「励行」の意味と使い方・類語・読み方・例文・対義語|敢行
更新日:2024年06月19日
違いは?
「励行」の意味は「規則や決めた事柄の通りに実行すること」でしたので、「悪条件を押し切って行うこと」を意味する「敢行」とは表していることが似つかないことが分かります。「励行」も「敢行」も「決めた内容を曲げずに貫き行う」ことを意味する点では同じですが、その「行い方」に明らかな違いがあります。
「励行」は「規則などの決めた事柄」に対して反することなく、「決めた事柄の通り」に実行することを表します。一方の「敢行」は「悪条件を押し切る」ことをして、実行する様子を言います。大きな違いは、「決めた事柄に悪条件が存在するのか」です。
「悪条件が存在する」場合は「その悪条件を押し切る」意味を持つ「敢行」を使用し、「悪条件が存在しない」場合の「決めた事柄を実行する」に対しては「励行」を用います。たとえば、反対を受けながら実行する場合は「敢行」、毎日の習慣を決めて(反対のない中)実行する場合は「励行」です。
「励行」の対義語になるのは?
「励行」の意味は「規則や決めた事柄の通りに実行すること」でしたが、対義語になる言葉は何でしょうか。確認しておきましょう。
違反
「違反(いはん)」は、「ルール違反・規約違反・交通違反」などの形でよく見かけます。意味は「法規・契約・協定などに背く」で、「背く」は「反する」と同義です。「励行」は「規則や決めた事柄の通りに実行すること」なので、「決めた事柄の通りに実行しない」ことを表す「法規などに背く」を意味する「違反」は対義語になります。
違背
「違背(いはい)」の意味は「規則・命令などに背く」で、「違反」と同じ使い方をされることが多いです。「背く」は「反する」と同義なので、「違反」と「違背」が同じ扱いになることも分かります。意味から察するに、「違背」の方が「命令」などの「その場における絶対的なこと」に対して使用できる印象ですが、同じ扱いだと考えても特別な問題ありません。
不法
「不法(ふほう)」の意味は、2つあります。1つは「法に違反している」、もう1つは「道理や道義に背く」です。「励行」の対義語になる意味は前者の「法に違反している」で、これは「違反・違背」と同義と言えます。後者の意味は、言い換えると「無法・理不尽」になります。
非合法
「非合法(ひごうほう)」は、「法律で定められていることに違反する」という意味を持ちます。また、「法律で許される範囲を越えている」ことを表す時にも使用できます。「違反・違背・不法」と同義語になると言えますが、「非合法」は「法律に対して使う」ことが基本です。
怠惰
「怠惰(たいだ)」の意味は、「怠けてだらしない」です。「励行」は「規則や決めた事柄の通りに実行すること」を意味しますが、それは「怠けない・怠らない」ことにつながります。そのため、「怠けてだらしない」=「行おうとしない」の意味で「怠惰」を「励行」の対義語に挙げました。
怠慢
「怠慢(たいまん)」は、「当然するべきことをしない」の意味を持ちます。意味は「怠けておろそかにする」の表現で説明されることもあり、この意味は「怠惰」と似ていますが、「怠慢」には「当然するべきことを」という要素が含まれます。「怠惰」は「だらしのない怠け」の様子を表しており、「怠慢」は「するべきことをしない」様子を表しているということです。
「怠慢」は「怠慢な行政」や「職務怠慢」といった形で使用されるため、「規則や決めた事柄の通りに実行しない」理由が「怠け」である場合は、「怠惰」よりも「怠慢」の方が対義語に適していると言えます。
横着
「横着(おうちゃく)」の意味は、2つあります。1つは「するべきことを故意に怠ける」で、言い方を換えれば「できるだけ楽して済まそうとする」ことを言います。もう1つは「わがままで図々しい(ずるい)」なので、「励行」の対義語になるのは前者の意味です。
「怠惰・怠慢」と同様に「怠ける」の要素が含まれていますが、「横着」には「故意に」とあります。「怠慢」や「怠惰」も「怠ける」理由は私的なものになりますが、「横着」で表される「怠ける」の方が「わがまま」な印象です。
初回公開日:2018年03月13日
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