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「髪を結う」の意味と使い方・類語・読み方|方言/髪を結ぶ

更新日:2024年03月12日

髪を後ろでまとめることを「髪を結う」と言いますが、「髪を結ぶ」ともいいます。また、「髪を結う」は日本各地でさまざまな方言があり、地方によって違います。今回は、「髪を結う」の意味や使い方、「髪を結ぶ」との違い、「髪を結う」の各地域の方言などをご紹介します。

福岡県や長崎県などの九州地域では、「髪を結う」を「髪をきびる」と言います。「作業しやすいように、髪の毛の長い人は必ずきびって下さい」「悪いけど、髪きびってくれない」などと言います。

熊本県や大分県などでは、「髪を結う」を「髪をくびる」と言います。「先生に注意されるから、くびっとけ」などと言います。鹿児島県は「髪を結う」は「髪をくくる」あるいは、「髪を結ぶ」と言います。四国地域は関西地方と似ていて、「髪を結う」を「髪をくくる」と言います。

「髪を結う」と「髪を結ぶ」の違いは?

「髪を結う」は、髪を整えてさまざまな髪型を作って結ぶことをいいます。使い方の例を挙げると「源さんは髷をきっちり結う」「若い女性は髪を桃割れに結う」などです。

「髪を結ぶ」は、布や紙、糸などの細長いものを絡めて組んで繋ぐこと、または、その結び目を意味します。使い方の例を挙げると「仕事をする時は髪を結ぶ」「食事の時は邪魔になるので髪を結ぶ」などです。

日本髪の歴史

平安時代ごろからの習慣になっていた「垂髪(すいはつ)、垂れ髪、下げ髪ともいう」は、長い髪を結ったりせずに垂らしたままの髪型で、家事や農作業、その他の作業などに支障がありました。

「髪を結う」習慣は江戸時代からで、合理的に生み出されたのが「日本髪(結髪)」で、日本民族独特の髪型全体をまとめていいます。最初に「髪を結う」ようになったのは歌舞伎役者や遊女などで、やがてその風習が庶民にも広まり、公家や武家社会でも「日本髪」が取り入れるようになりました。

「日本髪」が全国の人々に根付くと、少女か中年女性かなどの年齢、身分、武士か商人かなどの職業、貧富の格差、既婚か独身かなどで、していいとされる髪型は幕府によって取り決められるようになりました。

日本髪の特徴

「日本髪」は、「元結(もとゆい)、髪の根元部分をまとめるために用いる紐」で「前髪」、「びん」、「たぼ」を分けます。それを全てまとめて頭の上部に髷(まげ)をセットアップします。鬢(びん)付け油を付け、簪(かんざし)、櫛(くし)などの色々なヘアーアクセサリーで飾りました。

当時装飾品に使われる素材はとても高級で、簪(かんざし)はさんごや翡翠(ひすい)など、櫛(くし)はべっ甲、「根がけ」は絹紐や緋縮めんなどを使用していました。「びん」とは、頭部の側面両側の髪をいい、「たぼ」とは頭部の後ろに張りだした箇所を表わします。

鬢付け油は、髪がきれいに整った状態を保つために使うもので、菜種油(なたねあぶら)や木蝋(もくろう)、香料などを混合して固く練った油です。

日本髪の髪型

「日本髪」の主な髪型は、「丸まげ、桃割れ、銀杏返し、島田まげ」などがあります。「丸まげ」は結婚している女性が結う髪型で、型をびんの中に入れて丸く形をセットするところから名付けられました。

「桃割れ」は、今の女子高生くらいの年齢の少女がする髪型で、「銀杏返し」の流れを引きます。名前のいわれは、桃の果実にまげの形が類似している所からきています。「銀杏返し」は、江戸時代の末から明治にかけての髪型で、少女の「蝶々まげ」が起源となっています。

明治時代に入って徳川幕府が終わり、西洋文明を受け入れるようになると、「日本髪」は実生活上お金がかかる、重たく活発に動けないなど非合理的と見なされ、洋式の束髪(髪を結んでまとめた女性の髪型で、当時流行った洋風スタイル)が取り入れられて徐々に廃れてゆき、今日に至っています。

「結う」の他の意味

「結う」の意味には、他に布製の細い紐やわらや麻などで作った太い縄紐などで縛ること、結び付けて形作ることをいいます。使い方の例を挙げると「浴衣の帯を結う」「筆を結う(イタチや馬、リスなどの動物の毛を結って日本画用の筆などを作ります)」などです。

「結ぶ」の他の意味

誤解や食い違いなく意思の疎通が密接な交流を意味する「絆を結ぶ」などです。

思想や信条が同じ人が組むことを意味する「国交を結ぶ」などです。

約束を取り交わす「契約を結ぶ」などです。
 
2つの場所をつなぐことを意味する「島と島を結ぶ釣り橋」などです。

まとまって形成されることを意味し、果実や木の実が実る「桃がたわわに結ぶ」、空中の水蒸気が固まる「野薔薇の葉に露が結ぶ」、物事の良い結果で「たゆまぬ努力が実を結ぶ」などです。

小説などの文章を最後にする締めくくり、結びを意味する「物語を結ぶ」などです。

「髪を結う」の類語は?

「髪を結う」の類語はたくさんあります。地域社会や組織団体での結束または、精神的な絆が確かなことなども意味する「結びつける」「繋ぎとめる」「繫(つな)ぐ」「縛り付ける」「結い付ける」「結ぶ」「結(ゆ)わく」などがあります。

結び目を形づくるを意味する「結(ゆ)いつける」「結びつける」「結(ゆ)えつける」「結わえ(付け)る」「結び合わせる」などです。

使い方の例を挙げると「都市部と過疎地を結ぶ取り組み」「彼の気持ちを繋ぎ止めるために尽くしました」「親が子供の人生を縛り付けてはいけない」「ロープで船を繫ぐ」「猫の首に鈴のついた紐を結わえつける」「母親はきれいな色のリボンで少女の髪を結んだ」などです。

「髪を編む」

「編む」は、竹や草などの植物、毛糸、髪の毛などの細くて長いものを組み合わせて形ある物に仕上げることをいいます。使い方の例を挙げると「長い黒髪を三つ編みに編む」「あけびや山ぶどうの蔓を編んで作った籠やバッグ」「竹で編んで作った竹籠製品」「毛糸でセーターを編む」などです。

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初回公開日:2018年04月15日

記載されている内容は2018年04月15日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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