正しく使ってる?「謹啓」と「敬具」
あなたは、「謹啓」と「敬具」という言葉を知っていますか?ビジネス文書で、よく使用されているので、みたことがある方も多いでしょう。また、実際に「謹啓」と「敬具」を使って、文書を書いたことがある方も多いのではないでしょうか。
この「謹白」と「敬具」という言葉。あなたは、正しく理解して使うことができていますか?今回は、「謹啓」と「敬具」の使い方について、その例文とともに確認し、正しく使うことができるようにしましょう。
そもそも「謹啓」と「敬具」ってなに?
「謹啓」の意味を調べると、つつしんで申し上げること。手紙の最初に書くあいさつの語。とあります。次に、「敬具」の意味を調べると、〔つつしんで申しあげます、の意〕手紙の最後に添える言葉。とあります。つまり、「謹啓」と「敬具」は、どちらもあいさつの言葉で、相手への敬意を表す言葉といえます。
「謹啓」は、文書の初めにくることから、頭語と呼ばれる言葉の1つです。また、「敬具」は、文書の最後にくることから、結語と呼ばれる言葉の1つです。
つつしんで申し上げること。手紙の最初に書くあいさつの語。
https://kotobank.jp/word/%E8%AC%B9%E5%95%93-481026
〔つつしんで申しあげます、の意〕
手紙の最後に添える言葉。
https://kotobank.jp/word/%E6%95%AC%E5%85%B7-488340#E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.9E.97.20.E7.AC.AC.E4.B8.89.E7.89.88
あいさつは礼儀!
「謹啓」「敬具」は、相手に対するあいさつの言葉です。正しく使うことができていないと、しっかりとあいさつができていないということになってしまいます。仕事だけでなく、普段の生活でも、あいさつは基本中の基本です。基本であるあいさつができないと、「この人は常識がない人だ」「あいさつすらできない人なのか」などと、相手に悪い印象を与えかねません。そして、最悪の場合、不信感につながってしまう可能性もあるでしょう。
「拝啓」と「謹白」ってなに?
今回取り上げた「謹啓」と「敬具」は、それぞれ頭語と結語の1つです。「謹啓」と「敬具」以外にも、頭語と結語にあたる言葉はあります。
「拝啓」は、〔つつしんで申し上げる、の意〕書簡の冒頭に記して相手に敬意を表す語。謹啓。 〔対応する結語には「敬具」をとるのが一般的〕とあります。また、「謹白」は、つつしんで申しのべること。手紙・文書の結びに用いて、相手に敬意を表す語。とあります。
このように、頭語には「謹啓」の他に「拝啓」という言葉があること、結語には「敬具」の他に「謹白」という言葉があることが分かります。
つつしんで申しのべること。手紙・文書の結びに用いて、相手に敬意を表す語。
https://kotobank.jp/word/%E8%AC%B9%E7%99%BD-481684
〔つつしんで申し上げる、の意〕書簡の冒頭に記して相手に敬意を表す語。謹啓。 〔対応する結語には「敬具」をとるのが一般的〕
https://kotobank.jp/word/%E6%8B%9D%E5%95%93-598684
「謹啓」「敬具」とは何がちがうの?
「謹啓」と「拝啓」、「敬具」と「謹白」は、それぞれの大まかな意味は同じですが、漢字が違うように、それぞれ意味が少し違っています。
「謹啓」や「謹白」には、「謹」という字が使われています。「謹む」は、うやうやしくかしこまるという意味です。つまり、丁寧で礼儀正しい様子のことをいいます。また、「拝啓」に使われている「拝む」という字については、「見る」の謙譲語が意味の1つとしてあります。謙譲語は、自分を下げることで相手を立てる言葉です。
このように、漢字の意味から考えてみると、「拝啓」は、「謹啓」よりも敬意の度合いが低いことが分かります。そのため、手紙などの一般的な文書で使います。一方、「謹啓」は、改まった文書で、相手により丁寧な印象を与えたいときに使います。
うやうやしくかしこまる
https://kotobank.jp/word/%E6%85%8E%E3%82%80-571925
「見る」の謙譲語。
https://kotobank.jp/word/%E6%8B%9D%E3%82%80-451356