「しかり」の意味と使い方・漢字・漢文・類語・敬語|確り
更新日:2024年10月13日
「叱り」の意味と使い方・例文
「叱り」と書く方の「しかり」は、「叱る」という動詞の名詞形です。「叱る」という動詞は通例目上から目下へなされる動作、「非を注意してとがめる」ことを指します。したがって、「叱り」は「叱る」の名詞の形ですから「非を注意してとがめること」という意味です。
「叱り」は単体ではあまり用いられません。多く「お叱りを受ける」の形で使います。例えば、「先生からお叱りを受ける」なら「先生から非を注意され、とがめられる」となるでしょう。
「しかり」を活用した漢文
「しかり」を活用した漢文を紹介します。「叱り」の方は漢文では用いられません。
虎以為然
読み方は「とらもってしかりとなす」で、「以為」は「と思う」という意味です。したがって訳は「虎は然りと思った」になります。ここで「然り」は「そのとおりである」という意味なので、それを踏まえると上の漢文は「虎はそのとおりであると思った」という意味になります。
虎以為然。
出典: http://manapedia.jp/text/1805 |
虎以つて然りと為す。
「しかり」の活用
「しかり」の活用を「然り」と「叱り」で区別してみてみましょう。「然り」はラ行変格活用の動詞であるため、活用します。
・未然形:しから
・連用形:しかり
・終止形:しかり
・連体形:しかる
・已然形:しかれ
・命令形:しかれ
「?り」は名詞なので活用しません。また、動詞「叱る」は活用し、以下のとおりになります。
・未然形:しから
・連用形:しかり
・終止形:しかる
・連体形:しかる
・仮定形:しかれ
・命令形:しかれ
「しかり」の類語
「しかり」の類語を「然り」と「叱り」に分けて見ていきましょう。
「然り」の類語として挙げられる言葉には、「そのとおり」や「確かに」などがあります。いずれも肯定するときに用いる語です。「然り」の意味が「そのとおりである」や「そうである」なので、その意味を持つ言葉はなんでも類語になりえます。
「また然り」の類語は少し異なり、「同じだ」「同様だ」となります。「地球は太陽の周りを回る。火星もまた然り」は「地球は太陽の周りを回る。火星も同様だ」と言い換えることが可能です。
「?り」の方は、「怒ること」、「とがめ」、「責め」などがあります。特に「とがめ」は「おとがめを受ける」の形でも使い、「?り」と使い方も似ているでしょう。
「しかり」の対義語
「しかり」の対義語を「然り」と「?り」に分けて見ていきましょう。
「然り」を肯定の返答、すなわち「YES」の意味で用いるとき、その対義語は「否」という語です。これは「いな」と読み、「NO」を表します。「然り」が文語表現であるように、対義語の「否」も文語表現です。「あなたは今寒いですか」に対して「否」と答えると、「いいえ、寒くはありません」となります。
「叱り」の対義語は「許し」であり、これも「お許しをもらう」などの形で使われるため、「叱り」と使用法が似ています。「ひどいミスをしたが、上司からお許しをもらった」は「ひどいミスをしたが、上司に許してもらった」という意味です。
「しかり」の敬語
「しかり」の敬語を「然り」と「?り」に分けて見ていきましょう。
「言う」が「おっしゃる」になる変化と同様のくくりでの敬語は、「然り」にはありませんが、「そのとおりである」「そうである」という意味の別の敬語表現を用いれば、敬意を持った言い方にできます。
「叱り」は「お叱りを受ける」の表現のように「お叱り」とすることで敬語になります。「上司からお叱りを受ける」を敬語にするなら「受ける」を敬語に直して「上司からお叱りをいただく」などとすればいいでしょう。
以下は「然り」と書く方の「しかり」の敬語です。
おっしゃるとおりです
「おっしゃるとおりです」は「そのとおりである」という意味の「然り」を敬語表現にした言葉です。目上の人に「今日は寒いですね」と問われて敬語で肯定の意思を返答するなら、「おっしゃるとおりです」となります。
さようでございます
「さようでございます」は「そうである」という意味の「然り」を敬語表現にした言葉です。目上の人に「あなたは男ですか」と問われて敬語で肯定の意思を返答するなら、「さようでございます」となります。「おっしゃるとおりです」と意味は近いのでこの場合は「おっしゃるとおりです」でも意味がとおります。
同様です
初回公開日:2018年05月25日
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