「誠にありがとうございました」の意味と使い方|ビジネスで失礼にならない敬語
更新日:2024年09月05日
ここでは、「誠にありがとうございました」を使ううえでの注意点を解説していきます。
先にも書いたように、「誠にありがとうございました」は過去形のため、基本的には終わったことに対して伝える感謝の言葉です。相手や状況によっては失礼にあたる場合もあるので、注意しましょう。
「まことにありがとうございました」に注意
同じ言葉でも、漢字と平仮名では相手に与える印象が変わってきます。
もちろん、平仮名表記でも間違いではありません。親しい友人や同僚に対して使うのは、問題ないでしょう。
ですが、ビジネスシーンで使うと砕けた感じになるので軽い印象を与えてしまいます。また、「ございました」と後ろは丁寧語を使っているのに、「まことに」を平仮名表記にしてしまうと、前後でバランスが悪くなってしまいます。
ビジネスシーンでは、漢字表記を使用するようにしましょう。
場合によっては堅苦しい印象を与える
「誠にありがとうございました」は、一般的に目上の人や上司に対して感謝を伝える言葉ですが、相手によっては堅苦しい印象を与えてしまう場合があります。
例えば、同じ上司でも年が近かったり普段から親しくしている場合などは、「ありがとうございました」で十分でしょう。伝える相手との関係性を考えて使い分けることができると、スマートな印象になるでしょう。
「誠にありがとうございました」の言い換え表現
感謝を伝える言葉は、他にも複数あります。ビジネスシーンでは同じ感謝を伝える場合でも、相手や状況に応じて使い分けることが必要になってきます。せっかく感謝の気持ちを伝えているのに使い方がそぐわないために、きちんと気持ちが伝わらなかったら残念ですよね。
ここでは、「誠にありがとうございました」を別の表現にした場合について、いくつか解説していきます。
心より御礼申し上げます
「誠にありがとうございました」よりさらにニュアンスを強めたいのであれば、「心より御礼申し上げます」を使うといいでしょう。「心より」には「心の底から」という意味があり、「申し上げます」は「言う」の謙譲語です。
そのため、「心より御礼申し上げます」は「心の底からありがたく思っています」という意味になります。強い感謝の気持ちを伝えるこのフレーズは、目上の人や取引先に使うことが多い表現でしょう。
同僚や後輩など親しい間柄の人に使ってしまうと、かなりよそよそしい感じになってしまうので使わない方がいいでしょう。
心(こころ)より の解説
1 自分の心がもとで。「秋はただ―おく夕露を袖のほかとも思ひけるかな」〈新古今・秋上〉
2 心の底から。心から。「―お礼申し上げます」
出典: https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E5%BF%83%E3%82%88%E3%8... |
厚く御礼申し上げます
「厚く御礼申し上げます」は、お礼状や手紙など文章で使うフレーズです。「厚く」を付けることにより、感謝の気持ちを強調しています。また、美化語、謙譲語、丁寧語で作られているので、とても丁寧な敬語表現になります。
ビジネスシーンでは、顧客や取引先などに「平素よりご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます」のように使われる表現です。目上の人に対して、より丁寧な感謝の気持ちを伝えるときにも使用できます。
心より感謝いたします
「心より感謝いたします」は、謙譲語と丁寧語になっているフレーズです。これもビジネスシーンでは、目上の人や取引先によく使われます。
ただ、「致します」というように漢字で使ってしまう人もいるのではないでしょうか。ここで注意しなくてはいけないのは「致す」は、自分から相手のために率先して行動する場合に使われる言葉だということです。
文章で使うことが多いこのフレーズは、平仮名と漢字では意味が違いますので、正しい使い方を覚えておきましょう。
感謝の念
「感謝の念」は「感謝の念に堪えません」や「感謝の念を禁じ得ません」というように使われることが多いフレーズです。「感謝の念」とは、その言葉どおり「ありがたいと思う感謝の気持ち」で、「堪えません」は「抑えられないくらい感謝しています」という意味になります。
強い感謝の気持ちを表現するフレーズになり、やや堅苦しさを感じる表現であるため、ビジネスシーンではメールや手紙などの文章で使うのに適しています。こちらも同僚や親しい間柄の人に使ってしまうと、距離を置かれているのではないかと誤解されてしまう場合もありますので気を付けましょう。
感謝の念
読み方:かんしゃのねんありがたく思い、感謝したいと感じる心持ち。感謝の気持ち。
出典: https://www.weblio.jp/content/%E6%84%9F%E8%AC%9D%E3%81%AE... |
恐縮です
「恐縮」とは、「身も縮まるほど恐れ入る」様子を表す言葉です。ビジネスシーンでもよく使われるフレーズですが、賞賛されたり高く評価してもらったときに謙遜の意味で使います。
また「恐縮」には謝罪の意味もありますので、相手に迷惑をかけたり手を煩わせてしまうときにも「大変恐縮です」や「恐縮ですが」のように使われます。
感謝と謝罪の両方に使える言葉ですが、目上の人に使う言葉ですので目下の人には使わないようにしましょう。
初回公開日:2017年08月06日
記載されている内容は2017年08月06日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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