「筆まめ」の意味と使い方・由来・対義語・類義語|文章
更新日:2024年06月12日
筆まめの対義語は「筆不精(ふでぶしょう)」になります。「面倒くさい」という理由で文章や手紙を書こうとしない事、そのような人、そのような状態を指します。「筆不精でついつい義理を書いてしまいます。」、「筆不精なものですから年賀状も出しておりません」という風に使います。
「不精」は精(せい)を出さないこと、面倒くさがってひどく骨惜しみすることですから、筆=手紙・文章を書くことを面倒くさがってなかなか真面目に取りかからない様を状態、またはそういう人です。
例えばお返事をしなければならないと気にしていながらなかなか出せていないときに「筆不精でついつい義理を欠いてしまいます。」という風に使います。
「筆不精」という表現の印象
「筆まめ」は基本的に褒め言葉です。対義語の「筆不精」は悪い意味でしょうか。褒め言葉ではありませんが貶す言葉でもありません。むしろ足りない部分に関して愛情を込めて表現するといったニュアンスです。そもそも、メール・SNS全盛の現代で返事を出さないことを気にするさまや人は充分に生真面目です。
筆不精と筆無精
また、「筆不精」は「筆無精」とも表記されます。どちらも意味は同じですし、日本語として間違いではありません。現実には「不精」のほうが使われるケースが多くなっています。
「不○○」は不公平、不透明など「○○ではない」の意味で、「無○○」は無関心、無職など
「○○が無い」の意味です。この場合は「マメではない」という意味なので「不」の方がニュアンスが伝わりやすいでしょう。
「筆まめ」の意味の類義語
「筆まめ」を他の表現はいくつかあります。「頻繁に手紙を書く」、「律儀に手紙を書く」、「勤勉に手紙を書く」、「几帳面に手紙を書く」などです。
同じ意味の表現でありながら、これらの表現は「筆まめ」と比較するとかなりインパクトに欠けます。「筆まめ」という言葉が秘めている奥ゆかしさや生真面目さ・几帳面さの意味は、やはり「筆まめ」にしか表現できません。
「筆まめ」の意味と正しい使い方をマスターしましょう
いかがでしたか。「筆まめ」の意味と正しい使い方ご理解いただけましたか。最近は文章でのコミュニケーションは手紙やハガキよりもメールやSNSが主流です。手段に関わらず文章でのコミュニケーションを面倒がらずにきちんとやる人は「筆まめ」です。
しかし、やはり本来は紙に文章を書くことを指している言葉です。むしろ、メールやSNSが主流である時代だからこそ、手書きで気持ちを伝える「手紙」や「ハガキ」をしっかり書いているのを見かけた時こそ「筆まめ」という表現を使いたいものです。
手書き文字の存在意義
手紙やはがきはメールやSNSと比較すると伝わるエネルギー量が多いです。それは、以下のいくつかのアクションが必要だからです。
●その人のためだけに書く。
●便箋・封筒・はがき・筆記用具など道具を用意する。
●誤字・脱字が簡単に修正できない。
●ポストに投函する必要がある。
●手元に届くのに1日以上の時間を要する。
どれも面倒と感じてしまうとなかなか実行に移せないものばかりです。その分、実行した時に得られる充実感は大きなものがあります。それは受け取った方も同じです。
「筆まめ」に込められる想い
手紙・ハガキには「時間」という要素が加わります。メールやSNSは瞬時に届いてすぐに返信を受け取れますが、手紙ではそうはいきません。準備を含めて要した時間や配慮を想像できるからこそ、「筆まめ」という表現が生まれました。
「筆まめ」という言葉の意味はただ単に「面倒がらずに手紙や文章を書く」ことを意味しているのではなく、いくつかの人間性や対象者に対する深い気持ちまでを表す言葉です。
「筆まめ」に代表される日本語の奥の深さ
「筆まめ」の言葉の意味や使い方をご紹介しました。この「筆まめ」に限らず、日本語は言外の深い意味を内包した表現が多くあります。
美しい日本語・正しい日本語を使うのはとても大切なことです。日本語の正しい理解や使い方はあなたの教養次第です。
もし「この言葉の使い方正しいかな。自分は意味を理解しているかな」と疑問・不安を抱いたら、その場でスマホ・PCで確認し正しい知識を身につけます。言葉に関する教養はこういった些細な日々ので努力の積み重ねの結果です。
正しい日本語の使い方に関する本を読むのもおすすめです。
初回公開日:2018年02月26日
記載されている内容は2018年02月26日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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