「しておく」の敬語表現・しておくの使い方と例文・別の敬語表現
更新日:2024年09月02日
敬語には三種類あるとお伝えしました。ではどんな状況でどれを使う事が正しいのでしょうか。まず「丁寧語」は普段見知らず人にも使うこともある「です」「ます」なども含まれます。関係が薄い年上の方や逆に親しい関係の先輩に利用する敬語です。
「尊敬語」は職場など近い関係にある目上の人に対して利用する事が一般的です。もちろん見知らぬ人でも、その上司の関係者となれば「尊敬語」を使う必要があります。「謙譲語」も目上の人へ対する敬語なのですが実際にはどういう状況の時に変わるのでしょうか。
意外と難しい「謙譲語」
敬語の中でも「謙譲語」に関してはとても使い分けが難しいとされています。相手より自分が下の立場にある場合に使う敬語なのですが、他の「尊敬語」や「丁寧語」と混乱して利用されている事が多くあります。
へりくだった言い方の「謙譲語」は職場の上司に話す場合は必須です。普段「しておく」をよく使っている方は上司との会話で思わず言ってしまわないように注意が必要です。
メールで敬語を使う時の注意点
敬語でメールを送信する事もあるでしょう。その際にも「しておく」という言葉を使い慣れてしまっていると、そのまま入力してしまう可能性もあります。内容が理解されるから問題ないと思いがちですが、文字で伝える場合には相手の捉え方も大きく変わってしまいますので、顔が見えていない分、細やかな配慮が必要になります。
例えば資料を添付してメールを送信する場合「資料を添付しておくので確認してください」意味は伝わりますが、「しておく」だと恩着せがましいような言い回しになってしまいます。もっと相手を敬う言葉にするならば「資料を添付いたしますので、お手数ですがご確認をお願いいたします」このような内容の方が、受けとった側も気持ちがいいでしょう。
「しておく」は敬語として上司には使えない!
上司に話す場合は「尊敬語」や「謙譲語」を使う必要があります。では「しておく」を「尊敬語」や「謙譲語」に変更するとどうなるのでしょうか。
結論をいうと「しておく」を言い換える事はできません。状況や使う言葉によって全く違う言葉に言い換えなければいけないという事です。
「しておく」に代わる敬語は?
「○○さんに電話しておきます」と言えないならどう言えばいいのでしょうか。それは簡単な事で「しておく」の部分を「いたします」と変えるだけで問題ありません。「○○さんに電話いたします」と言い換えるだけで、どんな聞き手によっても、スマートに聞き入れてもらう事ができます。
「しておく」と「させていただく」
「させていただく」の使い方
「させていただく」は、相手の許可があり、自分に何かしらの恩恵を受ける事に敬意を払っている場合に使うとされています。例えば「会議室の清掃をさせて頂きます」は清掃をする事に上司の許可が必要ですし、会社の清潔が守られるという恩恵が生じるので正しい使い方です。
しかし「させていただく」も上記の許可や恩恵が関連していないと間違った使い方になってしまうので注意が必要です。例えば「ご挨拶させていただきます」という使い方ならどうでしょうか。挨拶する事に相手の許可など必要ないですし、こちらも恩恵を求めて挨拶をする訳ではありません。ですから、この場合は「ご挨拶いたします」でいいという事になります。
「しておく」と「させていただく」
「させていただく」の意味をお伝えしましたが、こちら側が率先して行動を起こす場合にはとても丁寧な敬語ということになります。「会議室の清掃をしておきます」と言った場合はどうでしょう。「しておく」の意味でもお伝えしたように、恩着せがましい言い方に聞こえてしまう可能性があります。
「お伝えしておきます」と「申し伝える」
「申し伝える」という言葉は、職場の外部の人(取引先やお客様など)から、上司などに伝言を承った場合に使います。上司に伝えるという点から「お伝えしておきます」と言ってしまいそうですが、この敬語だと、外部の人より上司が上の立場と捉えられてしまう可能性があるので間違いです。
これから使える「しておく」の敬語
初回公開日:2018年02月19日
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