賜りますようはどんな意味?正しい使い方やシーン別での例文も紹介
更新日:2024年10月29日
必要以上の使用は逆効果
「賜りますよう」は丁寧表現には違いありませんが、よりフォーマルな表現なので、使用する場面や頻度には注意が必要です。
毎日顔を合わせる上司に対して、「○○の件についてご検討賜りますよう」「明日の打ち合わせにご出席賜りますよう」と使っていては嫌がられてしまうことでしょう。相手が目上の人だからといって、何でもかんでも「賜りますよう」でお願いしていたのでは、嫌味な人間だと思われてしまいます。
「賜りますよう」は特別な感謝や畏れ多いけれどお願いするという気持ちを伝える言い回しなので、会社のトップといった距離のある目上の人が相手の場合でも乱用はせず、状況によって他の表現に言い換えましょう。
「高配」など合わせる言葉によっては言い換えが必要
「ご高配(ご配慮)賜りますよう」という表現は、とても丁寧な言い回しのように聞こえますが、言葉の使い方としては間違っています。
「高配」や「配慮」は気遣いや気配りを意味する言葉なので、「ご高配賜りますよう」という言い回しは「私に気遣いをしてください」と言っているのと同義になり、非常に厚かましい人だと思われてしまいます。
自分に配慮してほしいという意味合いのことを伝えたいなら、「お引き立て賜りますよう」や「ご支援賜りますよう」といった表現に言い換える必要があります。
高圧的な言い方にならないように注意
「賜りますよう」は相手にお願いするという意味合いの言葉ですが、「~賜りますよう」で文章を終わってしまうと、上から目線で高圧的な言い方だと受け取られる恐れがあります。
「賜りますよう」には「お願いいたします」などの表現を付けて、丁寧なイメージになるようにしましょう。
「お願いすることをお願いする」となり、意味が重なってしまいますが、文章をやわらかくし、良い印象を持ってもらう方が大切です。
賜りますようの言い換え表現
「賜りますよう」の「賜る」は、「与える」や「もらう」の敬語表現である「くださる」や「いただく」をより丁寧にした言い回しです。
したがって、「賜りますよう」は「くださいますよう」や「いただきますよう」と言い換えることができます。
詳しく見てみましょう。
くださいますよう
目上の人であっても、日常的に距離が近い直接の上司や先輩に対して「賜りますよう」を使うのは慇懃無礼と取られて、丁寧な言い方をしたにも関わらず、悪い印象を持たれてしまいます。身近な人に対しては「くださいますよう」と言い換えて使いましょう。
使い方は以下のとおりです。
- お忙しいとは思いますが、明日の打ち合わせには、ぜひご参加くださいますよう、お願いいたします。
- お手数をおかけしますが、こちらのアンケートにご回答くださいますよう、お願いいたします。
いただきますよう
「いただく」は「もらう」の丁寧語であると同時に相手に対する謙譲表現でもあるので、目上の人に対しても使える言葉です。したがって、「賜りますよう」の言い換え表現として使うことができます。
使い方は以下のとおりです。
- 恐れ入りますが、お手元にお配りしました資料をご確認いただきますよう、お願いいたします。
- 時間が押してまいりましたので、迅速な議事進行にご協力いただきますよう、お願い申し上げます。
「賜る」と同じく「もらう」という意味の謙譲表現
「賜る」は「もらう」の謙譲表現のうちでも、フォーマルでかしこまった言い回しなので、日常的には他の言葉と言い換えた方が良い場面がたくさんあります。
「もらう」の謙譲表現はいろいろあるので、状況に合わせて使い分け、「賜る」と言い換えると良いでしょう。
ここでは4つの謙譲表現を紹介します。
拝受する
「拝受する」は「もらう」の謙譲表現なので、「賜る」と言い換えて使うことができます。
「拝受する」は謙譲語であるため、与える側の立場で使うことはできません。「見積書をお送りしましたが、拝受されましたか?」といった使い方は間違っているので、注意しましょう。
正しい使い方は以下のとおりです。
初回公開日:2018年10月23日
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