「おられない」の使い方と例文・敬語の種類・の敬語表現
更新日:2024年09月16日
「おられる」という表現は「いる」という意味合いを敬語表現した言葉であり、「おられない」はその逆の表現となります。したがって「おられる」は「そこに○○がある・いる」という意味になり、「おられない」は「そこに○○がない・いない」という意味になります。
また先にお伝えしましたように、「おられる・おられない」という表現は「そのことをしている」や「まだそのことをしていない」といった行動の経過を示す場合もあるため、この場合の意味合いをはっきり確認するためにも、その状況や場面の把握をしっかりしておくことが大切です。
「おられない」の敬語は間違いなのか
「おられない」という表現を敬語として使う場合には、確かに対話などの口語表現においてはよく使われておりますが、文語表現(ビジネスメールなど)ではほとんど使われません。これは特に「不在」の意味合いを示す表現の場合で、その場合は「いらっしゃいません」や「ご不在です」という言葉が使われます。
行動の経過について言う場合であれば「おられません」という表記にも見られるように、「おられない」という言葉がメール上でも使われます。つまり文語表現と口語表現による使い分けが必要になります。
「おられない」という言い方でも「敬語表現として間違い」とは言われませんが、より正確な敬語を使う際には、上記のように「いらっしゃいません」、「ご不在です」という形容が正しくなります。
「おられない」の誤用のされかた
先述での「おられない」の使われ方を見るとわかりますが、「おられない」という表現には「不在」を表現する場合と、「その行動がまだなされていないこと」を表現する場合とがあります。
そのため、単純に「おられない」という言い方をされた場合には、「その人がそこにいない」ということを伝える場合と、「その人が特定の行動をまだしていない」ということを伝える場合に分かれてきます。この点で「おられない」というのがどの意味合いを指しているのかがわからなくなるため、この場合は文脈を確認しておくことが必要になります。
関西での「おられない」の使われ方
敬語表現としては、「おられない」という言葉も公式に辞書(敬語辞典・敬語指南)などに掲載されてあるため、「おられない」という言葉や敬語がそのまま「関西方面の言葉」とは断定できません。
しかし少し語学の歴史を紐解いてみると、西日本方面では敬語の作り方として「れる/られる」という形容により示される場合が多くあり、東日本方面ではこの場合「お(御)○○になる」という字体を好んで使った習慣が認められます。
この点から言うと「おられる」おられない」という言い方は「西日本方面で作られた敬語表現」として認められる可能性もあります。しかし現存する資料においては、「おられない」という言葉が「西日本方面の敬語・関西方面の敬語である」と断定できる物はありません。
「おられない」の正しい敬語表現と用例を完璧にマスターしましょう
いかがでしたか。今回は「おられない」の使い方と例文・敬語の種類・の敬語表現と題して、「おられない」という言葉の正しい意味合いや使い方、またさまざまな場面で使い分けられる敬語表現の用例についていろいろな分野からご紹介しました。
「おられない」という言葉は主に「不在」を表す意味合いと「まだそのことをしていない」といった行動の経過を表す場合とがあり、その意味の違いは文脈や、文意の背景を把握して見極める必要が出てきます。
敬語表現を使う場合に多く見られるのは、その言葉を敬語にすることによって、「その言葉の元の意味は何だったか」や「その言葉その場合に示している内容は何なのか」といった、やや表現にあいまいさを含めてしまう点です。敬語表現を何度も練習するうちに、「おられない」の正しい使い方がマスターできるでしょう。
初回公開日:2018年02月25日
記載されている内容は2018年02月25日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。