「提出する」の敬語表現・提出するの使い方と例文・別の敬語表現
更新日:2024年08月19日
丁寧語
丁寧語というのはその名のとおり、言葉を丁寧に伝えるための表現であり、敬語表現としては低く、そこまで畏まらなくても良いという場合に用いられます。反対に、敬意を表さなければいけない相手に丁寧語を使ってしまうと、相手に不快な思いをさせてしまったり失礼にあたる場合がありますので、注意が必要です。
使い方
上記に述べたように、敬語表現は使う対象と敬語の度合いで「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」のいずれを使うのかが変わってきます。
たとえばビジネスシーンにおいては、会議の資料や議事録、成果物や進めている仕事のレポートなど、基本的には公の場に提出する前に上司や先輩に内容のチェックをしていただくことが多いのではないでしょうか。そのような場合に「提出する」という動作が生まれますので、こういったときには敬語表現が必要です。
提出するのは自分ですので、このような場合には「提出する」の謙譲語を用います。尊敬語は相手にしてもらう場合に使用する敬語ですので、そのままの形では使うことはできません。丁寧語も重ねてにはなりますが、相手に不快な思いをさせてしまったり失礼にあたる場合がありますので通常使いません。
メールでの使い方
ビジネスの世界においてはメールは必須ツールであり、その利便性は単に仕事の情報のやり取りに使うだけではなく、資料やデータをメールに添付して送ったり、受け取ったりもすることも多く、簡単にできるからこそ気をつけなければいけないところです。
たとえば資料をメールで提出する際ですが、その旨を伝えずにいきなり送ってしまっては相手に失礼にあたりますので、相手にはその旨を伝えなければいけません。どのように表現して伝えればいいのか、例文を交えてご紹介してまいります。
【例文】
・本日打ち合わせでお話しした資料については、メールで(提出)いただけますでしょうか
・データにつきましてはメールで提出いたしますので、後ほどご確認ください
「提出する」を敬語表現するときの例文
それではここまで詳しく見てきた「提出する」という言葉を敬語表現にする際、どのように使うのが正しいのか、例文を交えてご紹介してまいります。
提出いたします
一番多く使われると推察される、自分が「提出する」側の場合に使われる「提出いたします」の正しい使い方について、例文を交えてご紹介してまいります。
【例文】
・今度のコンペで使用する書類を提出いたします
・先日の出張先での打ち合わせ内容をまとめて、本日中に提出いたします
・先程終えた会議の議事録をメールにて提出いたします
・このたびのコンペの申込書を提出いたしますのでご査収ください
提出させていただきます
「提出する」際に気をつけていただきたいのが、よく間違われる「提出させていただきます」と表現するケースです。これは誤った敬語の使い方で、「提出する」の敬語表現で自分が「提出する側」の場合、正しくは先程から挙げている「提出いたします」です。
ではなぜ「提出させていただきます」が誤った使い方なのかと言いますと、まず「させて」は文法的には「する」の使役形に接続助詞の「て」を付加したものと見ます。また「いただきます」とは「ます」の現状語であり、この二つの動詞が結びついて複合動詞となっているのですが、一説には二重敬語とされています。
また謙譲表現を重ねて使うことにより強い印象を与えてしまい、頼んでもいないのに一方的に押しつけがましく聞こえてしまう場合があります。
ビジネスの世界では不要な表現は省くことも必要であり、通常は「提出いたします」の方がシンプルで分かりやすいため好まれるでしょう。
「提出する」の別の敬語表現例
何度かここまでにも挙げていますが、「提出する」自体には敬語表現がありませんので、別の敬語表現に置き換えて表現することが多いでしょう。
中でもよく使われるのが、「くださる」「いただく」「頂戴する」という表現ではないでしょうか。そこで実際に「くださる」「いただく」「頂戴する」という表現をどのように使うのが正しいのか、例文を交えてご説明いたします。
【例文】
・頂戴した資料をもとに、次回の会議で使用する書類を再考いたします
・本日いただきました書類を拝見しまして、改めてご連絡差し上げます
・先日ご依頼いたしましたデータをくださいまして、ありがとうございます
・ご依頼しておりました書類ですが、提出期限が迫っておりますので本日中にいただけるでしょうか
正しい敬語をマスターしましょう
いかがでしょうか。敬語をはじめ、言葉遣いというのはとても大切であり、意外に人から見られているところでもあります。というのも、言葉遣いひとつでその人の印象はガラリと変わりますし、場合によってはその人の性格や本質も見え隠れします。正しい言葉遣いができるというのはとても重要なことだということです。
ビジネスの世界においても、敬語を正しく使えるかどうかは最低限のマナーであり、社会人としてのマナーでもあります。正しい敬語を使えているかどうかで、時には信頼できるかどうかまで発展することもありますので、これを機会に正しい敬語を身につけていきましょう。
初回公開日:2018年02月27日
記載されている内容は2018年02月27日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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