「髪を結う」の意味と使い方・類語・読み方|方言/髪を結ぶ
更新日:2024年08月24日
「髪を結う」の読み方は?
女性がゴムやリボンなどで髪をまとめる時に「髪を結う」と言います。読み方は「髪(かみ)を結(ゆ)う」と読みます。「結う」には他にも意味があり、また、意味が似ている「結ぶ」という言葉もあります。
今回は、「髪を結う」の意味や使い方、各地域の方言などをご紹介します。「髪」の部首は「髟(かみがしら、かみかんむり)」で、音読みで「ヒョウ」と言い、長い髪が垂れ下がっている様子を表わします。
「結」の部首は「糸(いと、いとへん)」で、音読みでは「シ、ベキ」、訓読みで「イト」と言います。意味は絹糸などの糸、糸のように細く長いもの、糸を張った琴や琵琶などの弦楽器、ほんの少しの量、わずかなことなどを表します。
「髪を結う」の意味と使い方は?
「髪」そのものの音読みは「ハツ、ホツ」、訓読みは「かみ」で、画数は14画、意味は髪、髪の毛、長さを表わす単位、一寸の百分の一、ごく少量の数を表わします。熊本県熊本市に「黒髪(くろかみ)」、長崎県佐世保市に「黒髪町(くろかみちょう)」という地名があります。
「結」の音読みは「ケツ、ケイ、ケチ」、訓読みは「むす(ぶ)、ゆ(う、わえる)、す(く)」といいます。また、新潟県新潟市に「結(むすぶ)」、栃木県那須塩原市に小結(こゆい)」などの地名があります。
「髪を結う」の意味は、髪の形を整えて結ぶことをいいます。使い方の例を挙げると「古風な島田に髪を結う」「少女は桃割れに髪を結っていた」「パーティ用に華やかなアレンジに髪を結う」などです。
「髪を結う」の方言での使い方は?
日本は南北に長く各地域で独特の方言があり、「髪を結う」もさまざまな言い方があります。関東地方から見ていくと、まず東京では、「髪を結ぶ」「髪を結(ゆ)わく」が普段使用されます。また「髪をしばる」や「髪を束ねる」も使います。年配の人は「結う」や「髪を結(ゆ)わえる」の言葉を使います。
同じ地域で暮らしていても、方言は時代と共に移り変わるので、必然的に世代や年代によって使う言葉が異なります。高齢者が使っていた方言も廃れていき、若い人の間では言わなくなることもあります。
神奈川県は「結わく」「結ぶ」、埼玉県では「しばる」「結ぶ」、群馬県では「しばる」で、髪型によって「髪をまとめる」を使います。茨城県は、東北弁のような訛りがあり、「しばる」を使います。「髪うっとうしいから、あだましばれよ(髪をまとめなさい)」などと言います。
北海道の方言
北海道では「髪を結う」を「髪をしばる」と普段よく使う言葉として用いられ、「髪を結ぶ」や「髪を結う」も言います。「髪を結う」は、昔の桃割れや高島田のような日本髪や、パーティーなどでドレスを着るときに合わせて、髪をセットして作ることを意味します。
髪を簡単にゴムなどで結ぶ場合は「髪をしばる」といい、かなり年配の人は「髪を結(ゆ)わえる」や「髪を結(ゆ)わく」と言います。また、「髪をいわく」とも言い、「結わく」から訛った言葉とされています。
東北地域の方言
東北地域では、「髪を結う」は「髪を結(ゆ)わく」「髪を結(ゆ)わいて」といい、山形県では「髪を結う」も用います。また、秋田県は少し独特で「髪をつなぐ」と言います。「お母さん、髪つないで」「髪、つないでやるが(髪を結んであげようか)」などと使います。
宮城県仙台市は、おさげなどの三つ編みは「結う」、馬の尾(しっぽ)に似ていることが由来のポニーテールは「結ぶ」で、これ以外は「髪をまとめる」と言います。また、福島県でも「結わく」「結わえる」ですが、年配者は「髪をゆっつばる」と言います。
関西地域などの方言
京都や大阪、兵庫、三重県などの関西地域は「髪を結う」を「髪をくくる」と言います。「お母さん、髪くくって」「髪くくりなさい」などといいます。たとえば新聞の束をごみ出しでまとめる時などにも紐でくくるといます。
「くくる」は髪を結ぶことで、成人式や結婚式などで着物を着る時に髪をセットする場合には「髪を結う」という解釈し、「髪を結ぶ(くくる)」意味に捉えません。関西地方の人には、「しばる」や「結わえる」という言葉はしっくりしない感じを抱かせます。
反対に東北や関東地方の人が耳にすると、「くくる」はしっくりせず、縁起の悪い言葉や別の意味を連想させます。たとえば「首をくくる」や「腹をくくる」などです。
中部地域の方言
北陸では「髪を結う」や「髪をくくる」と言います。何かを結びつける、くくり付ける時は「結わえる」を使います。愛知県では、「髪を結う」は「髪をしばる」と言います。同じ愛知でも名古屋では、「髪を結う」を「髪をからげる」と言います。また、長野県では愛知県と同じ「髪をしばる」といいます。
中国地域の方言
中国地方は「髪を結う」を「髪をくくる」と言いますが、山口県では「髪をきびる」、岡山県では「髪をうったて」と言います。山口県では、例えば新聞の束をまとめる時にも「きびる」を使います。
九州・四国地域の方言
初回公開日:2018年04月15日
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