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「前略」の意味と使い方・例文5コ・使う時の注意点

更新日:2024年01月24日

手紙によく使われる言葉として「前略」があります。正しく使うことができれば便利な表現ですが、使い方には注意が必要な部分もあります。今回は前略の意味や使い方をご紹介いたします。実際に前略を使用した例文もあわせてご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

「前略」の意味

「前略」と聞いたときに、「手紙を簡単に書き始めるときの決まり文句だ」という程度の理解はできていることでしょう。「前略」の意味を簡潔に説明すると、「手紙で、あいさつを省いて用件を述べるのを、『あしからず』と断る語」ということです。

そのほか、「文章引用の際に前の部分を省略すること」という意味として使われることもあります。

結語「草々」の意味

「草々」は、「手紙の末尾に書いて簡略をわびる語」の意味で用いられます。「草々」を手紙の結びとして使用する場合は、手紙の書き出しは「前略」や「冠省」で始めます。

「草々」には、手紙の結びとしての意味以外にも、「忙しいこと。あわただしいこと」「簡略にすること。粗末であること」といった単独の意味もあります。

「草々」と「早々」の違い

パソコンなどで、「そうそう」と入力して変換すると、「早々」も「草々」も変換候補として表示されます。字面も似ており、どちらを使うべきか迷う人もいます。「早々」は「はやばや」とも読め、「早く。直ちに」という意味で使われます。「草々」は「簡略を詫びる結び」として用いられる語、「早々」は「早いことを伝える言い出しの語」という違いがあります。

「前略」の使い方

「前略」は、手紙の事項の挨拶の部分を省略して、いきなり本題から入る際に使います。「前略」は、多少儀礼を欠くことになるので、主に親しい間柄の相手に送る手紙などに用いる表現です。目上の方などへの手紙には、使わない方が無難です。「無礼ですがあわてて手紙を出しました」という気持ちを伝える場合には、目上の人に対しても使うことがあります。

「前略」を使うケース

きちんとした時候の挨拶を書かずに、「前略」から手紙の本題を書き出すケースとして考えられるのは、大きく分けて次の2パターンといえます。「親しい間柄なので、煩わしい時候の挨拶は割愛してしまいたい」という場合と、「時候の挨拶をする時間も惜しんでとにかく本題を伝えたい」という場合です。ここでは、「前略」を使う状況別に文例を交えてご紹介します。

時候の挨拶を省く場合

たとえば、学生が実家の家族に対して手紙を書く場合のことを考えてみましょう。「新緑も深まり、街には軽やかな服装のひとが増えるこの季節、家族の皆さまはいかがお過ごしでしょうか」とでも書き出せば、家族は目を見張ることでしょうが、堅苦しさは否めません。「前略 家族の皆さま、お元気ですか」と手紙を書き出せば、家族に対する親しみも感じられます。

相手の安否を気遣う文を省く場合

手紙の冒頭に「お元気でお過ごしでしょうか」といった、定形の挨拶を書くことがふさわしくないときにも「前略」で書き出します。急迫した思いを相手に伝える状況の場合も、時候の挨拶を割愛して「前略」を使うのが適当です。

「前略 ○○様のご病気のことを耳にし、取り急ぎ筆を取っている次第です」と書き出せば、心配しているという気持ちが伝わります。

急ぎの用件

安否確認の場合と同じく、「急いでいる」ことを相手に伝えたい場合も、「前略」で書き始めます。「前略 取り急ぎ、状況について報告させていただきます。」のように書き出すことで、とにかく急いで用件を相手に伝えたいのだという気持ちを、伝えることができます。緊急を要する内容のときは、時候の挨拶を長々と書くことの方が非礼にあたるので「前略」が適当です。

用件のみを伝えたい場合

用件のみを伝えたい場合も「前略」から書き始めます。連絡や報告を簡潔に伝える書き方です。ただし、同じ「連絡」や「報告」でも、お客様などに対して行う場合は、失礼にあたることもあるので、注意が必要です。

「前略 ○○の件についてですが、やはり別のグループで検討していることが判明しました。」のように、事務的な手紙に適した書き方です。

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初回公開日:2017年10月18日

記載されている内容は2017年10月18日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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