「まだ」の敬語表現・まだの使い方と例文・別の敬語表現
更新日:2024年07月28日
尊敬語として「お」や「ご」を付けるのは、相手の物事を指す言葉に対してです。
例
・お考え、お荷物、お体、ご予定、お時間、
などです。自分の物事を指す時でもそれが相手に関係のある事柄の場合も「お」や「ご」を付けます。
例
・ご連絡、お知らせ、ご報告、
などです。「お」や「ご」を付けない言葉もあります。すでに「お」や「ご」が付いているものや、「お」や「ご」を付けると響きがおかしくなる言葉です。
例
・ごはん、おかず、おやつ、ご機嫌、おにぎり、→すでに「お」や「ご」が付いています。
・学校、病院、会場、会社、場所、区役所、→「お」や「ご」を付けると違和感があります。
などです。
二重敬語は使わない方がいい
1つの単語に同じ種類の敬語が2つ以上入っている言葉を二重敬語といいます。間違いではありませんが、違和感があったりくどく感じたりしますので、特にビジネスの場では使わないことをおすすめします。
例
・拝見させていただきます→拝見+させていただく(謙譲語が二重)
・伺わせていただきます→伺う+させていただく(同上)
・いらっしゃられますか?→いらっしゃる+られる(尊敬語が二重)
・おっしゃられる→おっしゃる+られる(同上)
間に接続詞の「て」を入れて2つの文をつなぐ形式にしたものは「敬語連結」と言って二重敬語とみなされませんので、使ってもだいじょうぶです。
例
・ご覧になっていらっしゃる→ご覧になる+いらっしゃる(2つの尊敬語を「て」でつないでいる)
・ご説明して差し上げる→ご説明する+差し上げる(2つの謙譲語を「て」でつないでいる)
メールでの「まだ」の使い方
メールで「まだ」という言葉を敬語として使う場合の例を紹介します。「まだ」には5つの意味があります。
①その時点で実現していない状態
②以前と変わらない、継続している状態
③わずかしか時間がたっていない状態
④満足ではないが、いくらかましな状態
⑤他にも、さらにの意味、
です。ここでは①の意味の「まだ」の時の敬語使用例を紹介します。
①の場合の例
・「まだ決まらないですか?」→「そろそろお決まりになりましたか?」
・「まだ終わらないですか?」→「いつ頃終わるご予定ですか?」
・「まだ送ってないですか?」→「いつ頃送って下さるお考えですか?」
など、「まだ」という言葉を使うのをなるべく避けた方が相手に不快感を与えないで済みます。どうしても「まだ」と言わなければならない時はその前後の文を丁寧な言葉で挟んで少しでも「まだ」がキツく響かないように工夫しましょう。
古語での使い方
「まだ」という言葉は「未(いま)だ」という言葉が変化した言葉です。漢文を「未(いま)だ~ず」と訓読みしたことから、打消しの語を伴って使うようになりました。
源氏物語の中の「桐壷」の章に「まだ」を使った文があります。
「まだ大殿籠(おほとのごも)らせ給(たま)わざりけるを」
意味は、(帝がまだお休みになられなかったのを)です。
「まだ」を敬語で表現する例
「まだ」を他の言葉で置き換えずに敬語表現する時の言い方を紹介します。「まだ」と言うと相手に不快感を与えてしまうことがあるので、なるべく丁寧な言葉使いをして補いましょう。直接話す場合は表情や態度や声の調子などでも、へりくだった印象を与えるように意識しながら話しましょう。
「来ていない」と言う時
「まだ来ていない」という時の敬語での言い方をいくつか紹介します。
尊敬語で言う時
・「まだお着きになっていらっしゃいません」(敬語連結)
・「まだお越しになっていらっしゃいません」(同上)
・「まだいらっしゃってません」
謙譲語で言う時
・「申し訳ございません、まだ来ておりません」
「まだ」の別の敬語表現の例
ここでは「まだ」という言葉を使わずに別の言葉で置き換えて敬語表現する場合の例を挙げます。
「未(いま)だ」を使った敬語
・「まだ来ていません」→「いまだにご到着されていません」(尊敬語)
・「まだ報告がありません」→「いまだに報告がございません」(謙譲語)
・「まだできていません」→「申し訳ございません、いまだできていません」(謙譲語)
「申し訳ありません」と「申し訳ございません」はどちらでもいいですが、相手に迷惑をかけてしまった時はより丁寧な「申し訳ございません」を使った方が誠意が伝わります。
これから
・「まだ来ていません」→「お待たせして申し訳ございません、これから到着するとのことです」
・「まだ報告がありません」→「これから報告が来る予定でございます」
・「まだできていません」→「遅れて申し訳ございません、これから早急に進める所存です」
「ございます」は丁寧語で、「所存」は謙譲語です。
初回公開日:2018年02月26日
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