「堪能する」の意味と使い方・類語・例文・満喫するとの違い
更新日:2024年11月22日
敬語で使うときは丁寧語の「ご」をつける。
「堪能する」という言葉を敬語に置き換えたいときは、「堪能」の前に敬語で丁寧語にあたる「ご」を前につけて、「ご堪能」という形にします。ですので、「堪能する」を丁寧語を使って単純に敬語にすると、「ご堪能します」となります。
ただし、通常「堪能する」という言葉を敬語に直す時は、「堪能する」という言葉をそのまま敬語にすることはありません。敬語は「相手がいるときに使う言葉」ですが、「堪能する」と「相手がいるとき」に伝えるときには、感想(過去のこと)として伝えることが多いからです。
それでは次に、「堪能する」を場面での敬語の表現について、いくつか見てみましょう。
自分が「堪能した」というとき
例えば、自分がどこかに招いてもらって、そこでの様子を聞かれたときに、「とても満足しました」という時には、「する」を謙譲語の「いたす」に変えて、「堪能いたしました」と言うか、または単に丁寧語の「します」に直して「堪能しました」と言います。
ここで、敬語の丁寧語と謙譲語の違いについて確認しておきましょう。丁寧語は「どんな相手にも使える丁寧な敬語表現」のことです。ですので、「堪能する」で例えると、旅館の方に「こちらでは楽しめてますか」などと聞かれたときなどは、丁寧語で応えて良いでしょう。
一方、謙譲語は「自分や自分に関わることをあえてへりくだっていうことで、相手の方に敬意を示すときに使う敬語表現」です。ですので、例えば社内旅行を上司の方が組んでくれたときに感想を聞かれたときは、丁寧語よりも敬意を示せる謙譲語を使って、「堪能いたしました」と応えるのが良いと言えるでしょう。
相手の方に「堪能できる」と伝えたいとき
「堪能する」ことができるということを、誰かに伝えたいときは、丁寧語を使ってシンプルに「ご堪能できます」と言います。また、「堪能してほしい」と言いたいときも、「丁寧語」で「ご堪能ください」と表現します。
「ご堪能なさってはいかがでしょうか」という呼びかけ
よくテレビや雑誌で、「ご堪能なさってはいかがでしょうか」という呼びかけを見聞きします。これは人にあることをおすすめするときに使われる呼びかけですが、実はあまり正しい勧め文句ではありません。
というのも、「なさってはいかがでしょうか」という言葉は、「したらどうですか」という意味のフレーズだからです。堪能できるからおすすめしたいのに、「堪能したらどうですか」という表現では、それを勧める人が本当は「勧めていること」に対して良いと思ってないように、受け取られる可能性があります。
ですので、「ご堪能なさってはいかがでしょうか」という言葉が、敬語の誤りがあるわけではありませんが、本当におすすめしたい、というときには、「ご堪能ください」というのが正しい表現です。ちなみに、「ご堪能してみてはいかがでしょうか」という表現は、丁寧語と尊敬語が混用している誤った表現ですので、注意が必要です。
どうして「なさってはいかがでしょうか」と言ってしまうの?
では、おすすめしていることが曖昧になってしまう、「ご堪能なさってはいかがでしょうか」という呼びかけが、なぜ広く使われているかというと、「ください」という表現が少し、高圧的な印象のある表現だからです。
例えば、誰かに何かお願いするときのことを想像してみましょう。「〇〇してください」と言われると、受け手側はこちらに拒否権がないような感じがします。これと同じで、「ください」という表現を使うと、「そうしなくてはいけない」というような雰囲気があります。
ですので、「ご堪能ください」より、「ご堪能なさってはいかがでしょうか」という方が、「堪能することもできるけど、どうするかはあなたの自由ですよ」という雰囲気があるので、多くの人に好まれていると言えるでしょう。
「堪能する」の方言での言い方
「堪能する」という意味の方言はあるのでしょうか。この項では「堪能する」という意味を持つ方言をいくつかご紹介します。
ぐっつり、ぐっつら
こちらは新潟の方言「新潟弁」で、「たくさん」や「いっぱい」という意味のある言葉です。「堪能する」が「充分足りていること」と意味を持つので、「新潟弁」で「たくさんある」「いっぱいある」と言う意味の、「ぐっつり/ぐっつら」が当てはまるでしょう。
「昨日はぐっつりお食べたなぁ」と言うような形で使います。
くっつりする、(くっつりくる)
こちらは石川県の方言「金沢弁」で「満足する」、「満たされた気持ちになる」という意味を持つ言葉です。こちらも「堪能する」の「充分足りている」という意味と同じ言葉です。「くっつりきた(落ち着いた、満ち足りた)」「くっつりする(満足する)」というような形で使います。
ほげほげ
初回公開日:2018年03月14日
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