敬語で「ご相談」は正しい?使い方や「ご質問」との使い分け
更新日:2024年10月04日
くどい敬語もNG
敬語に敬語を重ねて、敬語だらけの言葉を言えば敬意が表せて、聞いた者が気持ちがよくなるかと言うと、そういうわけでもありません。例えば、次のような例を見てください。
A ご心配な点は、何でも遠慮なくご相談くださいね。〇
B ご心配な点は、何でもご遠慮なくご相談くださいね。×
Bのようにあれもこれもに「ご」を付けると少しくどくなります。また、二重敬語といってひとつの言葉の中に敬語を二つ以上入れるのもNGです。例えば「ご相談になられる」などがそうです。「ご相談」も「なられる」も敬語なので、二重になっています。
また「ご相談させていただく」という表現にも誤りがあります。二重敬語になっている上に「させていただく」という表現は、相手に対して利益のあることでなくてはなりません。「相談」することに相手の利益はありません。
あまり敬語がくどいと慇懃無礼(いんぎんぶれい)といって、かえって失礼な印象を与えてしまいますからその辺は上手な判断が必要とされます。
「ご質問」と「ご相談」敬語ではどちらを使うべきか・使い分け
「ご相談」の使い方については今まで見てきた通りですが、似たような言葉に「ご質問」と言う言葉があります。「ご質問」も「ご相談」と同じように使ってよいのでしょうか?結論から申しますとこれはできません。下のふたつの文を見て下さい。
A 説明は以上です。何かご質問はありますか。〇
B 最後の部分で、ご質問があるのですが、今お尋ねしてよろしいでしょうか。×
Aは相手の質問なので、尊敬語として使うことができます。しかしBは、自分の質問で謙譲語として使うことはできません。これは意外と多く、ついやってしまいがちな間違いです。ネット上でも散見されますので注意が必要です。
「質問がある」を敬語にしたい場合は「質問」に「ご」を付けるのではなく「質問がございます」のように「ある」の方を敬語にすると良いでしょう。
敬語をスマートに使いこなそう
日本語の敬語の使い方は複雑で本当に難しいものですが、その反面奥が深くて話者同士の微妙な関係性を表すことができる大変便利なものでもあります。ビジネスや子供の学校など、常識や教養が重んじられる場面では、正しい敬語の使い方ができるのとできないのとでは、周囲の評価も大きく違ってくるでしょう。
せっかく正しい敬語を使っていても慣れない様子では、確実に相手に見抜かれてしまいます。日ごろから正しい敬語の使い方を知り、使うことに慣れておくといざと言う時にとても役に立ちます。さりげなくスマートに敬語を使えるようになって、ワンランクアップした社会人を目指しましょう。
初回公開日:2017年09月15日
記載されている内容は2017年09月15日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。