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「天地人」の意味と使い方・語源・生花での意味|孟子

更新日:2024年04月20日

天地人とはいったいどのような語源で、どんな意味を持つのでしょうか。大河ドラマの「天地人」は高視聴率でした。また生け花でも「天地人」と言われます。今回はその実態に迫ります。知っているようでも知らなかったことを、深く読み解いてみます。

これを現代語に直すと「謙信は言いました。天の巡り合わせが良くて、地理的のも有利に恵まれ、その上に家臣や領民がまとまっている、そんな3つの条件を満たした大将は、いまだ日本の歴史にも、中国の歴史にも、神話時代にも見たことがない。もしこんな大将がいたならば、戦も起こることはないだろう」となります。

天地人 (NHK大河ドラマ)

火坂雅志の小説を原作とした「NHK大河ドラマ」が、2009年に大河ドラマとして放送されました。ドラマは主君・上杉景勝を生涯にわたり支えた名参謀の直江兼続を描いています。

キャスト:直江兼続=妻夫木聡、上杉景勝=北村一輝、お船=常盤貴子、上杉謙信=阿部寛 他

生花での「天地人」の意味

生花とは

ここで言う生花の意味は「いけばな」のことです。造花に対し「生け花」と生という字を使います。また華道とも言い、華道においては「天地人」で花の構成を作りだし表現します。この天地人の三つで花の型を作り「人の天は宇宙を表し導くもの」とし「地は大地であり従うもの」そして「人は万物のことで和するもの」と筋道の意味付けをします。

これら三つ(天地人)のそれぞれが調和する姿こそが、自然の摂理であることから、人としての「生き方の法則」だという意味が生花の理念です。

生花の流儀

また生花には多種の流儀があり、流派によりそれぞれの特色が個性となり意味を持ちます。ただし、天地人を生花で不等辺三角形に形づけるという基本的な構造はかわりありません。天地人の「天」が最も高い位置、「地」は最も低い位置、「人」はその中間の位置です。日本の3大流派として「池坊(いけのぼう)」「草月流(そうげつりゅう)」「小原流(おはらりゅう)」は「名前は聞いたことがある」と言う人も多いでしょう。

池坊(いけのぼう)

聖徳太子が創建した六角堂頂法寺の天台宗頂法寺の僧だった「池坊専慶」が始まりとされる「日本最古の流派」です。そのため現在も、池坊の家元は頂法寺に僧籍を置いています。そして、最大の流派として「池坊の歴史は生け花の歴史」とまで言われ、ちなみに池坊は「〇〇流」とは言いません。

草花が持つ生命と自然の中に美と和に意味を見出します。そのため草花の生命に寄り添うということから、虫食いだったり枯れかけた花も「あるがままの姿」を生かすという理念です。天地人や陰陽を基本理念とし、「真、副、体」と長さの違う三本の骨組みにあしらいを取り入れいけられます。

草月流(そうげつりゅう)

勅使河原蒼風(てしがわらそうふう)にり1927年に創流されました。特色は、それまでの形式にとらわれず「自由」な表現を取り入れています。それは造形美であり、草月流の真骨頂は芸術的な常識を破るという意味合いを持つ生け花です。天地人が基本とされるのですが「真・副・控」を基本とする花型法です。

小原流(おはらりゅう)

小原流は明治の中頃に「小原雲心(おはらうんしん)」により創流されました。雲心は「盛花」を考案し「近代生け花の礎」を築いたのですが、それは「盛花」です。多くの人に親しめる生け花のスタイルを考案しました。「盛花」とは、水盤(口の広がった器)+剣山で「盛る」ように花を生けます。「主枝(しゅし)、副枝(ふくし)、客枝(きゃくし)」を基本として花を活ける位置が決まります。

「天地人」と「松竹梅」の意味の違い

松竹梅(しょうちくばい)とは

日本では、慶事・吉祥のシンボルとしてこの3点の組み合わせ意匠に使われたり、祝いの席では謡われました。等級として「松・竹・梅」を使うことがありますが、もともとは松竹梅には確かな優劣はありません。一般的には「松=最上級」「竹=二番手」「三番手=梅」とされる場合が多いのですが、時に梅を最上級という場合もあります。

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初回公開日:2018年01月24日

記載されている内容は2018年01月24日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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