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「手許」の読み方・手許の現金の使い方・元手との違い|資金

更新日:2024年08月29日

知っているようで知らない言葉、きちんと理解できているか曖昧な言葉、勘違いしている言葉は意外とたくさんあります。例えば「手許」もそうです。その読み方から、意味、類語だけでなく、場面に応じた正しい「手許」の使い方をご紹介していきます。

手許の現金の増やし方

会社を経営している人、自営業の人は「手許」というと「手許現金」をイメージされるでしょう。商売をしていると、当然売上を伸ばすことをまず考えなければなりません。しかし、そこだけに目を向けているわけにはいかないのが経営者という立場にある人たちです。

とにかく売上額を伸ばそうなど、売上にだけ目がいきがちですが、経営者は、「利益率」をきちんと考えなければいけません。しかし、どんどん売り上げが伸びている中では、「利益率なんて眼中にない」となりがちです。

消費者は安価でより高品質のものを求めます。一昔前なら、薄利多売という言葉のような商売が成り立っていました。少しでも安くすれば大量に売れていきました。でも、残念なことに、安くすればいくらでも売れるという時代はもう終わっています。それではどうすれば良いのでしょうか。

資金とは

ある活動目的を支えるためのお金を資金といいます。新しく事業を始めたり、会社を経営するために使われるお金のことです。「自己資金」「運転資金」「事業資金」「創業資金」などは目にしたことがあるのではないでしょうか。

「最近、業績がよくないから赤字を補てんするための運転資金が欲しい」「ここさえ乗り切ればお金が入ってくる見込みがある」という場面では、まず自己資金を使うことを考えるでしょう。それが足りなければ銀行などから融資を受けることになります。

しかし、運転資金を簡単に貸してくれる銀行はなかなかありません。貸し倒れをおそれ、貸し渋り状態にあるからです。銀行へ融資をお願いすると、まずは自己資金の額、担保の評価額を確認されます。それがクリアできたら、返済計画です。二重にも三重にも高いハードルをクリアしなければ融資を受けることができません。

手許の現金を増やすには

そこで、経営が苦しくなる前に、会社の資金を増やすこと、特に手許の現金を増やすことを考えなければなりません。手許に現金があれば、安心材料にもなります。

手許の現金を増やすにはお金のまわりが良い経営をする必要があります。そのためにはいくつか方法があります。売り上げを伸ばすこと、無駄な支出をなくし支出を減らすこと、受け取りと支払いのタイミングを考えることなどです。

ですが、何もせずに売上を伸ばすことはできません。仕入れのためのお金や新聞広告・ネット広告などの広告費などが先に必要になるからです。いくら売り上げを伸ばしても、利益が変わらないようでは手許の現金は増えません。

では手許の現金を増やすにはどのようにすればよいかというと、値引きをしないことです。値引きをすると、それは売上額の減少、言い換えれば支出の増大となります。

高い値段で売ることのリスク

値引きをしないということは、高い値段で売るということではないかと感じる人もいらっしゃるでしょう。少しでも安くしなければ売れないのではないかと考えがちですが、実はそうでもありません。

安かろう悪かろうよりも、少々高くても品質が高いものを選ぶ消費者が増えてきています。「高い代わりにこれだけのサービスがあります」とか、「この部分にこだわりました」という明確なセールスポイントがあれば、高い値段でも顧客は満足してくれます。

顧客満足度をあげること、顧客に会社のファンになってもらうことが、利益率をあげ、ひいては手許の現金を増やす大きなポイントとなります。売上の額だけでなく、利益率を冷静な目でみてください。そうすれば手許の現金が増え、従業員への給料もあがり、良いサイクルがうまれていきます。

「手許」の読み方

ここまででたくさん「手許」という言葉がでてきましたが、正しく読めていますか。「しゅきょ」ではありません。もちろん「てきょ」でもありません。

「手」の読み方は、音読みが「シュ、ズ」、訓読みが「て、た」です。「許」の読み方は、音読みが「キョ、コ」、訓読みが「ゆる(す)、ばか(り)、もと」です。

手の読み方が全部で4パターン、許の読み方が全部で5パターンあります。考えられる読み方の組み合わせは20パターンです。これを勘で当てるのはなかなか難しいでしょう。それではそろそろ正解発表にいきます。正解は「てもと」です。手も許もどちらも訓読みで読みます。

手許と元手の違い

それでは次に、誤認されやすい手許と元手について確認していきましょう。それぞれの意味をきちんとおさえておきたいところです。

手許とはこんな意味

それでは手許の意味についてみていきましょう。手許には①手の下、手の届くあたり②手で持つ部分、③手の動き、④生計をたてるためのお金や暮らし向き、⑤箸、⑥腕前や技量、⑦手許金の略という7つの意味があります。

いくつかの例文をあげていきます。①の意味では「手許にない」「手許に置く」、③の意味では「手許が狂った」、④の意味では「手許が苦しい」などがあります。「手許が狂った」は「狙いがはずれた」という意味です。

弓道をしていて、的と全然違う方向に矢が飛んで行った場合などに使います。「手許が苦しい」は「生活が苦しい」という意味です。生活が苦しいという直接的な表現よりも、手許が苦しいといったほうが少しぼやかした表現となります。

元手とは

手許と似たような言葉で元手というものがあります。「てもと」と「もとで」で、上と下を入れ替えただけではないかと思われる方もいるでしょう。元手とは、資金(事業を始めようとするときに必要な金銭)や資本(生活や利益を得るためのもととなるもの)という意味です。

おわかりのように、手許と元手では金銭的な意味では同じような使い方をする場合があります。しかし、例えば「商売は体が手許」とは言いません。「商売は体が元手」あるいは「商売は体が資本」といいます。元手は資本と同義語だと考えて良いでしょう。

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初回公開日:2018年04月10日

記載されている内容は2018年04月10日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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