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特任助教の年収・任期切れしたらどうなるか・年齢|ボーナス

更新日:2024年07月15日

大学の教員で特任助教というポストがありますが、どのような位置付けの教員なのでしょうか。普通の助教との違いや仕事の内容、年収などの待遇についての情報の他、特任助教になる方法や平均年齢、その後の将来性など関連する情報を含めて紹介します。

大学の教育体制

特任助教の説明をする前に、特任助教の位置づけなどを含めて大学の教育体制をみてみましょう。大学の職種階層は学長や総長のもと、教授、准教授、講師、助教、助手という体制で構成されています。

・教授:「特に」優れた知識・能力および実績を有し、学生を教授し、その研究を指導し、または研究に従事することを職務とする、と学校教育法に定められています。

・准教授:教授の職務にある「特に」が省かれた職務です。2007年の学校教育法改正で、それまでの助教授が准教授になりましたが、教授を助けるという職務はなくなりました。

・講師:教授または准教授に準ずる職務の教育職員で、専任講師と非常勤講師の人がいます。

・助教:学生を教授し、研究を指導し、または研究に従事する教育職員で、2007年の学校教育法の改正で助手の多くが助教になりました。
・助手:所属組織の教育・研究の円滑な実施に必要な業務を行なう学校職員です。

名誉教授とか客員や特任の違いは

名誉教授、客員教授、特任教授などの呼称がありますが、普通の教授と何が違うのか見てみましょう。

・名誉教授:大学などで教授として勤務した人で、功績のあった人に対して授与される称号です。15年あるいは20年以上、教授として在籍した場合に授与することを原則としている大学もあります。

在籍期間が原則年数に満たなくても、学長を務めたり、ノーベル賞などの世界的な賞を受賞するなどの教育・研究上で格段の業績がある場合に、名誉教授の称号が授与されることもあります。

・客員教授:一定期間、非常勤で教授に相当する職務を行なう場合に呼称する職位です。政治・経済・文化など社会の一線において、一定の地位にある人や有名人を客員教授として迎えることもあります。

・特任教授:特定の専門分野やプロジェクトなどと関連して一定期間任命される職位です。定年で教授を退いた人が退職まで勤務するために任命されることもあります。

特任助教の仕事内容は

文部科学省の「大学教員の職の在り方について」というところに、助教の職務内容が定められています。「大学・学部の方針の下、実験や実習などの授業を受け持ったり、大学院生の研究指導を行なう。

また、研究プロジェクトの一部を教授などの補助ではなく、分担して研究することができる」とし、「自ら教育研究を行なうことを主たる職務とすることが適当である」ともされています。

要するに、大学における教育と研究の両方を担う職務になりますが、大学での講師、准教授、教授につながるキャリアパスの一段階に位置付けられる職位にもなります。現在の大学では、テニュア(終身在職権)制度が定着しつつあり、助教にも任期制が導入されたり昇進のための定期的な審査などが導入されています。

テニュアへの競争率は高く、助教は教育・研究の職務をこなしつつ、安定職への昇進のためのたゆまない努力が求められています。

助教と特任助教の違いは

助教と特任助教とで職務に異なるところはありません。ただ特任助教の場合は、特定の研究プロジェクトで募集されることが多いので、教育よりも研究が主体になるでしょう。

助教にも任期があることが増えていますが、特任助教の場合は必ず任期があります。特任というと、特別に任命された何か特別なスキルを持つかのような感じがしますが、そうではなく「今回特別に任命するだけだから短期で契約が切れます」というニュアンスをもっています。

助教で任期がある場合は、「5年契約・更新1回までで最長10年の契約」というように長いのに対して、特任助教の場合は「1年契約・最長3年任期」のように短期の任期がほとんどです。

任期の他でも職務や手当で細かい差はありますが、一般的には助教より特任助教のほうが不利な条件になっています。扱われ方は各大学の規定などによってさまざまです。

特任助教の年収

特任助教は非正規雇用のようなものなので、年収についての全体的な統計はみあたりません。特任助教ではない助教の年収は「平均年収」というサイトによると、平均550万円とされています。

国立大学の助教で400万円~450万円、私立大学で500万円~600万円となっています。特任助教の待遇は助教よりも低いのが一般的なので、400万円台が平均年収と推定されます。

大学の教員はほとんどの場合、専門業務型の裁量労働制なので、特任助教の場合も残業手当はありません。また、特任助教は契約内容にもよりますが、ボーナスや退職金などの面で一般の助教とは待遇が異なります。

ボーナスや退職金は

特任助教の給与は採用時、あるいは更新時の契約内容で決まりますが、残業などの超過勤務手当はなく、期末手当いわゆるボーナスがないのが一般的です。契約時の月給の12カ月分が年収になります。職場までの交通費は支給されますが、その他の家族手当とか住宅手当などの手当てが支給されることは稀でしょう。

退職金もありません。仮に正規の助教や講師になって、その後准教授、教授などになって退職する場合も、特任助教として在籍していた期間は退職金算定期間には含まれません。退職金は年収とは関係ありませんが、生涯賃金に多少の差がでてくるでしょう。

大学別の特任助教の給与

特任助教の給与は大学によっても異なりますが、能力・スキルの差によるものが大きくなっています。国公立大学では給与体系を公開している大学が多いのですが、私立大学ではほとんど公開されていません。公開されている情報を元に各大学の特任助教の給与を紹介します。

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初回公開日:2018年04月14日

記載されている内容は2018年04月14日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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