「伽」の意味と使い方・由来・読み方・名前|とぎ/夜伽
更新日:2024年06月28日
「伽」の意味と使い方
「伽」は梵語のカ・ガの音を表すのに用いられる漢字です。人の相手になって慰めることや病人の看病をすることという意味があります。
伽を使った言葉で良く聞くのは「夜伽」や「伽羅」ですが、これらの言葉の意味は知っていますか。ここではこれらの言葉の意味や由来などをご紹介します。
梵語での「伽」
梵語とは古代インド・アーリア語に属するサンスクリット語の日本や中国での異称です。梵語はサンスクリットの音に漢字を当てました。サンスクリットが語源となったもので日常で使われているものもあります。僧や僧の着る袈裟が語源です。
梵語の中で「伽」は、サンスクリット語に音を当てはめた、いわゆる表音漢字です。「伽」の代表的な梵語での表記は「伽羅」(キャラ)や「伽藍」(ガラン)でしょうか。
伽羅、伽藍ってなんだろう
伽羅とは、香のことで、沈香の質の良いものを呼びます。それが転じて美しい女性を「伽羅女」と形容したり、愛想の良い、世渡り上手な人のことを「伽羅者」と呼びました。伽羅は良いものを褒める、極上のものという意味で使われました。
一方、伽藍は寺院の建物すべてを言います。元々は「僧が集まり修行する、清浄な場所」という意味でしたが、僧が集まる=寺院ということで、寺院にある建物のことを指すようになりました。
夜伽
夜伽とは、看病やお通夜などで夜通し起きて付き添うこと、またその人、という意味と女性が男性の寝室に仕えることを言います。夜伽には「一晩中そばにいる」と意味があります。
このことから通夜のことを「夜伽」と言い、近親者がロウソクの火や線香の煙が絶えないように夜通し故人に付き添うことを言います。現在では、斎場など会場の理由で、夜通し行われないことが多くなっています。
セクシャルなイメージが強い
また夜伽という言葉からはセクシャルな印象を受けます。これは、女性が男性の寝室に侍ることから、夜の相手をする=性的行為と捉えるからです。夜伽から連想される語として「付き添い」や「介抱」がありますが、そのほかにも「交接」や「情交」など性にかかる単語があります。
確かに女性が男性と一晩同じ部屋にいた、というと、たとえ何もなかったとしても、下世話な想像をしてしまいます。そのためこの「夜伽」にはセクシャルな印象がついてしまいました。このことから「夜伽」とは、一般的には「一夜を共にする」「肉体関係」などの「性」を連想させる言葉であることがわかります。
御伽話
御伽話は、伝説や昔話など、子供に聞かせるお話、物語のことを言います。また現実にはありえない、空想の話を比喩的に「御伽話」と表現します。もともと御伽という夜通し語り明かす風習があり、そこで語られた話が「夜伽話」と呼ばれ、転じて「御伽話」となりました。
室町時代には「御伽草紙」という短編の小説が流行しました。これには浦島太郎や一寸法師やものぐさ太郎などが含まれています。その後、江戸時代に、室町時代に流行した短編小説23編を集めて改めて「御伽草子」として刊行しました。現在「御伽話」と呼ばれるのは、この23編の物語のことです。
「伽」の意味の由来
もともとこの漢字は、梵語の音を表すために作られました。もともとこの音を表す(か・が)漢字は「加」でありましたが、漢字には意味があり、そのため、サンスクリット語の意味を含ませた「伽」という漢字ができ上がりました。
この「伽」の、サンスクリット語でのもともとの意味は看病、世話、出席、芸能人です。そのため、「伽」は看病をすること、貴人の世話をすることを表すようになりました。
伽はにんべんと加えるという漢字でできています。加えるは、力強さを表し、口は、祈りの言葉を口にすることを表しています。このことから力と言葉の影響を「人」に「加える」ことから「看病すること」や「世話をすること」に繋がります。
また音を表す「加」には積極的に話をすることという意味があり、これににんべん=人をつけることにより、人に積極的に話しかける、無聊を慰めるという意味に繋がりました。
「伽」の意味と読み方
初回公開日:2018年01月14日
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