「かくかくしかじか」の意味と使い方・語源・返し方|古語
更新日:2024年06月11日
「かくかくしかじか」の意味とは?
「かくかくしかじか」は、字面的には面白い印象ですが、意味がよく分からない人も少なくない言葉とされています。何となく言葉の響きが良い・面白いために意味もなく使いたくなるような言葉とされますが、意味もなく何となく使ったとしても、その使い方は「かくかくしかじか」の意味的に間違った使い方にならないこともあります。
何かと使える言葉なので、意味を知っておきましょう。
意味
「かくかくしかじか」の意味は、内容を具体的に話さず、その具体的な内容の部分の代用として用いる表現です。すなわち、話を省略したい時に使います。説明したら長くなるから、そこを「かくかくしかじか」として、結論だけを述べるといった使い方がされます。「かくかくしかじか」=「こうこうこういうわけで(いろいろあって)」といったニュアンスです。
使い方の例
たとえば、遅れた理由について話す時、具体的に話すとすれば「寝坊して・着替えて・歯を磨こうとしたら服に歯磨き粉が飛んで・それを綺麗にして・身支度を適当に済ませて・靴を履こうとしたら靴下が部屋着用のままで・靴下換えて・急いで来たが遅れてしまった」といった感じになります。遅刻理由は人それぞれですが、今回は小さな不都合が何度か起きた設定にしました。
これを説明する時に「かくかくしかじか」を使えば、「かくかくしかじかで遅れてしまった」となります。この「かくかくしかじか」の部分に、「寝坊して〜靴下換えて」までが詰まっている感じです。しかしながら、具体的に話した方が良い場面であれば、ちゃんと話しましょう。「かくかくしかじか」で省略しても良い時は、相手にとってどうでも良いことだけです。
「かくかくしかじか」の漢字は?漢字の意味を見てみよう!
「かくかくしかじか」を漢字にすると、「斯々然々」あるいは「斯斯然然」になります。「しかじか」の部分は「云々(云云)」という漢字にもできますが、基本的には「然々(然然)」です。
斯々(斯斯)
「斯々(斯斯)」は通常「斯く斯く」の形で、意味は「しかじか」と「これこれ」のことだと説明されます。「しかじか」は「然々」のことですが、「これこれ」の意味は「これの言葉で示せることがいくつもある時に1つにまとめた語」で、たとえば「これ」と「これ」と「これ」があって、といった時に「これこれの問題があって」などの形で使います。
然々(然然)
「然々(然然)」の意味は、「繰り返し言わない時・分かり切った内容を一々言わない時・不要な内容を省略する時などに代用する表現」です。「然々」の意味は、もう1つの漢字「云々(云々)」で説明されることもあり、この「云々」は「しかじか」または「うんぬん」と読みます。
「うんぬん」と読んだ時には「(それについて)いろいろ言う」の意味を持ちますが、「しかじか」と読む場合は「省略する内容の代用」という「然々」と同じ意味になります。しかしながら「云」の漢字には、「しか」の読み方がありません。「然」の漢字には表外読みながらも「しか」の読み方があるため、基本的には「然々(然然)」の漢字表記が用いられています。
斯々然々(斯斯然然)
「斯々然々」の漢字としての意味を踏まえて考えてみると、「言わない内容の部分を埋める代わり」が「かくかくしかじか」であると言えます。
その内容を言わない理由は状況によりさまざまで、わざわざ言う必要がない・前に言ったので再度言わない・そもそも言うまでのことではないため言わない、などです。それら理由によって「言わない内容」とすると場合は、そこを「かくかくしかじか」の言葉で代用します。
「かくかくしかじか」の語源は?
「かくかくしかじか」の語源は、先ほどお伝えした漢字で見た時の意味にあります。「斯々」も「然々」も「省略する時の代用」といった同じ意味でしたが、それらを合わせた言葉が「かくかくしかじか」です。同じ意味同士なので、組み合わさって「かくかくしかじか」となった時にも意味は変わりません。
初回公開日:2018年01月13日
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