「けれども」の意味と使い方・例文・類語|敬語/話し言葉
更新日:2024年09月10日
敬語での「けれども」の使い方
「けれども」というのは文法的には接続助詞に当たり、已然形語尾の「けれ」に接続助詞の「ども」が付いた語形になります。主にそれまでの話題の転換を示す際に使われ、前述の内容から「けれども」を挟んだ後述においては逆説的な内容が述べられます。
・○○という情報がありますけれども、結果的には△△という情報が採用されました。
・彼の論文は評価が高いけれども、○○雑誌によれば酷評されています。
・夏は暑いけれども、部屋でクーラーをつければ快適です。
このように、「けれども」の前述までの内容とそれ以降の後述の内容とが、まったく逆接の形で述べられる場合がほとんどです。
「けれども」の転換用法
「けれども」という言葉の活用は文法的に用言の終止形に付き、「今週中なら行けるのですけれども」などという場合でも、「行ける」という用言の終止形の直後に付随する語形となります。
それまで述べてきた内容を前提として、「けれども」という接続詞を踏まえてその後に述べる内容が本意である旨を伝える表現として認められ、前述の内容はその本意を効果的に伝えるための修飾的な意味合い・用法を持ち合わせます。
「けれども」の例文
日本語をはじめ各国の言葉を覚える際には、その言葉を例文に当てはめた上で実際に活用して覚えることがベターです。そうして実践的に覚えることによって、1つ1つの言葉の意味合いや用法を多角的に理解することができ、さらに臨機応変に活用することもできるでしょう。
・明日は遠足の予定だけれども、今日の予報を見ていると明日は雨の確率が高いです。
・わたしは数学が得意だけれども、今回の受験はあえて文系科目を試験科目にしています。
・その場所は遠いけれども、新幹線で行けばすぐに着きます。
・髪が伸びたけれども、あえてこのまま伸ばしていきます。
・感謝祭には来なかったけれども、後日の記念会には来られました。
・インターネットはとても便利だけれども、個別情報が流出するのが怖いです。
・その壁は白いけれども、日光を当てると茶色く映ります。
話し言葉での「けれども」の使い方
基本的に「けれども」という言葉は文語表現でも会話表現でも変わらず、先述しました「けれども」という接続助詞の働きがそのまま活用される形で使われます。しかしこの「けれども」というのは一般的に「話し言葉」として認識されており、公式の書類や提示物では「しかし」や「見方を変えれば」など、別の表現が使われます。
・このようになりますが、見方を変えれば(けれども)このようにも想定できます。
・理科の実験はとても役立つ勉学です。しかし(けれども)実験環境が整っていなければとても危険な作業と言えます。
・文系科目は一般的に就職口が狭いと言われます。とは言っても(けれども)現代では多くの文系用の就職口が用意され始めました。
このように、「けれども」という言葉に代用できる表現をもって伝えられる言葉が多くあり、特にビジネス上のやり取りでは「けれども」という表現は極力避けられます。
「けれども」の意味と使い方
先述しましたように、「けれども」という言葉は「それまでの内容から逆接の内容を相手に伝える場合に用いられる表現」であるため、「けれども」を挟んだ前述と後述の内容はまったく正反対の内容であることがほとんどです。
しかし、その「けれども」を挟んだ前述の内容を承ける形で、後述ではその前述の内容を別の角度から見た場合の見解が述べられる場合もあり、この場合の「けれども」の用法は「受動態のけれども」という活用・イメージになります。
・彼はこのように言っていましたけれども、大丈夫でしょうか。
・その手紙は彼女からの物らしいけれども、筆跡はどうもあやふやです。
・受験勉強を頑張ってきたけれども、どうもまだ自信がありません。
このように、逆接的な活用をする「けれども」とは違い、その後述では前述の内容を否定しない表現が取られます。
「けれども」の類義語
日本語を覚える際には、その言葉の関連語をワンセットで覚えることがとても効果的で、そうして覚えることによって1つ1つの言葉の意味・活用をさらに深く理解することができます。
・しかし
・とは言っても
・それでも
・それでもなお
・だけど
・結局は
・ところが
・どっこい
・だが
・それなのに
・にも関わらず
・さりとて
・かと言って
これらの言葉が一般的によく使われますが、どの言葉も「前述の内容から見て逆接的な内容を後述で伝える表現」として認められ、これらの用語はビジネス用語でも日常用語でも多くの場面で使われています。
ビジネスでの「けれども」の使い方
ビジネス用語において「けれども」と言うのは、特に会話表現ではタブーとされ、たいていの場合は「しかし」や「見方を変えれば」、「○○にも関わらず」、「ですが」などの言葉に置き換えられて使用されます。
しかし文面書類などでは「けれども」という表記も散見される場合があり、現代ではビジネス用語にしても「わかりやすさ」を重視する形で「やわらかい表現」がメインになりつつあります。
・先述にお渡しました企画内容は非常によかったです。しかし、Bプランにつきましては、別の企画をご用意してください。
・○○案件につきましてはよかったのですが、△△案件につきましてはまだ検討の余地があるかと考えます。
・設備投資は十分に潤いましたが、今後のプランを見直しますと、さらなる経済促進が必要とされます。
初回公開日:2018年04月08日
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