「当方」の使い方とは?意味やビジネスにおける例文もあわせて紹介
更新日:2024年09月01日
前述したように、「当方」は「こちらの方」という自分を含めた複数人を指します。その為自分1人だけ、個人を指して使うことはできません。
ビジネスなど公の場において自分ひとりを指す場合は、性別を問わず「私」を使うのが適切です。特に口頭の場合は、「わたし」ではなく「わたくし」を使うとより美しいです。
また、「私」以外の一人称として「僕」や「俺」などがあります。ただしこれらは同僚との会話、あるいはプライベートでの使い方に限ります。「僕」「俺」をビジネスの際に使うのは適切ではありません。
さらにごく稀に「自分」という一人称を使う人もいますが、これは一人称として正しくないので使うにしてもプライベートにとどめてください。
自社内で使わない
最初に書いたように「当方」は自分の属している方を示す一人称です。その為他社などに対して使う言葉で、自社内では使いません。
自社内で「当方は」と使うのは不自然なので、「我が社は」「当課は」などに言い換えてください。例えば自分の部署を指す際に「当方は」と言うと、自分の部署だけなのか他に含む部署があるのかがわかりにくいです。なのでそう言った際は「当部署は」と明確に伝わるようにしましょう。
男性か女性かは問わない
「当方」は男女問わず使える一人称です。
男性でも女性でも関係なく、ビジネスシーンにおいても使うことができます。
「当方」の類語・言い換え表現
「当方」と似ている言葉に「弊社」「我が社」「私ども」などがあります。「当方」と同じように一人称として使える言葉です。それぞれどういった場面で使える言葉なのか、「当方」との違いを説明します。
「弊社」
弊社(へいしゃ)は自分の会社をへりくだって言う言葉です。
カジュアルに言うと、「うちの会社」という意味です。ビジネスシーンで「うちの会社は」と言ってしまうとプライベートな雰囲気が出てしまう為、「弊社は」と言います。「当方」と違い、「弊社」は明確に自分の会社を示す言葉です。
以下、例文になります。
- 日頃より弊社の商品をご愛顧いただきありがとうございます。
「我が社」
「我が社(わがしゃ)」も「弊社」と同様に自分の会社という意味を持ちます。
「我が社」にはへりくだったニュアンスが無い点が「弊社」とは異なります。また、社外で使用する表現である「当方」に対して「我が社」は自社内で使用する表現です。このように細かい使い分けがあります。
以下、例文になります。
- この技術は我が社の強みです。
「私ども」
「私ども(わたくしども)」という表現は簡単に言うと私たちという意味です。
辞書的には「わたくし」「わたくしたち」という意味合いになり、「私たち」をへりくだって言う表現です。現在では単数である「わたくし」を「私ども」と使う人は少なくなってきており間違った使い方のように勘違いされる場合があります。複数である「わたくしたち」を「私ども」と表現するのが一般的です。
「私ども」は「当方」と同様に個人ではなく自分の所属する組織を示す時に使用できます。
以下、例文になります。
- この度は私どもの不手際により多大なご迷惑をお掛け致しまして申し訳ございません。
「手前ども」
「手前ども(てまえども)」は自分を含む複数名をへりくだって言う表現です。
「私ども」と同様に「私たち」をへりくだって言うと「手前ども」になります。「手前」とは一人称の代名詞で、自分自身のことをへりくだって言う丁寧な言葉です。
また、「手前ども」はビジネスシーンにおいても使用ができます。へりくだって言う言葉なので目上の人や取引相手に対して使用します。
以下、例文になります。
初回公開日:2017年11月02日
記載されている内容は2022年11月14日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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