「座る」の敬語表現・座るの使い方と例文・別の敬語表現例
更新日:2024年08月05日
おかけになる
「おかけになる」は「座る」の尊敬語にあたり、目上の人の動作を表す表現です。このように尊敬語を使って行為を表すことで、その相手が自分よりも目上であることを表します。したがって、「おかけになる」の主語は常に自分より目上の相手や、持ち上げたい相手であり、自分や身内を主語にすることはありません。
例文
〇先生が椅子におかけになる。
×私が椅子におかけになる。
×私の妹が椅子におかけになる。
また「座る」の尊敬語の別な表現方法に、「お座りになる」「座られる」などがあります。しかし「お座りになる」は「お座り」というフレーズが犬に使っているようであること、「座られる」は受け身の表現と混同してしまうこと、という理由から正しい敬語とはみなされません。
座らせていただく
「座らせていただく」は「座る」の謙譲語にあたり、自分の行為を低くすることで相手を高めるための表現です。謙譲語を使う場合、その主語は自分や身内であり、目上の人を主語にすることはできません。
例文
〇私の弟はその椅子に座らせていただいた。
〇私はその椅子に座らせていただいた。
×先生はその椅子に座らせていただいた。
「座る」の別な謙譲語として「お座りする」というものがありますが、これは基本的には使わない謙譲語です。なぜなら「お~する」という謙譲語は自分の行為が相手に何らかの影響を及ぼす際に使われるものであるため、単に自分が座るだけの行為を「お座りする」と表現する必要はないからです。したがって「座る」の謙譲語は「座らせていただく」が正しい敬語です。
座ります
「座ります」は「座る」の丁寧語です。丁寧語は語尾に「です」「ます」を付けることで丁寧な印象を与えることができる表現で、また主語は自分や身内、目上の人など、幅広く使うことができます。
例文
〇私はそのソファーに座りました。
〇私の母がそのソファーに座りました。
〇先生がそのソファーに座りました。
主語を見分けて正しい敬語を使おう
「座る」を正しい敬語を使って表現する場合、まずするべきことはその行為の主語が誰か、を意識するということです。行為の主語が目上の人であれば「おかけになる」という尊敬語を使いますし、主語が自分や身内であれば「座らせていただく」という謙譲語を、単に丁寧にしたい場合は「座ります」という丁寧語を使います。
主語を意識することで正しい敬語を使えるようになりますので、普段の会話から少し意識して正しい言葉遣いをマスターしましょう。
初回公開日:2018年02月16日
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