Search

検索したいワードを入力してください

給食で脱脂粉乳が出ていた理由・栄養・味|いつからいつまで

更新日:2024年01月26日

まずい、くさいと言われることが多い、脱脂粉乳。年配の世代の方には給食の苦い思い出としても定着しているのではないでしょうか。この脱脂粉乳、どうして給食に出されていたのか、まずいけれど栄養価はどうなのかなど気になるところをご紹介します。

ホルモン剤と抗生物質

たくさんの牛乳を搾るために、乳牛にはホルモン剤が投与されています。このホルモン剤を使用することで牛が感染症になり、それにより乳房に炎症を起こし、その炎症を抑えるために抗生物質が投与されます。また、病気の予防のためにもワクチンや抗生物質が投与されています。そうした薬物が牛乳に残留してしまうことが懸念されます。

遺伝子組換えの飼料

牛の飼料として広く使われている『アルファルファ』というマメ科の植物のほとんどは、アメリカから輸入されています。そしてそれらは、遺伝子組み換えされた植物です。

遺伝子組み換え作物の危険性は、研究結果からも指摘されていますが、直接、人間が口にするものではないため管理も甘くなっているのが実情です。また、農家も安価の飼料に頼っている面もあることから脱脂粉乳の原料である牛乳に影響がないとは言えません。

放射能汚染

セシウムやストロンチウムなどの放射性物質は、その性質上、加工時に濃縮された形で残ってしまうことが懸念されます。

わたしたちは、日常的に自然放射線を受けていますが、2011年に起きた東日本大震災を契機とした福島原子力発電所での事故により、福島周辺はもとより東日本全体が少なからずそれを上回る放射能の影響を受けてしまいました。

農家の責任ではないのは当然ですが、残念ながら現実を見ると安全とは言えない土壌で育った牛の牛乳に危険な物質が影響を与えていることは否めません。

この様な影響を受けた牛乳を加工し、濃縮して摂取していると考えると「脱脂粉乳は、からだに悪い」と言われてしまうのも頷けるでしょう。

加工過程に危険が!

次に考えられるのが、脱脂粉乳に加工される際に潜む危険です。

危険な物質を濃縮してしまう

脱脂粉乳は、牛乳から水分と脂肪を取り除いたものですから、先の『牛乳の危険性』で述べたとおり、さまざまなものを濃縮してしまうことになります。濃縮されるということは、過剰に摂取することになってしまうということです。

品質管理は大丈夫なのか?

『脱脂粉乳ってどうやって作るの?』で述べたとおり、脱脂粉乳は生クリームやバターなどを作る工程で出てくる言わば残り物で作られています。残り物であっても栄養価は高いものですし、商品として販売されているのですから心配はいらないでしょう。しかし、残り物という感覚は製造者の側からも拭い去れないことは考えられます。

考えたくはないですが、残り物=廃棄部という感覚で粗雑に取り扱われていたとしたら、品質管理も徹底されていないのではないかとの疑問が出てきてしまいます。

過剰摂取はさけましょう

以上の理由から脱脂粉乳はからだに悪いと言われています。しかし、私達が普段口にしている食品も『100%安全』だと言い切れるものは少ないのではないでしょうか。どんな事でも度を越すと害になることもあります。

脱脂粉乳に関して言えば、同量を飲むのであれば、牛乳そのものを飲むよりも脱脂粉乳の方がわずかにからだに悪影響があると考えられるということです。毎日、大量に摂取しているとか、赤ちゃんの離乳食に毎食利用しているとかいうことになれば、体を害する可能性も否めないということです。

お腹の弱い人は注意が必要

牛乳などの乳製品を飲むとお腹を壊してしまう人がいますが、これは、乳糖を分解する酵素(ラクターゼ)が不足するからです。ラクターゼが不足すると、腸内で消化できなかった乳糖が大腸で腸内細菌によって発酵してしまい、水分とガスが発生します。これがお腹が痛くなる原因です。これを「乳糖不耐症」と言います。

脱脂粉乳は、牛乳から脂肪分を抜いてありますが、乳糖はそのまま残っていますので、牛乳を飲んでお腹を壊してしまう人は、同じように注意が必要です。

リスクも考慮し自分で判断して利用しよう

ご紹介したように脱脂粉乳は、戦後の支援物資の中から給食として提供されていました。まずい・くさいと敬遠されていた原因は、物資の輸送時に傷んでしまったり、製法や原料の違いにありました。物資が乏しかった時代ですので、少々の難点に目をつむれば高い栄養が得られた脱脂粉乳は、大変ありがたがられていたことをうかがい知ることができます。

今では、スキムミルクとして定着し味も良くなり見直された脱脂粉乳は、脂肪分がないことで、カロリーを気にする人にも重宝されていたりもします。

脱脂粉乳は、からだに悪いと言われる理由もご紹介しましたが、安価で栄養価も高く、保存や持ち運びにも便利というのは魅力的です。リスクがあることも考慮しつつ、自分自身で判断し上手に利用してはいかがでしょうか。

初回公開日:2018年04月17日

記載されている内容は2018年04月17日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

Latests