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「天地人」の意味と使い方・語源・生花での意味|孟子

更新日:2024年04月20日

天地人とはいったいどのような語源で、どんな意味を持つのでしょうか。大河ドラマの「天地人」は高視聴率でした。また生け花でも「天地人」と言われます。今回はその実態に迫ります。知っているようでも知らなかったことを、深く読み解いてみます。

「天地人」の意味と使い方

「天地人」の意味とは

天地人(てんちじん)の意味とは、「天」と「地」と「人」のことで、これは全世界を形成するものすべての要素です。それは地球上だけにとどまることなく、宇宙に存在する万物すべてという意味です。また「三才」とも表されます。つまり「天地人」とは、古来の人の認識において「この宇宙を含む全世界のすべて」という意味です。

他の意味としては、三つの物の順序など表す意味としても使用されます。例えば、飲食店での注文における「松竹梅」にも相当します。天地人の学問領域としては「天文」「地文」「人文」という熟語が存在しますが、現在では「地文」はほとんど見当たりません。

天地人の使い方

天地人は「悪いことをすると、天地人は見ている。」などと、戒めの意味としても使われます。

・天地人の悠久を感じる  
・天地人の萬物に通じて  
・天地人の順序をつける

などとも言い表すことができますが、実際の日常では、あまり使われることはありません。

「天地人」の意味の語源

孟子の教えの中で登場する『公孫丑章句上』の中の一節「天時不如地利。地利不如人和」に由来すると言われています。この意味は漢文としてとても難しく難解です。では孟子の教えとはどんなものでしょう。

孟子の「天地人」について

孟子とは?

孟子(もうし:紀元前372年~紀元前289年)は中国戦国時代の儒学者です。儒教において「孔子」の次に重要な人物です。その儒教の教えは、別名「孔孟の教え」とも呼ばれます。孟子は「性善説」(人間の本性は善であるという説のこと)を主張しました。

孟子の言葉

孟子の教えに「天の時は地の利に如かず 地の利は人の和に如かず」(天の与える好機も土地の条件には及ばず、土地の有利な条件も民心の和には及ばない)という言葉があります。

何事かを達成しようとする時、天の時を得ていて、地の利がなければ成就できない。しかし、それらを得ていても、人の和がなければ成就できないという意味です。つまり、天の時(タイミング)や地の利(環境)よりも、人の和が大切であると孟子は言っています。

上杉謙信が引用

この孟子の教えを上杉謙信が引用したと言われます。そして、この言葉は「三才」とも呼ばれ、戦に勝つことや成功させるためにはこの「3つの条件」が必須ということです。これは小説やテレビなどでも登場しています。

天地人 (小説)

天地人 (小説):火坂雅志著の「直江兼続」を主人公とした歴史小説があります。原作の表題「天地人」は、謙信公の「輝虎(謙信)公曰く。天の時、地の利に叶い、人の和とも整いたる大将というは、和漢両朝上古にだも聞こえず。いわんや、末代なおあるべしとも覚えず。もっとも、この三事整うにおいては、弓矢も起こるべからず、敵対する者もなし」という「北越軍談 謙信公語類」に残っている言葉からきています。

分かりやすい解説

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初回公開日:2018年01月24日

記載されている内容は2018年01月24日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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