「前略」の意味と使い方・例文5コ・使う時の注意点
更新日:2024年07月07日
「前略」を使って書き出しておきながら、時候の挨拶を入れたり、本文に無駄な表現を多用するのは、矛盾のある使い方です。「前略」で書き出した文章では、伝えるべき内容を絞り、もっとも簡潔に表現する必要があります。伝えるべき内容に多くの情報を付加したい場合は、「追ってご連絡します」と書き添え、後日あらためて連絡するようにします。
相手が目上の場合は注意する
「前略」とは、簡略な書き方なので、目上の人に対して送る手紙の書き出しとしては、本来ふさわしくありません。書きなぐった手紙を送るイメージです。しかし、「とにかく急いで書きました」という内容の場合には、目上の人に送っても許されることがあります。目上の人に「前略」を使う場合は、「前略 失礼いたします」という形で、非礼を謝ったうえで書き始めます。
マナーを意識した手紙を、あまり書いたことがないという人は、まず、手紙の書き出しと結びのルールについて覚えましょう。「手紙とハガキの書き出しと結び」を参考にして、前略から始まる手紙を書いてみましょう。
参考:手紙とはがきの書き出しと結び
「手紙とハガキの書き出しと結び」を一読し、日本語のルール・マナーに則った手紙を書く練習をしましょう。きちんとした手紙からは、知性が感じられます。周囲の人からは、一段上の大人の振る舞いと認めてもらえることでしょう。
ケース別 頭語/結語の使い分け
ここでは、「前略」以外の「頭語/結語」の使い方をご紹介します。きちんとした手紙の書き方としては、「頭語/結語」の組み合わせは多数あり、状況に応じた表現もそれぞれひとつではありません。ここでは代表的な「頭語/結語」の組み合わせをご紹介します。手紙を書く際の状況に合った「頭語/結語」の使い方を覚えましょう。
一般的な手紙の場合
もっとも一般的な手紙の書き始めは「拝啓」、書き終わりは「敬具」で結びます。「拝啓」のあと、時候の挨拶を書き、改行して本文を始めます。本文の最後には、結びの言葉となる「ご自愛のほどお祈り申し上げます」などを記載したうえで改行して「敬具」で締めます。手紙の構成は、「拝啓」「時候の挨拶」「本文」「結びの一文」「敬具」という形式になります。
丁寧な手紙の場合
丁寧な手紙の場合は「謹啓」で書き始め、「謹言」で結びます。手紙の書き方は「拝啓/敬具」と同様に、「謹啓」「時候の挨拶」「本文」「結びの一文」「結語」という形式で構成します。
前文を省略する手紙の場合
時候の挨拶を省略して、前文となる部分を簡略化したい場合は、「前略/草々」が使われます。「前略/草々」以外にも、「冠省/不一」を使って、前文を省略した手紙を書くことができます。文章は、「前略/草々」と同じ構成にします。
急用の手紙の場合
急用の手紙の場合は、「急啓/草々」を使います。「急呈/不備」を使うこともできます。どちらの場合も、文章は「前略」の場合と同様に「時候の挨拶」を省いた構成で記述します。「急啓」「本文」「草々」という構成で手紙を書きます。
返信の手紙の場合
返信の手紙では、受け取った手紙の「頭語/結語」を受けた形となる「頭語/結語」を使うのがベストです。返信の際は、「拝復/敬具」「謹復/敬答」が使えます。受け取った手紙が「拝啓」で書き出されていたら「拝復」を、「謹啓」で書き出されてたら「謹復」を使って返信しましょう。
再信の場合
初回公開日:2017年10月18日
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