一献という言葉の使い方|交える/傾ける/設ける/お付き合い
更新日:2024年08月18日
一献という言葉の使い方
「一献」という言葉は、相手にお酒を勧める場面で使われます。「一杯」を丁寧に言った言葉が「一献」です。
「どうぞ、まずは一杯いかがですか?」をより丁寧に言うと「どうぞ、まずは一献いかがですか?」になります。
上司にお酒を勧める場面などでは「一杯」と言わずに「一献」というのが正しいです。非常に格式ばった言葉なので使う人は少ないです。しかし、使う人は日常的に使います。知らないと思わぬ恥をかく可能性があるのでこの機会に意味や使い方を覚えておきましょう。
一献の正しい読み方
「一献」は「いっこん」と読みます。「献血」の「献」という字が入っているために「いっけん」と読んでしまう事が多いです。間違えないように気を付けましょう。
「一献」とは「最初の酒のこと。あるいは、酒を勧めること」という意味です。「お酒は召し上がりますか。一献いかがですか」「一献傾けましょう」「とりあえず、一献交わしながら話し合いましょう」などの使い方をします。「まずは一杯」を丁寧に言った形だと覚えておくと分かりやすいです。酒以外のものを飲む場合には使いません。
一献と言う言葉を使う場面
「まずは一杯」「一杯いかがですか?」「飲み物はどうします。お酒は飲めますか」「一杯付き合ってください」など、相手にお酒を勧める言葉はたくさんあります。「一献」はその中でもっとも丁寧な表現のうちのひとつです。
とはいえ、これまであまり「一献」という言葉を使って来なかったという場合は、どういう場面で使ったらいいのかよく分からない可能性があります。「一献」という表現をよく使う場面での例文をご紹介いたします。
上司と飲みに行った時
「献」は「捧げる。目上の人にものを差し上げる」という意味の漢字です。「一献」は「一杯の酒を相手に勧める事」を丁寧に表現した言葉です。上司にお酒を勧める場面で使うのに最適な言葉であると言えます。
「一献いかがですか」「まずは一献」「一献傾けながらお話を聞かせてください」「どうぞ、一献」などの使い方をします。「一杯いかがですか」よりも「一献いかがですか」の方が丁寧な言い方になります。
結婚式
「一献」はやや格式ばった言葉です。このため、式典の折などにもよく使われます。
結婚式では初めの乾杯の音頭の後、食事中などに同席者のグラスへ酒を注ぐ時などに「改めて、一献どうぞ」「どうぞ、もう一献」「もう一献いかがですか」などの使い方をします。
直会
直会とは葬儀の後に皆で酒を酌み交わす会のことです。狭義では神式の葬儀の後の酒盛りのことですが、一般的に宗派によらず葬儀の後の食事会の事を直会と言います。「直会」は「なおらい」と読みます。直会の酒盛りでも「一献」という言葉はよく使われます。
「本日はお忙しい中お越しくださいましてありがとうございました。どうぞ、一献傾けながら××を偲んで頂ければと存じます」「お疲れでございましょう。どうぞこちらで一献召し上がってください」「一献酌み交わしながらお話いたしましょう」「もう一献いかがですか」などの使い方をします。
久しぶりに会った相手と飲むとき
「一献」は格式ばった言葉ではありますが、親しい間柄の相手に使っても問題ありません。
「大阪に戻って来ていると聞きました。久しぶりに一献傾けながらお話いたしませんか?」「まずは一献酌み交わそう」などの使い方をします。
一献という言葉が相応しくない場面はあるか?
初回公開日:2017年12月29日
記載されている内容は2017年12月29日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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