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2018年04月18日

学閥の存在理由・学閥に属する利点|就職活動/出世の時期

今でも日本で根強い学歴社会ですが、その中で官庁や有名企業などの中で大きな影響力を及ぼす存在が学閥と呼ばれる同じ大学の出身者で構成されるグループです。この学閥が身近に存在している場合は、折り合いよく付き合うことが将来の出世を考えたときに重要となってきます。

学閥とはどのようなグループなのか?

仕事をするとき、または何らかの集団行動をするときなどの際に、すぐ近くに同じ大学や高校などの出身の人がいると幾分か安心したり、相談しやすかったりするという方も多いのではないでしょうか。

特に新卒として入社した会社の同じ部署などのように、初めて飛び込む場所にそのような人が一緒にいると新卒の時の特有の不安が幾分か解消されるという場合も少なくありません。

古くから集団でいることや一緒に行動することが重んじられる日本では、このような同じような環境や境遇を経験した人たちは自然と群れやすく、やがて1つのグループを形成します。このようなグループのうち、特定の大学の出身者で固まって1つの勢力となっているような人々の集団を「学閥」といいます。

よく見られる学閥

学閥と聞くと、東大(東京大学)や京大(京都大学)出身者といった、知名度も偏差値も高いような名門大学の出身者で固まっているイメージを持たれがちです。しかも名門である分、歴史も長いため、特定の分野に長期にわたって強い影響力を行使しているということも少なくありません。

有名な学閥としては、国公立大学であれば東大出身者で構成される「赤門閥」や京都大学出身者で構成される「京大閥」、筑波大学出身者で構成される「茗溪閥」、広島大学出身者による「尚志閥」などが挙げられます。

また私立大学でも、早稲田大学出身者による「稲門閥」、慶應義塾大学出身者の「三田閥」、國學院大学出身者の「院友閥」などが有名です。

学閥の勢力が大きい分野

国公立や私立大学でも特に有名なところの出身者によって形成されている学閥ですが、実は各学閥によって勢力を張っている分野が若干異なります。わかりやすい例でいえば、東大の法学部出身者の学閥が財務省など中央官庁で大きな勢力となっているというものが挙げられます。

東大や京大は日本でも知名度や偏差値がトップクラスの大学であるため、そこの出身者の学閥が政界や財界をはじめさまざまな分野で大きな影響力を行使できるというのもかなりわかりやすい例です。

ただ、中には特定の分野に対して大きな勢力を及ぼしている学閥も存在します。同じ東大でも医学部出身者で構成された「鉄門閥」や慶應義塾大学医学部出身者による「三四閥」は医学界に、筑波大学出身者による「茗溪閥」や広島大学出身者の「尚志閥」は教育界に、さらに変わり種としては國學院大学や皇学館大学の学閥は神道界にという具合です。

学閥の特徴とは?

ここでは各学閥に一般的に見られる特徴について簡潔に見ていきましょう。

まず、学閥の多くは中央官庁や知名度の非常に高い有名企業を中心に形成されています。有名大学出身者は、その人の実際の力量がどうであるかという以前に、基本的に優秀であるとみなされることが多いため、官庁も企業の側ものどから手が出るほど欲しい人材の条件をある程度は満たしているためです。

そして、同じ大学の出身者で固まって構成される以上、学閥を構成する人々の内側の団結力は極めて強力です。そして、それこそが官庁や企業の中で一大勢力を形成し、人事や施策に対して大きな影響力を行使するということが少なくない理由といえるでしょう。

なお、その学閥の勢力が強大になって、周囲にも影響力を行使しだすと「学閥支配」という状態になることも少なくありません。そして、多くの場合、他大学出身者にとっては不都合なことになります。

なぜ学閥があるのか

このように同じ大学出身者で構成されるグループである学閥ですが、自分と同じ大学出身者の学閥があればまだよいのですが、そうでない場合は職場などでも肩身の狭い思いをしてしまいかねません。そして、中には学閥の存在意義について心中で疑問を投げかけたりする方もいるのではないでしょうか。

また、学閥に触れていない方でも、学閥がなぜ存在するのかについて考えたことのある方はいるのではないでしょうか。そこでここでは、学閥がどうして存在するのかという点について迫っていきましょう。

企業の場合

学閥が存在するところとしてよく挙げられるのが企業の内部です。一見すると実力社会であるビジネスの世界ではかつてのような学歴よりも一人一人の即戦力を重視して採用しているはずなので、学閥というのは存在しないようにも見えます。

しかし、実際のところは企業内部での出世に出身大学がどこであるかという要素が大きな影響を及ぼしている場合も少なくありません。中には配属される部署を決める要素に出身大学が関係しているということもあります。

このような出身大学が出世や配属への影響の大きさは、企業の管理職側が大学のネームバリューに弱いという可能性もありますが、企業内部に学閥が存在している場合は部署もしくは企業そのものの長が中心となって人事関係で優遇している場合も少なくありません。

官庁の場合

官庁(中央官庁)もまた学閥が形成されやすい場所とされています。官庁職員の採用は基本的には年に1度の国家公務員試験の結果によるものですが、試験そのものは難易度が高めであるため、その合格者は東大をはじめとする有名大学出身者に偏りがちです。

中央官庁でも特に強力な学閥を形成しているのが東大出身者で、中でも法学部出身者は官僚(つまり国家公務員総合職試験=旧Ⅰ種試験の合格者)が全国の大学の中でも軒並み多いため、一大派閥を形成しています。つまり、中央官庁の場合は公務員試験合格者の大学ごとの比率が学閥形成に大きな影響を与えているということになります。

このため東大出身者は官庁の世界では特に優遇されており、出世を左右する立場にあるため、彼らとの距離の近さが出世にも大きく影響しているともいえます。

病院の場合

学閥は病院、つまり医療の世界にも存在します。ただし、おおっぴらに「学閥」の名前が見える形としてではなく人的なネットワークとして温存されている状態です。

医療の世界での学閥は基本的には有名な大学の医学部出身者で構成されますが、実は他学部出身者とは別のグループで形成されます。その理由として、医学部だけが別にキャンパスを持っている場合が少なくないためです。このため、他学部のあるキャンパスに比べて一種の独自性を持つことになります。

加えて、それらの有名大学の医学部には附属病院が例外なくあるうえ、その病院を頂点とした関連病院が存在します。この関連病院は医学部の歴史が古いほど多く抱えられている傾向にあります。そして、全国に数多い関連病院には所属する医学部系列の医師が派遣されてくることになります。

だからこそ、医療の世界では有名大学の医学部の学閥が大きな影響を及ぼしている状態です。

高校の学閥とは?

学閥と聞くと、有名大学出身者で構成されるグループというイメージが強いですが、実は高校出身者で形成される学閥というものも存在します。

出身高校の学閥が大きな影響力を及ぼすのは地方においてです。各地方でも特に学力や知名度においてレベルの高い名門高校の出身者の学閥がその地域の政界や財界などに大きな影響を及ぼすのが一般的です。

特に高校の学閥で大きな影響を及ぼす傾向にあるのが、「公立で偏差値が高く、かつ歴史の古い高校」、つまり高校受験で学力のある人たちがやたらと狙いやすい高校の出身者による学閥です。これらの高校の出身者は県庁や地元の有名企業の幹部として、各地域の政治や経済に、はては首長選にさえも大きな影響を与えているということが少なくありません。

政治の世界の場合

政治の世界においても学閥の存在は非常に大きな影響を与えている要素といえます。特に中央政界(国会議員が活躍する政治の世界)でもいくつかの有名大学出身者による学閥が存在しますが、その中でも名門学閥といわれる条件として「内閣総理大臣(首相)を輩出していること」が挙げられます。

ただ、選挙においては各立候補者のプロフィール欄に出身大学を記載するところもあるうえ、今でも学歴信仰が根強く存在しているため、高学歴な候補者ほど当選しやすいということも政治の世界で学閥ができやすい原因にもなっているといえます。

学閥に所属する利点とは?

それではもし役所や企業の中の学閥が存在しているとして、その学閥に所属することにはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは学閥に所属することによって得られる恩恵について見ていきましょう。

就活をしている時

その企業や志望分野に学閥が存在することが就活によい意味で影響を与えるということがあるというのが、学閥の存在のメリットとして最初に挙げられます。ただでさえ厳しい競争である就活では、できれば少しでも楽に内定を勝ち取れるものならばそうしたいというのが就活をしている学生の本音といえるのではないでしょうか。

この点は特に志望先の企業に同じ大学の出身者による学閥が形成されていて、かつその中に役員の方がいる場合に大きく影響します。つまり、同じ大学出身という一種の仲間意識から採用という点で優遇するということがあります。

この傾向は特に大企業に行くほど強く、そこでは有名大学の学閥が大きな力を持っているため、なおさらその大学出身者の社員に占める割合が増えるということになります。

組織に所属している場合

すでに就活による競争を勝ち抜いて企業などの組織に所属している場合は、そこで学閥に属しているかどうかで出世のスピードや部署の配属に大きく影響することが少なくありません。

組織の部署の中には花形の部署と呼ばれる出世するうえで進んでおいた方がよいところとそうでないところとがありますが、その組織の中で同じ大学出身者の学閥が力を持っている場合は、このような人事面の決定にも大きな影響を及ぼすことが少なくありません。

特に、役員クラスで学閥に属している人物がいる場合は、同じ学閥に属する人間であれば花形部署に配属されやすいですが、そうでない場合はそのような恩恵は受けにくいといえるでしょう。

なお、花形部署に所属が決まったら思い切って役員や幹部陣めがけて突き進んでみるとよいでしょう。しかしその逆の場合は、その配属先の中でのエキスパートを目標に出世を目指してみるのも1つの手です。

学閥に所属していれば出世は早いのか?

企業や役所に採用されてそこで働く以上は、将来の出世がどうなるかについて誰もが気にするのではないでしょうか。実は学閥が力を持っている組織であれば、出世のスピードについても学閥に属しているかどうかによって決まってきます。そして、これは就活で内定するまでの選考の過程で暗黙の内に決められているということも少なくありません。

このため、めでたく内定を勝ち取ることができたとしても、その後の出世のスピードはそこに学閥がある場合はその学閥に属しているかどうかが運命の分かれ道であるといえます。

特に中央官庁の場合であれば、東大の学閥が大きな力を持っているため、その学閥に所属している人間であるほど他大学出身者に比べて官僚の出世コースに乗りやすいともいえます。

学閥との上手な付き合い方とは?

学閥の存在理由・学閥に属する利点|就職活動/出世の時期

ここまで見てきたように、学閥に属しているというだけでも将来の出世や配属に大きく関わってくることがあります。ましてや今でもなお学歴信仰の強い日本では、いくら学歴の価値が問い直されているとはいってもまだまだ学閥は大きな影響を与えていくでしょう。

そうなると、学閥に所属できるような有名大学出身者はまだいいですが、そうでない場合は処世術として学閥とうまく付き合っていく方法を身につけておいた方がよいといえます。

まず、就活段階であれば志望分野や企業の中でも学閥の影響がそれほどでもないところを狙ってみるとよいでしょう。具体的には大企業以外の企業がねらい目ではないでしょうか。

一方ですでに組織に所属している場合は、学閥に属している人とうまくコネクションを築いておくとよいでしょう。そうすれば将来、ご自身の出世について何らかの恩恵を得られる可能性があります。

海外の学閥社会

学閥が存在するのは何も日本に限ったことではありません。海外の国々でも学閥はありふれた存在ですし、特に日本以上に学歴が重視される国の社会ではそれこそ学閥が大きな力を持っています。

ここでは海外の学閥の事例について簡潔に見ていきます。

韓国の場合

韓国は日本以上の学歴社会で、進んだ大学によって一生が決まるといわれているほどです。

そんな韓国でも学閥は存在し、特に国内随一のソウル大学出身者の学閥は、韓国の政治や経済に強大な影響力を及ぼしています。当然ながらソウル大学をはじめ有名大学の出身者の出世のスピードは速い傾向にあります。

アメリカの場合

「アメリカンドリーム」というように、成りあがるチャンスがいくらでもありそうな国というのがアメリカに対するイメージですが、そのアメリカでも学閥というのが存在します。

アメリカでは「アイビー・リーグ」と呼ばれる有名私立大学の出身者が国内の政治や経済などに大きな影響力を持っており、彼らによる学閥は既得権層をも形成しています。

しかも彼らは世界情勢に大きな影響を与えている大国のエリート層でもあるため、彼らの力は国際情勢や世界経済でも無視できないともいえます。

隠然たる力を持つ学閥とはうまく折り合おう

今回見てきたように、かつてほど学歴社会ではなくなってきているとはいっても、日本の社会では今でも学閥というものが力を持っています。

そして、それは決して他人ごとではなく、あなたの働いている職場でも、また志望している企業や分野でも存在しているということも少なくありません。

そのため、同じ大学の学閥であれば仲良くしておけば、将来が比較的に安定する可能性もあります。ただ、他大学出身者の場合はうまいことその学閥に所属する人と折り合いよく付き合っていくとよいでしょう。

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