「お含みおきください」の意味と使い方|シーン別から見る例文も紹介
更新日:2024年08月22日
口止めを強いるときに使う
「お含みおきください」は、本来は、相手に対して理解を求めるための丁寧な言葉です。ただし、使い方によっては、また違った意味を持つ言葉になってしまいます。
この言葉が「牽制」の意味合いを持つことは既述しましたが、それだけではありません。「お含みおきください」は、話の流れによっては「口止め」を強要することになります。言い回しは柔らかでも、非常に強い意味になりますから、使い方には注意しなければなりません。
忖度を強いるときに使う
「お含みおきください」は、使い方によっては、この言葉が持つ本来の意味ではなくなることがあります。
「お含みおき」が指す内容、つまり、何を喋ったか、何を語ったかによって、あとに続く「お含みおきください」は、「忖度」を強いる意味合いを持つ言葉になってしまいます。
シーン別から見る「お含みおきください」の例文
「お含みおきください」という言葉がどのようなケースで用いられるのかわかっても、具体的な使い方が分からないという人も多いでしょう。
ここではシーン別から見る「お含みおきください」の例文を紹介していくため、参考にしてみてください。
注意喚起するときの例文
「大雪のため、電車の運行ダイヤが乱れておりますことを、お含みおきくださるようお願い申し上げます」
例えば、駅などに上記のような文言が掲げられることがあります。電車が通常どおりの運行でないことを詫びると同時に、「ダイヤが乱れているから気をつけてくださいね」という注意喚起です。
「お願い申し上げます」を添えてより丁寧な言い回しながら、「こちらは事前にちゃんと伝えましたよ」とクレームを牽制する意味もあります。
契約内容の確認を促すときの例文
「○○マンション○○○号室賃貸契約書に記載された内容をご確認のうえ、各種契約条件などをお含みおきください」
例えば、賃貸マンションなどの契約内容を記した約款には、上記のような文言が必ず含まれています。「契約内容をよく確認しておいてくださいね。ここで念を押しておきますよ」という意味が込められています。
「お含みおきくださるようお願いいたします」など、より丁寧な言い回しになっていることもあります。
消費者に向けた商品説明をするときの例文
「万が一故障した際は、ご購入から1年未満は保証期間となりますので無料で修理させていただきますが、1年以上経っている場合は有料となりますので、お含みおきくださいませ」
例えば上記のように、商品の取扱説明書などには、扱い方法、安全面、保証期間などについて綴ったあと、消費者に対して念を押す意味で、「お含みおきください」の文言が使われることがあります。「ませ」をつけることで、より丁寧な印象です。
取引先へのメールを送るときの例文
「突然で恐縮ではございますが、明日より1週間出張で不在となりますことをお含みおきくださると幸いです」
「本日より1週間出張で不在となります」のみだと、こちらの事情を一方的に伝えているだけの印象です。しかし、上記のように、「お含みおきください」を加えると、相手の理解を求めるお願いのフレーズに変わりますから、相手の心象も違ってくるはずです。
「幸いです」などをつけると、さらに丁寧な印象になります。
上司への連絡を行うときの例文
「本件については昨日のミーティングで申し上げたとおりです。どうぞお含みおきください」
例えば、上司から「◯◯の案件はどうなってる?進捗状況を報告してください」と言われたら、上記のような言い方をします。
単なる報告ではなく、「お含みおきください」をつけることで、「昨日から変わらない」ことを「わかってくださいね」と、理解を求める文言になっています。
口止めを強いるときの例文
「これまで申し上げた件に関しましては、まだ内々の決定で詳しくはお話しできないのですが、なにとぞお含みおきのほどを」
例えば、内密の話をしたあとで、上記のように「お含みおきのほどを」などと付け加えると、「この話は内緒にしてくださいよ」と口止めしているのと同じです。
言い方は丁寧ですが、「誰にも言うなよ」といった強いニュアンスになってしまいます。
忖度を強いるときの例文
初回公開日:2017年11月17日
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