「伽」の意味と使い方・由来・読み方・名前|とぎ/夜伽
更新日:2024年06月28日
もっとも使われるものは「か」と「とぎ」という読み方です。「とぎ」は日本語での読み方で、日本では「夜伽」「御伽」と使われます。そのほかにも「ガ」「キャ」「ギャ」と読み、伽羅や伽藍などというように梵語、主に仏教に関連した言葉に使われます。
とぎ
とぎ は、「話し相手となって、相手の無聊を慰めること・人」、「病人を看病すること・人」そして「寝所の相手を務めること・人」という意味です。
戦国時代から江戸時代にかけては、「御伽衆」と呼ばれる、相談役や諸国の動静を伝えたり、また「伽」本来の意味である世間話の相手を務める職種がありました。その中でも豊臣秀吉は、読み書きが不得手だったため、耳学問として多くの伽を召し抱えていました。落語はこれら御伽衆の面白話を編集したものと言われています。
このことから、もっぱら「話し相手となって、無聊を慰めること・人」という意味で使われていましたが、近頃は、この「退屈を紛らわすための話し相手」という意味では使われず、「寝所の相手を務める」という意味の方が強くなっています。
か
この読み方は、梵語の音を表すための用いられる音です。「が」とも読みます。この読み方には特に意味がありません。サンスクリット語の音に近い「加」ににんべんを加えた作られた漢字です。
名前での「伽」の意味と付け方
「伽」は「か」と読み、人名用漢字に登録されています。名乗りでは「か」の他に「ガ」「キャ」「ギャ」があります。
伽には「相手をする」という意味があります。このことから、人と人を繋げる、コミュニケーションを表していると取ることができます。さらに「加」には盛んになるという意味もあり、これににんべんを足したこの字は、「人と人のつながりが盛んになる」「他者とのつながりを大切にする」「良い人間関係を築く」というような意味をつけることができます。
また「看病」や「世話」という意味から「周囲に思いやりを持って接する」「優しい心を持つ」などの意味も考えられます。
さらに伽の代表的な梵語での言葉に「伽羅」があり、これは極上のもの、美しく優れているものという意味があります。そのため、「伽」は名付けに使っても良い、とてもいい意味の漢字と言えます。
イメージはあまりよくはありません
しかしながら、現在では「夜伽」の意味が先行しているため、この字をお子さんにつけるときには少し顔をしかめられる可能性があります。
特に「伽」と「夜」を組み合わせはである「伽夜」は、響きは「かよ」で可愛らしいですが、「夜伽」というそのままの意味で敬遠されます。この字を女の子につける場合には、注意が必要ですが、その字にしか込められない願いや希望、想いもあるでしょう。よく考えて慎重な漢字の組み合わせが重要です。
伽は梵語のために作られた漢字です
伽には今言われるような「夜の相手をする」という意味はありません。これは下世話な妄想が「女性が夜、男性の寝所に侍る」という仕事に性的な意味をもたせました。セクシャルな印象は強く人の心に残ります。そのため、この字は「なんだかいやらしい」というイメージが強くなってしまいました。
しかしこの漢字には「人と人が繋がる」というコミュニケーションを表している言葉です。お世話も看病も、仕事とはいえ慈愛の精神がなければ務まりません。「人との良好な関係を築く」「周囲に思いやりを持って接する」という意味を持つ、とても良い漢字です。
確かにセクシャルな印象が強く、一見眉をしかめられそうですが、その名前に込めた強い思いを良くお子さんに言い聞かせれば、お子さんもきっとその名前が好きになるでしょう。
初回公開日:2018年01月14日
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