「提示」の意味と使い方・類語・敬語表現・「呈示」との違い
更新日:2024年10月06日
「提示」の意味とは?
「提示」の意味は、「(条件・問題などを)その場に持ち出して、人に分からせる」です。「提」には「差し出す」の意味があり、「示」は「示す」=「見せる」の意味を持ちます。「差し出す」は「目の前に出す」ことで、「見せる」は「明らかに見えるようする」ことを表します。
以上のことを踏まえると、「提示」の意味が「その場に持ち出して、人に分からせる」である理由も分かります。
「提示」と類語になる意味を持つ言葉は?
「提示」の類語は、いくつか存在します。その中には「特定の場・状況」でのみ使えるものもありますが、言い換えの参考に見ておきましょう。
明示
「明示(めいじ)」は「明らかに示す」と書くように、「はっきりと示す」の意味を持つ言葉です。「提示」は「その場に持ち出して人に分からせる」の意味であり、「(条件・問題などを)持ち出して」ということが含まれているため、その点においては「明示」と「提示」は違う意味を表していると言えますが、「はっきり(明らかに=見えるように)示す」点では類語になります。
使い方ですが、多くの場合「はっきりと示すべきことを示した時」に使います。たとえば、「消費期限を明示する」や「引用元を明示する」などの使い方をされます。「明示」=「はっきりと見せる」の意味だと覚えておき、その意味通りのことを示す時に使ってみましょう。
表示
「表に示す」と書く「表示(ひょうじ)」は、よく見かける言葉です。「表示」は3つの意味を持っています。1つ目は「はっきりと表し示す」で、2つ目は「図表にして示す」です。そして、3つ目は「兆し・兆候」の意味になります。
「その場に持ち出して人に分からせる」の意味を持つ「提示」の類語になるのは、1つ目の意味「はっきりと表し示す」です。「表し」は「表す」の連用形で、「表す」は「表に出す・表現する」ことを意味します。つまり、「表示」=「見えるようにする」の意味になります。「提示」が持つ、「分かるように見せる」という点が同じです。
使い方は、「パッケージに検査済みの表示をする」などがあります。意味には「はっきりと表し示す」とあるため、「明示」のように「はっきり・明らかに示す」ことを表す時に使います。
標示
「標示(ひょうじ)」は「表示」と同音語ですが、意味は異なります。「表示」の意味は「はっきりと表し示す」でしたが、「標示」が持つ意味は「目印を用いて人に表し示す」です。「目印」になるものは「文字・記号・絵」などで、これらを用いて「表し示す」ことを「標示」と言います。
「分かるように記号を提示する」など「文字・記号・絵などの目印」を使って「表し示す(見えるように・分かるようにする)」ことを表す時には、「標示」を言い換え表現として使うことができます。
交通の中などで大事な「標識」は「目印として設置したもの」のことで、「目印」は「他のものと同じにしないようにするための印」を意味します。「標識」=「その道が他の道とは同じではないことを意味する印」であり、「ここ、これは何なのか」を識別できるように「文字・記号・絵」などを使って「はっきり見せる」ことが「標示」です。
内示
「内示(ないじ)」は、ビジネスシーンで使用されることがあります。「内で示す」と書く「内示」の意味は、「公式ではなく内々に示す」です。「公式」は「おおやけ(個人ではなく組織や世間に関わる)の方式」や「それに則り物事を行う」の意味を持ち、「内々」は「個人・限られた領域」を意味します。
つまり、「内示」=「個人や限られた領域にいる人に示すこと」です。ビジネスシーンでは「転任の内示を受ける」などの使い方があり、この文では「個人的に転任が知らされた」ことを表しています。「提示」は「公式ではない」意味を含まないため、「示す」こと以外では同じ点がないと言えます。「内々」で「示す」時には、「内示」を用いると良いでしょう。
指示
「指示(しじ)」は「指し示す」と書きますが、「指す」は「指で示す」ことを表しています。「指示」が持つ意味は2つありますが、「指で指す」様子の通り「物事をそれと指し示す」と「指図する(命令)」の意味です。「提示」の類語になるのは前者の意味「物事をそれと指し示す」ですが、一般的には「指図する」の意味で用いられることも多いです。
「提示」と類語になる意味「物事をそれと指し示す」で使う場合は、「地図で位置を指示する」などの使い方をされます。「指を使って物事の存在を分かるようにする」ことを表す時に、「指示」を使うことができます。
例示
「例示(れいじ)」は「例を示す」と書く通り、「例として示す・例を示す」の意味があります。もう1つの意味として「(文法で)例として示す言い方」もありますが、「提示」の類語になる意味は前者の「例として示す・例を示す」です。
「提示」するものが「何かの例・たとえ」である場合には、「例示」という言葉を使うことができます。例文には「解答を例示する」などがあり、「たとえばこういうこと、こうするとこうなる」といった「例」を「示す」時には「提示」ではなく「例示」を使っても良いでしょう。
初回公開日:2018年03月08日
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