われています。
では、なぜ「左」が使われるようになったのでしょうか。これは、古来の日本の官職では右よりも左のほうが地位が高いとされ、敬意を示すために使われるようになりました。
さらに、別れの挨拶で用いる「さようなら」という言葉も「左様ならば」の「ば」が略され挨拶になっています。「さようならば」から「そういうことならば」を意味し、現在では「それではまた」という意味で使われるようになりました。
「左様」があるなら「右様」もあるのか
「左様」があるなら「右様」もあるのでは、と思う人も多いでしょう。そもそも「左様ですか」の「左様」は「然様」の宛字ということでしたので、「右様」という表現はありません。「左様ですか」の「左」は左右という意味ではありません。
敬語「左様ですか」の使い方
敬語の種類
敬語には「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」など、種類によって意味合いが異なります。
まず「尊敬語」とは、話をしている相手や会話に登場する人物、その人に対する行為などに関して、敬意を含ませた表現です。「おっしゃる」「召し上がる」「ご覧になる」はこの尊敬語にあたり、目上の人や相手を立てる時に使います。
そして「謙譲語」は、自身および自身の側の物事や動作を他に対する卑下謙譲を含ませて表現した語のことです。「拝見する」や「参る」「申し上げる」というように自分がへりくだることで相手を立てる表現です。
最後に「丁寧語」ですが、これは相手に対する話し手の直接の敬意を表現するもので、「です」「ます」など聞き手に対して丁寧に述べる言葉です。
実践 「左様ですか」の使い方
丁寧な表現として使われる「左様ですか」という敬語ですが、日常会話ではあまり使う機会がなく現代社会ではビジネスシーンで用いられることがほとんどです。社会人として、しっかり使い方をマスターしましょう。
ビジネスでの使い方
同意や相槌を表す場合、「そうですか」という言葉を使いますが、社外の人や取引先の顧客の前では失礼な返事の仕方です。社内や上司に使う場合は「そうですか」という返事で問題ありませんが社外の方や取引先の顧客、目上の方との会話では「左様ですか」などの敬語を使うと丁寧な返事の仕方になり好印象を与えるでしょう。
特に、直接会って会話をする場合ではない「メール」や「電話」での取引先や顧客などのやり取りでは丁寧さが求められますので、普段のやり取りが失礼になっていないか確認しましょう。
メールでの使い方
ビジネスにおけるメールの返信に「左様ですか」を使用すると相手へ丁寧な対応ができます。会話とは違い、メールなどの文面でのやり取りは表情や声のトーンがわからない分、丁寧な言葉を使う必要があります。
社外や取引先の顧客からのメールの内容に対して、賛同や相槌の意味で「そうですか。○○の件かしこまりました。」と返信してしまうと、どこか冷たく素っ気ない印象を受けます。そこで、「左様ですか。○○の件かしこまりました。」に変えるとどうでしょう。同じ内容でも受ける印象に差があります。
普段のメールの返信に「左様ですか」を使うと、できる社会人へ格段にレベルアップします。
電話での使い方
電話での場合もメール同様、直接会っての会話でないため表情が分からず、目上の方や顧客との電話では注意が必要です。声の調子やトーンで相手の受け取り方が大きく変わる電話対応は、話し手が意図していない印象を与える可能性もあるので、なるべく丁寧な敬語を使う事をします。
電話で「左様ですか」を使うシーンはクレーム対応時です。クレームは対応の仕方次第で相手の心を沈めたり、逆に怒りや不満を炎上させる場合もあり、より丁寧な対応が求められます。
相手の話す内容に対して「左様ですか。大変申し訳ございませんでした。」や「左様でございますか。今後の改善に努めてまいります。」のように使うと電話での対応が丁寧になりますので、「左様ですか」を上手に使ってみましょう。
初回公開日:2018年02月13日
記載されている内容は2018年02月13日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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