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【業界研究】住宅設備業界の現状・動向・課題について

住宅設備とは、「建築物に設ける電気、ガス、給水、排水、換気、暖房、冷房、消火、排煙若しくは汚物処理の設備又は煙突、昇降機若しくは避雷針」と建築基準法で定められているようです。簡単にいうと、建物のなかで生活するのに必要なライフライン関連機器を指します。

住宅設備業界もM&Aが進行

近年、住宅設備業界大手による統合や提携が進みました。

TOTOと大建工業、YKK APの3社は、2002年に提携し「TDYアライアンス」を形成しました。トステム、INAX、新日軽、サンウェーブ、東洋エクステリアの5社は2011年4月に統合し、業界首位のLIXILグループが誕生するなど、寡占化が顕著になっています。

LIXILの家具のようなキッチン

LIXILは家具のようなたたずまいが特徴のシステムキッチン「リシェルPLAT」を2016年に発売しました。セラミックトップが特徴の「リシェルSI」と合わせ、前年度比20%増の3万台の販売を目指しています。

コンセプトは、「生活を楽しむキッチン」。収納扉の幅と高さを均等にしたほか、シンプルな形状のシンクを採用し、ワークトップを囲むタイプやキッチン側面につなげるタイプのテーブルも揃えました。キッチン収納と扉の色やサイズを合わせた収納も用意し、リビングとダイニング、キッチンに統一感を持たせられるようにしており、どんな個性のインテリアにもなじむようにデザインされています。

仕様を統一したガス給湯器

ガス給湯器大手のリンナイは海外向け製品「グローバル給湯器」を開発しました。

「グローバル給湯器」の特徴は、バーナーや熱交換器などの基幹部分の仕様が統一されていることで、部品を共通化することにより、生産コストを従来よりも10~15%削減することが可能になりました。

これまで海外向けの給湯器は、3ヶ国1地域(中国、台湾、韓国、ブラジル)の事情に合わせた製品をそれぞれが作っていました。しかし、現地ではガス管の整備が進むなど、仕様を統一する条件が整いつつあります。今後は、仕様を統一した汎用性のある商品を投入し、海外市場の開拓を進める方針です。

フロンガス警報器

新コスモス電気は2015年、スイッチボックス埋め込み型のフロンガス警報器を発売しました。

同社は家庭用・工業用の警報器・検知器を製造している会社で、フロンガス警報器とは酸欠になるのを防止するものです。今回の製品は、従来のものよりも大幅な小型化に成功するなど画期的なものになっています。

フロンガス警報器の交換は、電気工事士の資格を持った人が施工する必要がありますが、新製品は電気工事が必要ないため、メンテナンスが手軽にできるというメリットもあります。

市場動向

住宅設備業界の出荷数は回復傾向

キッチン・バス工業会「自主出荷統計」によると、2015年度のキッチン国内出荷台数は前年比0.9%減の174万6,643台、システムバスは同3.1%増の142万3,541台、洗面化粧台は同2.0%増の180万4,733台となりました。

また、経済産業省「生産動態統計」によれば、2015年度のアルミニウムサッシ出荷量は、1.7%減の21万6,426トン、シャッターは同3.6%増の10万2,118トンとなりました。

政府の住宅関連施策もあり、消費税増税後の落ち込みからは回復基調となりました。

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