「謹啓」の位置や結びで使用する言葉を紹介!「謹啓」を使用する例文も
更新日:2024年09月28日
「拝啓」より「謹啓」の方が敬意の度合いが高い
一般的な手紙を書く場合、頭語に用いるのは「拝啓」です。「拝」(おがむ)はお辞儀をするという意味があり、「啓」はもうすという意味なので、「お辞儀をして申し上げます」になります。「拝啓」よりももっと改まった丁寧な頭語は「謹啓」を使用します。
ビジネスの文書では「謹啓」と「謹言」が丁寧で失礼にならないので、よく使用されます。
「拝啓」の結語は「敬具」が一般的
結びの「敬具」(けいぐ)は頭語の「拝啓」とセットで使用されます。主に一般的な文書に使われるので、馴染み深いでしょう。手紙を書くときはこちらの方がすぐに思い浮かぶのではないでしょうか。
「謹啓」と「前略」の違い
「謹啓」は正式な文書や目上の人の手紙に使えますが、「前略」はどうでしょうか。間違うと失礼に当たる場合もあるので、使える相手や場面を把握しておきましょう。
「前略」は忙しい時と親しい人に使う
「前略」とは「あいさつを省きます」という意味です。頭語のあとにくる時候のあいさつを省き、いきなり本題に入ります。
手紙における前文(頭語と時候の挨拶)は、人の家に伺った際のあいさつのようなものです。これを省くことは失礼に当たるので、目上の人や、正式な文書には使わない方がよいでしょう。
どうしても急いで伝える必要があるときや、要件のみでも問題がない親しい人などには使えます。
ぜん‐りゃく【前略】 の解説
出典: https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E5%89%8D%E7%95%A5/#jn-... |
1 文章の前の部分を省略すること。→後略 →中略
2 手紙文で、冒頭の時候のあいさつなどを省くという意で用いる語。冠省 (かんしょう) 。
「前略」の結語は「草々」「不一」を使う
「草々」は「そうそう」、「不一」は「ふいつ」と読みます。
草々の元の意味は「忙しいこと、慌ただしいこと、簡略すること、粗末であること」です。不一は「十分に意を尽くしていないこと」「不備」の意味があります。
どちらも前略したことのお詫びの意味で結語に使われます。
そう‐そう〔サウサウ〕【草草】 の解説
出典: https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E8%8D%89%E8%8D%89/#jn-... |
[形動][文][ナリ]
1 簡略なさま。粗略なさま。また、もてなしや待遇が不十分なさま。「―に説明を終える」「お―でございました」→御草草 (おそうそう)
2 「匆匆 (そうそう) 1」に同じ。「―に引き上げる」
3 手紙文の末尾に、急ぎ走り書きをしたことをわびる意で、書き添える語。「前略」「冠省」などと照応して用いる。匆匆。
ふ‐いつ【不一/不▽乙】 の解説
出典: https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E4%B8%8D%E4%B8%80/#jn-... |
[名]十分に意を尽くしていないこと。手紙の終わりに添える語。不具。不尽。不備。ふいち。
必ず謹啓を使わなければいけない場面はある?
「謹啓」はもっとも丁寧な頭語なので、ビジネスの改まった文書や、目上の人への敬意を表す手紙で用います。
「拝啓」との使い分けは明確には決まっていませんが、強い敬意を表すべき相手や儀礼的な手紙には「謹啓」を使いましょう。ビジネスでは、初めて文書を送る相手や、お礼状を送る相手に使うことが多いです。
お詫びの手紙では謹啓を使うべき?
「謹啓」は「拝啓」よりも丁寧な言葉なので、正式なお詫びの文書でも使えます。
ビジネスの詫び状でも使えますが注意点があります。詫び状では何よりも謝罪することが重要なので、時候のあいさつを長々と書くのは不適切です。時候のあいさつは省き、本文に入りましょう。
丁寧なメールには謹啓を使うべき?
初回公開日:2018年05月09日
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