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「お聞きする」の敬語・「伺う」「お伺いする」との違い

更新日:2024年10月02日

「お聞きする」はビジネスシーンでもよく用いられていますが、「伺う」や「尋ねる」などもありますよね。全て「聞く」の謙譲語ですが、表している内容には少し違いがあります。その違いを把握して、適切な表現ができるようにしておきましょう!

「お伺いする」は、「伺い」に「お」と「~する」を付けた言葉です。意味は「伺い」および「伺う」に由来するため「聞く・尋ねる・問う・訪れる・訪問する」の謙譲語になりますが、「お伺いする」の言葉は、問題点として挙げられる要素をもっています。それは、二重敬語になっていることです。

「伺う」という言葉自体が謙譲語であり、それに「お」という丁寧語・尊敬語表現にあたる接頭語を付けることは、二重敬語の扱いになります。そのため、「お伺いする」は丁重語と呼ばれる丁寧過ぎる敬語表現になり、一般的なビジネスシーンで使用する言葉には向かないとの意見もありますが、現代においては社会的に許容範囲になっていますので、使用は可能です。

二重敬語および丁重語のことが気になる場合や、指摘を受ける心配がある時には、「伺います」というように「お」を付けない「伺う」を使用した表現を用いると良いでしょう。

「お伺いさせていただきます」も二重敬語

「お伺い」の時点で二重敬語とされますが、この程度であれば許容範囲です。そこに「させていただきます」を付けることが問題で、「いただく」は「もらう」の謙譲語になります。「お伺い」という謙譲語に「いただく」という謙譲語を組み合わせてしまうと、明らかな二重敬語が完成してしまいます。

また、「させていただく」という言葉には「相手に許可を求める・恩恵がある時に使う」という使い方を含めた意味が存在しています。つまり、相手に許可を求めなくても良い状況や恩恵があるわけではない状況において「させていただく」を使うことは違和感があるということです。

「お伺いさせていただきます」は二重敬語なので、実際に使用することはあまり好ましくありませんが、社会的な敬語の使い方における許容範囲内として使用する場合は、「相手の許可が必要な時」や「相手に感謝を生じるような時」に使いましょう。

「お伺いを立てる」とはどういうこと?

「お伺いする」は、「お伺いを立てる」の形で使用されることも多いです。この形にした場合は、「立場が上の人に問題が無いかの判断を確認する時」に使います。つまり、単に「聞く」ことを表す時に使うのではなく、(立場が上の人に対して)これで問題は無いかを聞く時に「お伺いを立てる」と言います。

「伺う」には「訪問する」などの意味もありましたが、「お伺いを立てる」の形では「訪れる・訪問する」の意味は当てはまらず、「聞く・尋ねる」の意味でのみ用いることができます。

「お聞きする」との違いは?

「お伺いする」の意味は「伺う」と同じなので、「お聞きする」との違いは「伺う」との違いにあったとおりになります。つまり、「聞く」ことだけを意味する「お聞きする」と比べて「お伺いする」には「聞く」の他に「尋ねる・問う・訪れる・訪問する」の意味もあるということです。

「お聞きする」と「お尋ねする」の違いは?

「伺う」の意味の中に「尋ねる」という言葉がありましたが、この言葉に「お」と「~する」を付けたものが「お尋ねする」です。「お聞きする」や「伺う」と同様に「聞く」の謙譲語として用いられていますが、「お聞きする」とはどのような違いがあるのでしょうか。確認しておきましょう。

お尋ねする

まず、「尋ねる」には3つの意味が存在しています。1つは「所在不明のものを探し求める」で、「どこにいるのか分からないものを探し求める」ことを意味します。たとえば「お尋ね者」という表現には、この意味が含まれています。2つ目の意味は「物事のおおもとなどを調べたり考えたりする」で、「手がかりを辿って物事の真実を調べる・考える」ことの意味です。

そして、3つ目の意味が「質問する」です。この意味が、「お聞きする」や「伺う」と同じように「聞く」の謙譲語としての意味になります。「尋ねる」が表している「聞く」は、「分からないことを人に問い聞く」です。単に「聞く」ことと「問い聞く」の違いは、「その音を感じ取る」のか「質問なのか」ということにあります。

「お聞きする」との違いは?

「聞く」ことは「音を感じ取る」ことであり、「問い聞く」は「質問をすること」だと言いました。「質問」というのは、「これはどうしてですか」や「あなたの名前は」などのことで、「知りたいこと」に関して相手に聞くことを言います。「聞く」ことには「知りたいから聞く」要素は含まれておらず、その「音」を「聴覚」という感覚機能で感じ取っていることを言います。

つまり、「聞く」は受け身です。そして「尋ねる」は、こちらが行動をした結果として相手の発言を聞くことになりますので状況的に受け身ではありません。ただ「聞く」のか、「言葉のやり取りを含むのか」という違いです。

ビジネスシーンでは、お客様となる相手などに質問をする機会が多いため、「尋ねる」が「聞く(=質問)」の謙譲語としてよく用いられています。「聞きたいことがある」意味では「お尋ねする」、「意見・話などを聞きたい」では「お聞きする」を使います。

「お聞きする」と「拝聴する」の違いは?

「拝聴する」または「拝聞する」は、「お聞きする」と同じく「聞く」の謙譲語ですが、これまでの言葉と比べて「敬意が高い」謙譲語になります。なぜ、数ある「聞く」の謙譲語の中で「拝聴する・拝聞する」が敬意が高いのかを含め、「お聞きする」との違いをご紹介していきます。

拝聴する

「拝聴する」は、「聴く」ことの謙譲語です。「聴く」は「聞く」と同音であり、意味的にも聴覚を使うという点でよく似ていますが、「聴く」は「注意して耳に入れる」の意味を持ち、「聞く」は「音を感じ取る」の意味を持ちます。「意識的によく聞く(=聴く)」のか「音を聴いて内容を知る(=聞く)」のかの違いです。

現代においては混同された使い方をされることが多くなっていますが、本来の使い方のことを考えると、「お聞きする」と同様の意味である「聞く」の謙譲語としては「拝聞する」の言葉が適していると言えます。どちらにしても現代では、「聞く」の謙譲語として許容範囲とされていることが多いです。

最も敬意が高いとされる理由

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初回公開日:2018年01月30日

記載されている内容は2018年01月30日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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